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オファー面談について考える
皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
最近は、中途採用の選考プロセスにおいて、「オファー面談」を実施することが当たり前になってきました。弊社からのご紹介の方も内定後にほとんどのケースでオファー面談を実施しています。
実は、以前はこのようなオファー面談が行われることはむしろ例外で、特別に応募者が希望する場合に企業側も渋々応じるというケースが一般的でした。それがなぜ、これだけ一般的になってきたのでしょうか?
今回の投稿ではオファー面談についてみていきたいと思います。
オファー面談とは?
まず、オファー面談の定義についてです。オファー面談とは、企業と内定者により、内定後に行われる面談です。労働条件や入社意思のすり合わせを行うことが多いため、「条件面談」とか「処遇面談」と言われることもあります。
ここでのポイントは「内定後」に行われるため、基本的には選考要素がないということです。そのため、面接ではなく面談と呼ばれています。面接と面談の違いは以下の投稿をご参考下さい。
オファー面談の目的は?
それではオファー面談の目的は何なのでしょうか?大きくは以下の3つになります。
《オファー面談の目的》
■労働条件のすり合わせ
・オファー面談の第一の目的はこの労働条件のすり合わせです。年収や評価制度、インセンティブのルール、福利厚生などについて企業と内定者双方で確認をする場です。
■内定者の疑問や不安の払拭
・細かい業務内容や入社後の受入れ体制など面接では確認できなかったような内容について質問をすることで入社後のリアルな状況をイメージすることができます。
■労働環境・職場環境の確認
・リモートでの面接が多い昨今では、あえてオファー面談をリアルで実施することで一緒に働くことになる部門の上司や同僚と顔を合わせる場を設けるケースがあります。これにより内定者は職場の人間関係や雰囲気などを確認することができ、より安心して働ける環境かを判断することができます。
以上のようにオファー面談は基本的には企業・求職者双方にとって入社後のミスマッチがないように行われ、最終的には入社の承諾率を上げることを目的としています。
誰に何を話してもらうかが重要
今まで見てきたようにオファー面談は企業・求職者双方にとって有効に実施されればとても意味がある採用プロセスです。ただ、あくまで「有効に」実施された場合にという条件がつくという点を認識しておくことが重要です。
それは具体的に言えば、企業・求職者双方にとってオファー面談に臨む目的が違うことがあるということです。この点が最終的に一致した時に初めてそのオファー面談は「有効」だったと言えます。
例えば、以下のようなケースが実際にはよく起きたりします。
《オファー面談時によく起こるケース》
■ケース1
・企業側:年収条件をしっかり説明したい
・求職者:年収条件は概ね理解をしているので職場環境や部門の人間関係を確認したい
■ケース2
・企業側:年収条件の説明や配属部門長から仕事内容や職場の環境について説明したい
・求職者側:実際に確認したいのは同僚やすぐ上の先輩の人柄 あるいは
社長(トップ)の考え方が知りたい
■ケース3
・企業側:年収条件や配属部門のから社員数名をアサインして職場環境を説明したい
・求職者側:実際に確認したいのはリモートワークで働いている人がどのくらいいるのか?という点
ここで重要なのは、これらの双方のニーズをしっかりと捉えて、適切な人をアサインし、オファー面談を双方にとって有意義な場にするということです。
つまり、「誰に何を話してもらうのか?」という点をしっかり踏まえてこれらの場をアレンジしていくことが大事でその役目こそ、人材紹介会社のコンサルタントが果たさなければいけないことだと考えています。
逆に言えば、双方の認識が一致していれば無理にオファー面談を実施する必要はないのではないでしょうか?
冒頭に述べたように以前は、オファー面談が実施されること自体が当たり前ではありませんでした。それは以前は、一連の選考過程の範囲の中でお互いに判断するということがある意味前提だったことが大きいと思います。
もっと言えば、大事な条件などを確認した後は細かいことは気にせず、何かあっても入社後に頑張って乗り越えていこうというような風潮が強かったのかも知れません。そのような中でも成長する人は沢山いました。
その意味では昨今の選考プロセスは丁寧に応募者の不安に寄り添い、解消をしていくことが必須になってきているのだと思いますが、あまり過保護にならず適切に運営していくことが大事なのではないでしょうか?
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