転職の都市伝説は今も存在しているのか?
皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
前回はリクルートワークス研究所のレポートを元に「なぜ転職したいのに転職しないのか?」というテーマについて見てきました。詳細は下記をご覧下さい。
今回は同じリクルートワークス研究所のレポートから「転職にまつわる都市伝説」について取り上げたいと思います。
転職にまつわる6つの都市伝説とは?
前回の記事でご紹介したリクルートワークス研究所のレポートのPART2には「転職の都市伝説」について取り上げられています。具体的には以下の6つの都市伝説について検証されています。
これらの都市伝説はそれぞれがとても興味深いテーマですが、ここでは最も有名な都市伝説である「35歳転職限界説」に関わる都市伝説2の「35歳を過ぎて転職すると年収が下がる」について見ていきたいと思います。
35歳を過ぎて転職すると年収が下がるのか?
転職の都市伝説の中でも最も有名なのが「35歳転職限界説」だと思います。 これは、転職希望者の年齢が35 歳を超えると一気に転職しづらくなったり、前職より年収が減少する可能性が高まったりすることを指す言葉です。
レポートではその理由として、35歳以上の転職希望者を即戦力として扱う企業が多い点を挙げ、20代などのいわゆるポテンシャル採用と比べて、採用の門戸が一気に狭くなり、転職難易度が高まる点を指摘しています。
それでは35歳を過ぎたら年収は下がるのでしょうか?
レポートでは転職前後の年収変化を年代別に分析しています。具体的には、15~29歳の転職者は13.2万円、30~34歳は12.4万円、前職より年収が増えている一方で、35~39歳は 8.7万円、40~49歳は7.5万円増となっています。 若年層ほど年収の上げ幅は大きくないが、35歳を過ぎても、転職によって収入が増加傾向であることが分かります。(下記、図表2-4参照)
以上のように、今や「35歳転職限界説」は完全に崩壊し、転職が可能であることはもちろん、年収アップも実現できるということが調査結果からも明らかになっています。
50代以降は注意が必要?
ここまで35歳以上でも年収アップは可能ということを見てきましたが、実はこれには条件がつきます。先の図表2-4をよく見ると50歳以降は逆に年収が下がっているのです。50~59歳は22万円、60歳以上に至っては87.5万円も減少しています。
これは50歳以上の世代では 「会社都合」による非自発的な転職を余儀なくされる人が増えることがその一因とレポートでは指摘されています。(下記、図表2-5参照)
もちろん全ての50歳以上の方がこのようになる訳ではないですが、会社都合という自分では如何ともし難い理由で転職をせざるを得ない状況が起こりうるという点は留意しておく必要があるかと思います。
その意味では日々、自分のキャリアについて棚卸しをするなり、自分の転職の市場価値などを転職エージェントに相談するなどして確認しておくことがとても重要だと思います。
弊社、カタリストエージェントの状況
最後に弊社、カタリストエージェントの実例を見ていきたいと思います。
今年1年の弊社の成約実績を見てみると実に70%以上が35歳以上の方となっております。またそのうち65%以上の方は転職で年収がアップしています。
(50歳以上の方では50%の方が年収がアップしています)
35歳を過ぎると家族の状況が変化する方も多く、働き方やワークライフバランスを重視し、必ずしも転職において年収アップを目的としていない方も当然いらっしゃいます。
しかし、一昔前とは違って、現在は35歳以上の方でもチャレンジできる求人が格段に増えており、当然、年収アップも含めた転職を目指せる環境が整っているのは間違いありません。
弊社としても引き続き、35歳以上の方の転職支援にも注力していきたいと思います。
今回は前回に引き続き、リクルートワークス研究所のレポートから「転職にまつわる都市伝説」についてその一つを取り上げて見てきました。
このような都市伝説は、単なる噂から広まっていくことが多いので感情に流されたり、感覚的に捉えるのではなく、しっかりと数字で検証していくことが大事だと思います。
その意味で今回取り上げたリクルートワークス研究所のレポートは人材業界に携わる人にとっては必見の内容になっているので是非、ご覧になってみて下さい。
転職・採用に関するご相談は是非、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。
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