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都内の無料博物館を巡ろう

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 先日の記事にも書いた通り、僕は最繁忙期に旅行するのがあまり好きではありません。しかし、このような最繁忙期においては旅行に出かける人が増えるので相対的に都内の人口は減少します。なので、都内の無料博物館を巡る小旅行をしてきました。今回は3つの博物館をご紹介します。

貨幣博物館

【開館時間】9:30~16:30 (最終入館16:00)
【休館日】月曜日 (除祝休日)、年末年始
【アクセス】東京メトロ半蔵門線/銀座線三越前駅より徒歩2分
      東京メトロ東西線日本橋駅より徒歩6分
      JR東京駅日本橋口より徒歩8分
【公式HP】https://www.imes.boj.or.jp/cm/

入口。警備の方が常駐している

 まずは貨幣博物館。皆様ご存知日本銀行が運営する博物館で、日銀創立100周年の記念事業として昭和60(1985)年に開館しました。中央区日本橋、日銀本店 (上空から見ると円の形になっている建物) の向かいの建物に入っています。入口での保安検査が必要で、館内での写真撮影等は一切禁止です。
 展示内容としては古代から近世にかけての国内の (広義の) 貨幣と近代以降の国内外の貨幣および金融政策の変遷の展示と解説です。オカネという概念がどういうものによってどのように形成されてきたかが分かるような展示内容で、歴史を学んでいるなら小学生でも楽しめると思います。あ、教科書で見たやつ!みたいなのがたくさん。大判小判の大きさの違いを実感できるような展示や銀行の地図記号の元となった分銅の展示などなど。
 あくまで貨幣博物館であるので、例えば金本位制などの金融政策の歴史やその歴史的な背景などの解説はかなり少なめでした。ここをもう少し充実させてほしいかも。しかし、数多くの実物の国内外の貨幣を見られるのは貴重な体験となるでしょう。

NHK放送博物館

【開館時間】10:00~16:30 (最終入館16:00)
【休館日】月曜日 (除祝休日)、年末年始
【アクセス】東京メトロ日比谷線三越前駅より徒歩8分
      東京メトロ銀座線虎ノ門駅より徒歩13分
      都営地下鉄三田線御成門駅より徒歩10分 
【公式HP】https://www.nhk.or.jp/museum/

外観

 昭和31(1956)年に世界最初の放送専門ミュージアムとして開館。天然の山としては都区内最高峰である港区愛宕山に位置します。僕の家はテレビがないので受信料を払っていませんが、無料で見られます。NHKの本部がある渋谷ではなく愛宕山にあるのは、大正14(1925)年に本邦初のラジオ放送が始まった際の放送所がこの地にあったためです。展示内容としてはラジオ放送開始以来の放送の歴史、および放送の現場を紹介するものとなっています。
 二・二六事件や終戦時の玉音放送、戦後の衛星中継や現代の災害放送など、放送が持つ強みや特徴を活かして歴史がどのように動いてきたかの展示となっています。更にこの博物館では放送現場で使われている技術を体験することができます。オススメなのはスタジオ体験 (王道ですが) 。
 ニュースキャスターがなぜ、カメラをまっすぐ見て話すことができるのかご存知ですか?彼らがプロだから、あるいは原稿を覚えているから、というのもそうですが、実はあれ原稿をしっかり見ています。どういうことかと言えば、キャスターの手元の原稿を上から撮影し、それを鏡写し状態でカメラのレンズの真下に設置されたモニターに映します。

キャスターから見える風景。正面に手元の原稿が見える

 そのモニターを斜めに設置された鏡で映すことでキャスターはこれを見られるのですが、この鏡がマジックミラーとなっていて鏡の向こうからばっちり撮影しています。

実はマジックミラー。見えにくいがミラーの中央やや下にレンズがある

なのでこちらとしては原稿を読んでいるつもりでも、視聴者からすればカメラに目線がいっているように見えるわけです。とは言え実際にやってみたらカメラのレンズがこちらからよく見えないのでレンズの真ん中ぴったりに視線をもっていくのは大変でした、流石プロ。
 あとはクロマキー体験もできます。背景を合成するアレです。偶然にも背景の幕の色と服の色が一致して、ガチャピン状態になってしまいました。係員の人にめっちゃウケた。

後ろのイルカの背びれが服に貫通しているのがお分かりいただけるだろうか

 なお、写真撮影自体は非営利で個人で楽しむ場合であれば可能です。今回は博物館の掲載許可を頂いています。許可を頂く際にスチル写真 (要は通常の写真のこと) という言葉が出てきてそういう業界なのだなと改めて実感。

目黒寄生虫館

【開館時間】10:00~17:00
【休館日】月曜日および火曜日 (ただし祝日の場合は開館し直近の平日に休館)、年末年始
【アクセス】目黒駅(JR山手線/東急目黒線/東京メトロ南北線/都営地下鉄三田線)から徒歩10分
      大鳥神社前バス停(東急バス)より徒歩1分
【公式HP】https://www.kiseichu.org/

外観

 最後は目黒寄生虫館。実は高校卒業時に生物の教員からオススメされた施設でもあります。目黒寄生虫館は医学博士であった亀山了氏が私財を投じて設立した寄生虫学専門の私立博物館です。入館料は無料ですが、寄付を募っています。クレカ決済等も可能です。
 展示内容はヒトに寄生するものに限らず寄生虫の標本などがずらり。あまり得意ではない方もいらっしゃるでしょうから、写真の掲載は控えます。教科書一辺倒ではなくこういう実物を見るとやはり印象深いです。
 特に印象深かったのは8.8mにまで成長した日本海裂頭条虫 (別名:サナダムシ) 。幼虫は3~5cm程度なのですが、ヒトに寄生し成虫になると5~10mの大きさになります。あの大きさで体内に存在することを想像しただけでかなり怖くなりました。後はロイコクロリディウムの展示も面白かったです。この寄生虫はカタツムリに寄生するのですがこれは中間宿主に過ぎず、最終宿主は鳥です。ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリは鳥をおびき寄せるかのように、普段のように隠れることはなく、葉の上などによくあらわれるようになります。同じように宿主を操る寄生虫としてはカマキリに寄生して水辺におびき寄せるハリガネムシも有名です。
 他にも色々学べる展示が多い (解説も充実) ので、是非一度は訪れて頂きたいと思います。

最後に

 昨今のインターネット社会において、東京にこだわる必要性は薄れています。しかし、今でも首都圏、特に東京の文化施設の優位性は揺るぎないものです。今後もいろいろとめぐっていこうと思います。

記事内の写真は全て筆者が撮影

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