家出お嬢さまの初恋
財閥のお嬢様 紫に、お見合いの話が持ち上がった。
「私と結婚してください」
どうしてもお見合いをしたくない紫は
幼い頃遊び相手になってくれたお兄さん――瞬一の家におとずれるなりそう告げた。
拒否をされるも、諦められない紫は瞬一の家に通い続ける。
やさしくしてくれることがあっても紫を助けてはくれないという。
ある日、ついにお見合いの日が近づいてきて紫は荷物を抱えて家を出た。
「私を、泊めてください」
一緒に暮らすことになったふたりだが――。
好きでもない人とのお見合い話が進められそうになって、ふと幼いころの初恋を思い出して彼のもとに家出してしまうお嬢さまの、じわじわ胸キュンTL!
えっちなので、18歳未満のお友達は読んじゃ駄目だよ。
めちゃくちゃ、起承転結ががっつりはまっていてテンポよくお話が進んでいくので、そんなに短くないはずなのだが、気づいたら読み終わってしまってた!
基本的にTLというものはお約束というか、王道というか、最後は幸せに終わる、という安心のようなものを求めて読んでいるが、この作品は期待を裏切らなかった。
というか、ちょっといい意味で裏切ったかもしれない!
幸せは確定なんだけど、その幸せに至る過程がやっぱり大切だなあと思った。
ヒーロー・瞬一のキャラがめちゃくちゃ好きだった。
脱力系の年上一般人なんだけど(お嬢さまという属性に対しての一般人)、大人っぽい面と子供っぽい面が過不足なく同居していてヒロインの紫を惑わせる過程がすごく、良……。
紫も、かわいらしい部分と天然(というかお嬢さまであるがゆえの常識知らずな面)な部分と、ほんわりしたそれらに相反する固い意志の揺るぎなさが瞬一を惑わせるんですよ、好……。
基本的にドタバタラブコメディなテイストなんだけど、ちゃんとしっとりというか切ないシーンも盛り込んであって、よくばりセット! って感じだった。
話の緩急が心地よくて、するする読めて、大満足です。
一般人×お嬢さま、大好きすぎて何回でも推せるし読める。
お嬢さまが世間の常識を知らないがゆえに押せ押せになるの大好きなので……。
でもね、この話のいいところは、「ヒーローがヒロインに押されたまま愛されたままでは終わらない」ところなんですわ。
読んで確かめてくれ。
そしてこのnoteに通販ページを貼ろうとしてふと気づく。
アフターストーリー本あるじゃん!?!?!??!?!?!?!?!?
買うよね。
(ただしなぜか今pixivでクレカを登録できずに詰んでいる)
拙者、番外編・アフターストーリー大好きどころかそこが本編くらいに思ってる節あるくらいその後のお話大好き侍。