人柄を見極める面接とは?地方×オンライン採用を行うライト光機製作所に聞いてみた
採用において「人柄重視」や「カルチャーフィット」は言語化や数値化が難しい部分です。そんななか、長野県に本社を持つ株式会社ライト光機製作所では、中途採用では珍しいグループディスカッションを通じて人柄重視の採用を貫いています。
「面接で人柄を見極めるために必要なことは?」「地方企業でもオンライン採用のメリットはある?」
CASTER BIZ recruitingを導入後、選考で出会える候補者の数が1年間で倍になったと話す人事の石井 宏明さんに、オンライン選考のよさや人柄重視の面接のポイントについて話を伺いました。
※この記事は、CASTER BIZ recruitingを運営する株式会社キャスターの執行役員森数が、ボイスメディアVoicy 『採用とキャリアと私とボイシー』で対談した放送をもとに執筆しています。
地方採用「だから」全国の候補者と会える、オンライン選考のメリット
CASTER BIZ recruiting 森数(以下、森数):
本日は「地方」×「人柄重視採用」というテーマで、長野県に本社を持つ株式会社ライト光機製作所(以下、ライト光機)の石井 宏明さんにお話を伺います。
ライト光機 石井さん(以下、石井):
ライト光機の人事担当を務める石井です。本日はよろしくお願いします。
当社はライフルスコープや双眼鏡のメーカーでして、長野県諏訪市を拠点とし売上の99%を海外で立てています。私自身は東京出身です。妻との結婚を機に長野に移り住み、今の仕事に就いて14年になります。
森数:
ライト光機さんは、地方採用で積極的に人を採られていますよね。地方では候補者の数が都市部と比べて限られる点から、企業にとって難易度が高いイメージがあります。
現在はCASTER BIZ recruitingのサービスを導入いただき、オンライン選考も組み合わせていますが、それまではどのような採用スタイルだったのでしょうか?
石井:
それこそ私が入社したばかりの14年前は、ハローワークが中心でした。人材紹介会社を利用するという考えもほぼなく、変わりはじめたのは一昨年ぐらいからです。
ハローワーク頼りでは採用充足に心もとなく、かつ当社の採用チームの体制変更やWEB媒体を十分に活用できていないなど、さまざまな課題が重なっていました。そのタイミングでCASTER BIZ recruitingさんと出会い、力を借りることにしたのです。
森数:
採用スタイルをハローワークから、人材紹介会社やWEB媒体に広げていくことに不安はありませんでしたか?
石井:
たくさんの媒体や人材紹介会社があるなかで、どれを活用すればいいのか分からない点は不安でしたね。
はじめはとにかくスカウトサイトなどを使いましょうと提案されるのかと思っていましたが、実際は「地方採用には大手媒体が適していますよ」など当社の状況を考慮したアドバイスをいただきました。キャスターさんは媒体特性など多くの情報をお持ちなので、入っていただいて不安がずいぶんと解消されたと思います。
オンライン選考にはやはり多少の抵抗感はありましたね。でも、実際やってみたら「意外となんとかなるな」という感覚でした。なにより選考でお会いできる方の数が増えました。この1年で倍になっています。
たとえば宮城県にいて長野県に移り住みたいと思っている方は、移動もありますからすぐに面接とはいきません。加えて今はコロナの影響もあります。けれどオンライン選考なら、お会いできるんですよね。
森数:
リモートワークが少なく出社が前提の地方メーカーさんであっても、「選考で会いやすい」「リーチする層が広がる」などオンライン選考を取り入れるメリットは十分にありますね。
石井:
そうですね。「長野」という場所にこだわっていたら出会えなかった方と、ファーストコンタクトが取りやすくなったと感じます。沖縄県在住の方の採用が決まった例もありました。もう採用からオンライン選考を外すのは考えられません。
リーチする層が広がり、採用リソースの分配をより意識
森数:
一方で、オンライン選考でこれまでとは異なる層にアプローチするとなると、東京の企業と競合するなど採用の様相も変わってきますよね。その点、どのような戦略を取られていますか?
石井:
どこの採用マーケットなら当社が勝てるのかを意識しています。
オンライン選考を導入すると、お会いする候補者の方が受けている他社さんが、東京や全国の企業に広がります。バッティングしたら、どれだけアピールしても当社が選ばれないということは出てきます。ですので、ファーストコンタクトの時点で長野の本社勤務であるといった情報をまず伝えます。
もちろんそこで離脱する方もいますよ。ただ、採用にかけられるリソースは有限です。オンライン選考やWEB媒体など手を広げはしたけれど、自社が注力するべき場所以外には無理をしないようにしています。
森数:
母集団の数が重要とはいわれますが、集めた方々に対してどんなメッセージを発信して、どんな方に来て欲しいのか明確にすることは大事ですよね。ライト光機さんは、その点すごくこだわっていらっしゃると感じます。
石井:
そうですね。自社のターゲットに合致する方は、優先的に選考を進めたりアプローチを強めたりするのもありだと思うんです。逆に、今はまだ転職が現実的でない方へは少し時間を空けるなど、意識的にリソースを振り分けています。
私自身、妻が長野にいたという理由で東京から越してきています。「この職種で働きたい」「この仕事がしたい」といった仕事的な動機と、「このエリアで働きたい」といったようなそれ以外の動機で人生は動いていくと思うので、両方お持ちの方が当社のターゲット層になるのかなと思っています。
グループディスカッションがあるからこそ見える人柄
森数:
ライト光機さんの採用は「人柄重視」ですよね。中途採用だと「経験」に重きが置かれるのが一般的ですが、経験は横に置いて人柄を見ることを徹底していると感じます。この採用方針にはどのような理由があるのでしょう?
石井:
以前はスキルマッチの採用もしていました。けれど当社のようなオーナー系企業の場合、入社した方が企業体質に合うか合わないかが非常に重要です。過去に採用した方がすぐに退職してしまった経験から、相性に重きを置いた採用にシフトしました。
定着率が一気に上がったのはそれからです。スキルは入社後に補えますが、価値観など相性は後から変えることはできませんからね。
森数:
人柄重視やカルチャーフィットの採用だと、より難易度が上がると感じます。選考で人柄を見極めるための工夫を教えてください。
石井:
率直に言うと、普通の面接では価値観を見極めるのは不可能だと考えています。
なので、私たちの選考ではグループディスカッションを導入しています。実際の仕事に近い状況を想定し、話し合いを通じてその方の仕事観や考え方を見させていただいています。以前はリアル面接だけでしたが、今はオンラインでも同様にグループディスカッションを実施しています。
先入観なく判断ができるよう、書類を事前に閲覧できるのは人事のみにし、面接官の社員の方には選考の場だけで判断していただくようにするなど、徹底しています。
森数:
選考の場で、見るポイントは決まっていますか?
石井:
緻密に決めています。面接を担当する社員の方とのズレがなくなるよう、面接には同席し、終わったあとは毎回1時間以上かけて選考のすり合わせをしますね。正直、判断の難易度が高い選考方法ですので、担当できる社員も面接官の訓練を受けた一部の方のみです。
森数:
1対1の面接で受ける印象と、グループディスカッションのように複数人のなかで受ける印象が異なることはあるのでしょうか?
石井:
当社のエースエンジニアは、グループディスカッションで見てよかったなと思う代表例ですね。
非常に優秀な方なのですが喋りが苦手でして、第一印象がよいタイプではありません。正直、もし通常面接のみで選考をしていたら、合格を出していたか私も自信が持てません。
私たちのグループディスカッションでは、仕事上の困難な状況を設定します。ちょっとした困難を切り抜けるために、どういたらいいか?というテーマ設定です。
この方は普段は寡黙ですが、目の前の状況に逃げずに一生懸命立ち向かう姿を選考を通じて見せてもらいました。実直な姿勢を見て、「この人だ」と思った記憶があります。もう10年以上、うちのエースエンジニアとして頑張ってくれています。
事実と意見、根拠を明確にして面接官とすり合わせる
森数:
ライト光機さんは、「こんな人がいいね」を言語化して、さらにどんな状況であればそれが確認できるのかを、選考過程できちんと組み立てているのですね。
石井:
面接官からフィードバックをもらうときは、私のほうから「どんな候補者だった?」といった質問のほか、具体的な根拠も聞きます。どの発言やどの行動からその判断に至ったのか。もし、根拠となるものが少なければ、そうは言い切れないよねと指摘します。
事実と意見を区別して、きちんと根拠を揃えないと判断軸がブレるよと、毎回面接のすり合わせの際にネチネチ言っているんです(笑)
森数:
事実と意見を分ける訓練は大事ですね。
石井:
最終面接だけは「感覚」が入りますけどね。それまでは理詰めで組み立てて、最後にオーナーの合う合わないの感覚も合わせて選考する形です。
森数:
おもしろいですね。一般的な面接のかたちに捉われず、一緒に働きたい人物像から考えてよりよい選考方法を見つけられるかもしれないと、本日お話を伺って改めて思いました。
最後に、石井さんから現在転職を考えている方や、ライト光機さんに興味を持った方にメッセージをお願いします。
石井:
私たちは地方採用でオンライン選考を取り入れつつ、最後はリアルでお会いすることを大事にしています。現在絶賛採用中です。興味をお持ちの方は、カジュアル面談もやっていますので、ぜひお問合せください。本日はありがとうございました。
森数:
ありがとうございました!
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