ため息338:ヒグラシが鳴き始めました
真夏日が40日目も続いたある年の午後、JR京浜東北線洋光台駅に向かって歩いていました。セミの声が間近に聞こえる街路樹を見ると、なんとセミが子供の目の高さに何匹もとまっていました。それが1本の樹だけではなく、ほとんどの街路樹でセミが鳴いています。アブラゼミが多いのですが、ときどきミンミンゼミも目線のところで鳴いています。
夏休みの宿題に昆虫採集がなくなり、ムシを怖がる都会の子供たちが増えているようです。人通りの多い駅に向かう街路樹で鳴くセミは歩行者に身の危険を感じていないようです。公園のハトが人を怖がらないように、街中のセミも人がそばを通っても平気で鳴き続けています。
ミンミンゼミが街中で1メートルぐらいの高さのところにとまって、近づいても逃げないのです。宝物を目にしたような気がしました。そして次に、ミンミンゼミを捕まえてどうするのということに気がつきました。
子供たちの夏休みの宿題の対象ではなくなったときから、セミはマンションの隣の住民と同じ立場になり、ヒトはセミの存在に干渉しないようになったのでしょう。
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