中小企業における知財管理の強化施策(3/3)
1)施策評価
前回までに組織学習の施策強化を推進する背景の説明と、導入施策の内容について記載しました。
本シリーズ最後の今回は施策評価を記載します。
評価は下図の基軸構成に沿って実施しました。それぞれ記述します。
2)重点課題と学習実績の差異分析による評価
まず簡単に施策背景をおさらいします。
経営RTの振り返りで抽出した重点経営課題は以下の3点でした。
経営重点課題
1)経営戦略(何を実現する会社でそれをどう市場で展開するか)
2)人材強化(今まさに書いている組織学習もこれに該当)
3)財務戦略(AccountingとFinance領域)
これらに対して組織学習の実績値を分析したのが以下のシートです。
領域別の実績
実績全体集計の領域別データは「事業企画」の分類に最も多くの時間を割いている実態が読み取れます。重点課題のうち「経営戦略」と「人材強化」の2点については取組み実績が見て取れますが、「財務戦略」領域については対全体比13%でもはや注力していないことが分かります。
従業員別の実績
従業員別(一旦ABCさんとしています)では、個人間でバラつきがありそれぞれリソース投入対象が散在している実態が浮かんできました。個人の趣向が反映された実績が見えます。必要なこととやりたいことが一致している場合には見過ごされがちですが、やりたいことが必要なこととは限らず、やはりここでも思考様式の統一による行動様式の統制が効いていないことが分かります。
これらより、重点課題と施策実績の差異分析による評価という観点では施策の有効性は著しく低い結果であることが分かりました。そもそも組織学習の取組みに注力するに至った経緯を踏まえた施策目的と展開施策の整合性が取れておらず、目的と手段が入れ替わる現象が発生しました。何のための組織学習施策なの?に対して明確に落とし込めていないが故に、取り敢えず興味のある領域で学習してみました状態。これでは有限な経営資源の効率的な配分・活用の実現にはほど遠いですね。もう地平線の彼方です。
3)施策導入による組織学習定着化への影響評価
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