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経営計画|BtoBについて学ぶなら下町ロケットを教科書にしよう

先日、ビジネスモデル型の概要についての記事を作成したんだけど。


今回から、ビジネスモデル型の一つ一つに焦点を合わせ、それぞれの特徴を理解するための記事、作っていこうと思う。


第一回はBtoB。顧客が「企業」タイプ。どんな特徴をもつビジネスモデルなのか基本的な内容をまとめておくから、初めてBtoBについて学ぶ人や、これからBtoBビジネスに挑戦しようとしている人に役立ててもらえると嬉しい。


ちなみに日本は本当に恵まれていて、実はBtoBを知るならこれ以上ない教科書がすでにあるんだ。だから今回の僕の役目はその教科書を紹介することに尽きる。もしまだその教科書を知らなかったら、興味持ってくれると嬉しい。


このnoteの目的は「宇宙一楽しく事業計画書を作成するために必要な考え方や知識をシェアすること」です。比較的小規模な起業、創業に挑戦しようとしている人に役立ててもらえるような記事作りを目指します。


ビジネスモデルBtoB型の特徴

BtoB型は「顧客が企業」であるビジネスモデルのこと。そのために考えられる特徴がこちら。

  • 取引が高額になる可能性が高い

  • 取引が長期的に続く可能性が高い

  • 専門性の高い製品・サービスが求められる可能性が高い

  • 臨機応変な対応を求められる可能性がある

  • 購買決定までにたどる過程が多い可能性がある

ビジネスモデルBtoB型の教科書の紹介


四季報を読んで「販売先」の欄を見て、どの会社がどんな会社へ何を提供しているのかを調べていくのも面白いと思うんだけれど、もしBtoBについて学びたい人の中に観ていない人がいるんだったら絶対に観てほしいドラマがある。


「下町ロケット」だ。


ドラマの原作者である池井戸潤氏といえば、「やられたらやり返す、倍返しだ」でおなじみの半沢直樹シリーズを思い浮かべる人もいるかもしれない。


そんなビジネスドラマの名手が作り出した「下町ロケット」、もうBtoBに関する教科書にしていいんじゃないかって思ってる。

BtoB型の特徴を下町ロケットで検証


上記の特徴が、下町ロケットのドラマ内でどこに表れているのかを検証しよう。

■取引が高額になる可能性が高い

そのうえ帝国重工に特許を譲ればさらに20億もの大金が入ってくるとあって

TBS下町ロケットあらすじ3話


この「帝国重工」、ドラマの中で巨大企業という位置付けなんだけど、取引先が巨大企業ともなると動くお金も巨額になる場合がある。


原材料、人件費、開発費など、一つの製品やサービスを作るためにかかるお金を総額で考えて取引する場合が多いだろうから、それもあって取引が高額になる可能性は高い。(ビジネスの内容にもよるので、絶対に高額だとはいえないけれど)

■取引が長期的に続く可能性が高い

一度帝国重工に部品供給してから3年以上取引が続いている。
(参照:下町ロケットあらすじ6話8話


一度実績を作ることに成功した後は、その後も長い期間信頼してもらえる可能性が高い例。


下町ロケットの場合はそもそもハードルが高い技術を求められていて、それをクリアしたことから信頼され次の仕事に繋がっているケースだけど、最初の仕事は小さくても誠実な仕事を続けてくれるってことが伝われば、長期的に取引してもらえる可能性は高い。

■専門性の高い製品・サービスが求められる可能性が高い

佃製作所を訪れ、その社風と手作業による技術、製品の高い品質を目の当たりにした財前(吉川晃司)は、佃(阿部寛)の夢に共感し、部品供給のテストをさせてくれと上司の水原(木下ほうか)に進言する。

TBS下町ロケットあらすじ4話


(この場面こそドラマで見てほしい。佃製作所で、手作業で極限まで磨かれた製品を目の当たりにした時の財前部長の顔を!!)


逆に言えば「○○にしかできない」レベルの製品、サービスを求められたり、それができなければ取引してもらえない可能性があるという例。

■臨機応変な対応を求められる可能性がある

バルブに問題があると指摘された佃は、泊まりこみで原因究明にあたる。

TBS下町ロケットあらすじ5話


自社商品にトラブルがあり、予定になくても仕事が発生する例。


トラブル処理に限らず、コミュニケーションの問題で互いの認識にズレがあったり、必要な情報が伝わっておらず予定のない対応を求められることはBtoBに限らずよくある話。


ただそれがBtoBの場合、今後の取引や、取引に関するお金の増減などにも関わってくるため、臨機応変に対応する必要性も非常に高いと考えられる。

■購買決定までにたどる過程が多い可能性がある

部品供給のテストをさせてくれと上司の水原(木下ほうか)に進言する。一度は考えると返答した水原だったが、財前のやり方に不満を抱き、

TBS下町ロケットあらすじ4話


直接やり取りしているのは財前部長だけど、部長の上にも上司がいて、さらにその上に杉良太郎という大ボスを納得させないと、佃製作所の製品を使ってもらえない。購買決定までに時間が必要な例。


動かすお金は「組織・企業」のものだから、高額であればあるほど判断に時間がかかるのは当然。だけどそこに下町ロケットみたく私情をからませる人はあんまり関係してほしくないところ。



我ながら公式あらすじだけでBtoBの具体例を引っ張ってこれるとは考えていなかったが、なんとか出来てしまったことにあわあわしている。


この紹介したあらすじに加えて腹の立つヤツが絡んできたり、現場でもがく人間の悔しさなどが丁寧に描かれていたりと、本当に感情ジェットコースターが味わえるヒューマンドラマ。


テレビドラマの配信や原作小説があるので、お好きな方で楽しんでみてほしい。(多分見終わったあとBtoBを学ぶために見始めたことを忘れている可能性が高いけど)

まとめ


BtoBを学ぶなら、大事なことは全て下町ロケットに描かれている。それはBtoBビジネスがもつ特徴が全て織り込まれていることからも明らか。


一番古いのがWOWOWの放送で2011年作なんだけど、10年以上たった今でも通用するBtoBの特徴が描かれた名作。一度見たよって人も新たな気付きを得られるかもしれないよ。お正月のお供にぜひ。

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かみき まさや
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