褒めない、叱らない子育て
子育ての中で
『褒めて伸ばすか、叱って伸ばすか』
という話をよく聞きますが、私はそれはどちらも間違いだと思っています。
理由は”褒める”も”叱る”も、目上の人が目下の人に行う行為だからです。
褒める時によく使う言葉
「よく出来たね」
「頑張ったね」
「エライね」
etc.
叱る時は
「○○しなさい」
「△△してはいけません」
「何で出来ないの⁉」
etc.
どちらも自分より上の立場の人に向けては、使わない言葉です。
自分と同等の立場の人にも、あまり言わないでしょう。
アドラー心理学では
『子どもも自分と同じ人間であり、対等である』
と考えます。
対等であるなら、上から目線の物言いはおかしいですよね。
先に述べたいわゆる褒め言葉も、そして叱る時の言葉も、
「こうした方が良い」
「こうしなければならない」
というあなたの主観の元、相手を評価する言葉です。
あなたが
「こうした方が良い(こうするべきだ)」
と思っているだけで、それを相手に強要するコトは出来ないというのが、”課題の分離”でした。
(詳しくは、先日の投稿【課題の分離】をご覧ください。)
こう伝えると
「褒めた方が続けてくれる」
「叱った方が同じ過ちを繰り返さなくなる」
という反論が聞こえてきます。
それは、その通りです。
なぜなら子どもは褒めて欲しいから続けるのだし、叱られたくなくてやめるのだから。
この
『褒めてほしいから続ける』
『叱られたくなくてやめる』
は、裏を返せば
『褒められなければしない』
『叱られなければする』
というコトです。
道にゴミが落ちていた時、それを拾って
「エライね」
と褒めてくれる人が近くにいれば拾うけど、誰も見ていないところでは拾わない。
先生が見ている所では仲良く遊んでいたのに、いない所では仲間外れが起きたりもします。
一般的に善いとされている行いも誰も褒めてくれなければしなくなったり、善くないコトも叱る人さえいなければ平気でするようになってしまいます。
これは自分の行動を、自分で決められないというコトに繋がります。
自分がしたいからする、したくないからしないのではなく、自分の行動基準の前提に”相手からの評価”が存在するコトになってしまいます。
褒めるのも叱るのもダメなら、一体どうすれば良いの?!
それはただ、あなたの気持ちを伝えれば良いのです。
子どもの行いを評価するのではなく
「ありがとう」という感謝の気持ち、
「助かったよ」「嬉しい」という喜びの気持ち、
「悲しい」「嫌だ」「やめて欲しい」という悲しい気持ち等、
その行いに対するあなたの気持ちをそのまま伝えれば良い。
すると子どもは
「役に立ったんだ」
と自信を持てたり、
「これは相手を傷つける行為なんだ」
と理解できるようになります。
そして、次の行動を自分で考えて決められるようになっていくのです。
人は
「他者に貢献できた」
と思えた時に、自分の価値を実感できるそうです。
子どもが自ら存在価値を実感し、自己肯定感を高める為に、意識して声掛けを変えてみましょう。
私もこの考えを知るまでは、子どもに怒っては反省の繰り返しでした。
でもこの考えを知って声掛けを意識してからは、少しずつですが子どもとの関係性も変わりつつあります。
急に変化はなくても、少しずつ、でも確実に変わってきます。
あなたもぜひ、試してみて下さい❣