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「勉強しなさい」と言う親たち

突然ですが、皆さんはお子さんに
「勉強しなさい」
と週に何回くらい言いますか?

中には
「毎日言う!」
という方もいるかもしれませんが、私は今まで言ったコトがありません。

テスト前に夜遅くまで勉強していると、
「勉強はもう良いから、早く寝なさい」
と、促すコトはあります。

娘が受験生だった頃、週末お出かけに誘っては断られ、しょんぼりしていたような母親です。

だから、周りのお父さんお母さんがなぜそんなに子どもに勉強を強要するのか、正直よく分かりませんでした。

ですが、よく分からないなりに考えてみると、
”「勉強しなさい」と言っちゃうからくり”
のようなものは見えてきた気がするので、今回はその”からくり”について、まとめたいと思います。

・・・と、その前に・・・

義務教育とは

”義務教育”について勘違いされてる方が多かったので、先にここで少し触れておきます。

義務教育は、子どもが教育を受ける権利を行使する為に
「教育を受けられる環境を与える」
という、保護者や社会が子どもに対して負う義務です。

子どもが
「教育を受けなくてはならない」
という義務を負っているのではありません。

貧困などの家庭環境や、通える距離に学校がないなど生活圏の問題によって、”教育を受けられない”状況に陥らない為の制度であって、本人の意思で
「勉強したくない」
「学校に行きたくない」
場合は、それを強要できるものではありません。

不登校に携わっていると
「義務教育なんだから、学校行かなきゃダメ!」
というような言葉を聞くコトがありますが、それは間違いです。

子どもにあるのは教育を受ける権利で、その権利は、子どもの意思で放棄するコトも出来ます

少し話が反れましたが、あまりにも多い勘違いだったので改めて記しておきました。

勉強=”善い”とされている理由

さて、話を本題に戻します。
まずはちょっぴり雑なタイムスリップですが、お付き合いください。


今でこそ当たり前に浸透していますが、元々日本には”義務教育”なんてありませんでした。

学校の原型のような場所が出来た当初は、ごく限られた上流階級の人たちが学や教養、作法等を身に付ける為に通うところでした。
(まだ寺子屋とか呼ばれていた時代です。)

その時代は、主に世襲制
・お百姓さんの家に産まれたら、お百姓さんに
・農民の子ならば、農民に
・商人の家庭の子は、商人に
士農工商の身分制度があり、親から子へ、家業が代々引き継がれていた時代です。

つまり、農民の家に産まれた子に大事なのは、文字の読み書きよりも土の耕し方や稲の植え方・収穫の方法など。
それによって生計を立てて暮らしていたのですから、当然です。

ごく一部の上流階級に属していなければ、教育そのものが必要なかった時代です。


やがて明治時代に入り、身分制度も変わり、今の義務教育制度の基盤ができます。

大人になるまでに一定の学力・知識を身に付けるコトを目指し、子ども達は勉学に励みますが、間もなく世界中で戦争が始まり激化していきます。

勉強を学ぶはずだった学校で日本国民としての思想を植え付けられ、武器の使い方を教えられ、子ども達も時代に翻弄させられていきます。
(ちょうど私のおじいちゃんおばあちゃん世代です)


やがて戦争が終わり、高度成長期を迎えます。

ちょうど団塊世代である私の父母世代は、親(祖父母)世代から
『学校で勉強出来るコトがいかに幸せなコトか』
を説かれます。

この世代は親の言う通り、一生懸命勉強して学力の高い学校に進学すれば、一流企業への就職にも繋がった時代です。
終身雇用・年功序列が一般的で、一流企業への就職は生涯安泰を意味しました。

勉学に励むコトが、将来の豊かさを勝ち取る為の手段となり得た時代です。


その父母世代から
「学力があれば生涯安泰、幸せになれる」
と言われ続けて来た私達の世代が今、親になって
『勉強は出来ないより、出来た方が良い』
と、子どもに対して
「勉強しなさい」
と言っているのではないでしょうか。

現代~風の時代~を考える

ところが、今はどうでしょう?
本当にそんな時代でしょうか??

偏差値の高い有名大学に入ったら、生涯安泰の一流企業に就職できますか?

インターネットの登場に加え、働き方・企業のあり方さえ問われている時代です。
(コロナが後押ししたと言われていますが、すでにその波はコロナ前から来ていたと思います。)

一流と言われた企業ですらリストラや倒産が相次ぎ、IT導入によるシステム改善や人件費削減、外国人雇用や男女雇用機会均等法による多様な働き方の見直しetc.

時代はものすごい勢いで変化しています。
現代に、”生涯安泰”などあり得るのでしょうか?

今や終身雇用なんて少数派です。
女性がどんどん社会進出して、転職もずいぶん当たり前になってきました。
正社員以外の働き方も、どんどん多様化しています。

仮に良い成績を取って、良い大学に進学して、一流企業に就職したとしても、何かしらのきっかけやタイミングで転職したり、副業を始めたり、働き方を見直す方がほとんどではないでしょうか。

これから多様性の波は、さらに加速すると思います。

ずっとゲームばかりして怒られていた子が、プロゲーマーとして活躍しています。
ずっと先生の話を聞かず自分の世界に没頭していた子が、自分の世界観を発信してインフルエンサーになっています。

これまでになかった職業や肩書きがあふれ、逆に淘汰されてしまった職業もたくさんあります。

今でさえこれです。
私達の子どもが就職する頃、本当に勉強している人の方が有利なんでしょうか?

学ぶコトは楽しいコト!!

幸せについて考える

私は勉強するコト自体を否定するつもりは、全くありません。
私も大人になってから心理学やキャリアコンサルタントをはじめ、色んなコトを学んで、今こうしてnoteを書いています。

学ぶコトは、楽しいコトです。
それを今、一番実感しているかもしれません。

だから、学ぶコトを否定しているのではなく、
「勉強しなさい」
と毎日(あるいは週に何回も)、子どもに強要する必要があるのかという投げかけだと思って聞いて下さい。

・成績優秀な子の方が、人生を進めるには有利でしょうか。
・勉強が出来る子の方が、将来豊かな生活が出来るのでしょうか。
・なぜ勉強しないといけないのでしょうか。
・本当に勉強は必要でしょうか。
・今の教育制度で、きちんと子ども達の評価は出来ているでしょうか。
・なぜ義務教育があるのでしょうか。

最後に、本当に勉強が出来る子の方が将来幸せになれるのでしょうか。

「勉強しなさい。
宿題はやったの?」

子どもに言う前に、一度私たち大人がきちんと向き合わないといけないのではないでしょうか。


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