なぜ「不正乗車」のことを「キセル乗車」と言うのかその由来について
不正乗車のことを「キセル」と呼びますが、これはたばこを吸うときに使う「キセル」に由来します。
江戸時代には、たばこはキセルを使って吸っていました。
雁首とよばれる、たばこの葉を詰めるところは金具で出来ています。
また吸い込み口も金具で出来ています。
その間の部分は、竹など金属以外のもので出来ているのが一般的な作りです。
つまり、キセルの両端だけが金属(吸い口と雁首)、つまり「金」なのです。
この「キセルの作り」から、不正乗車を「キセル」と呼ぶようになりました。
というのも、不正乗車の代表的な手口が、例えばA駅からZ駅まで行くのに、AからB駅、YからZ駅の切符だけ買って、その中間の運賃だけ払わないというものです。
A駅は、AからB駅までの切符で入り、YからZ駅の切符でZ駅の改札を出るというもので、両端の運賃は払うけどその中間は払わないという手口です。
両端の区間だけお金を払い、中間は払わないという方法が、両端だけ金属製というキセルの作りとそっくりということで「キセル乗車」と呼ばれるようになったそうです。