スーク・ムバラキーヤ【クウェート旅行"最強"解説】
本記事では、クウェートのスーク・ムバラキーヤ(Souq Mubarakiya)を解説します。
本記事の特徴
恐らく日本語で唯一のムバラキーヤ解説です。
(というより、私以外にムバラキーヤについて日本語媒体で発信している人が皆無というレベルの観光地です。)
解説とは言いつつも、一緒に旅をしているような記事を目指しました。
クウェートを感じて頂ければ幸いです。
スーク・ムバラキーヤとは
ムバラキーヤはクウェート市(首都)にある、200年以上の歴史を持つ伝統的なスーク(市場)です。
大小さまざまなスークをまとめてムバラキーヤと呼んでいます。クウェートを観光する場合、特に見るべき場所だと思います。
スークのイメージ
エジプトのハン・ハリーリに比べて落ち着きがあり、ドバイのオールド・ドバイに比べて商売っ気が少なく、カタールのワキーフに比べて生活感があるスーク、というイメージです。
やや小汚く雑然としているので、そういった場所が苦手な方はアベニューズ・モールに行きましょう。
クウェートは全体的に英語が通じやすい国です。ムバラキーヤでは大半の労働者がインド人かエジプト人なので、かなり英語が通じます。
(逆に、アラビア語が分からない店員も少なからずおり、アラビストの皆様はガッカリするかもしれません。)
伝統的な衣装を買う場合、アラビア語しか通じない店があることに気を付けてください。
観光用のスークとしての側面は薄く、一般のクウェート人が買い物をしています(もっとも、少し割高なので大多数のクウェーティーはスーパーマーケットで買い物をしていますが)。日常を覗き見たい方にお勧めです。
値切り
スーパーマーケットとレストラン以外は基本的に値切ることが出来ます。
値段は表示されていないことが多いので、買う前に値段を聞いてみましょう。
基本的にふっかけられているので、「ガーリー(高い!ガはうがいのガラガラ音)」と言ってみると良いでしょう。
言い値の6割くらいで買えることが多いです。
値引きしてもらったからといって、恩義を感じる必要は全くありません。そういうものです。気に食わなかったら買わずに帰りましょう。
所要時間
私はスーク全体を写真を撮りながら歩いたことがありますが、およそ2時間で移動が終わりました。
初めての方でも3時間もあれば全体を見終われるでしょう。
ショッピングや食事をする場合でも5、6時間もあれば十分かと思います。
スークの全体像
ムバラキーヤは少々入り組んでいて、慣れないうちは移動するのが大変です。また、あてずっぽうに移動していると見どころにたどり着けません。
移動するにあたっては、4つの大きな通りを意識して移動すると分かりやすいと思います。
4つの通りとは
★アブドゥッラー・アル=サーレム通りの一部(Abdulla Al Salem Street)
★スーク・ガラバッリー通り(Gharabally Souq Street)
★スーク・サラーリーフ / サウード・ビン・アブドゥルアジーズ通り(Saud Bin Abdulaziz Street)
★アミール通り(グーグルマップ未表記)です。
カッコの中はグーグルマップの表記名です。
4つの通りをつなぎ合わせると、小文字のhを左右反転させたような形になります。
それぞれの通りの末端部に有名な施設があります(上の地図の青丸印)。
施設にグーグルマップでピンを立てておくと便利だと思います。
施設の名前は以下の通りです。
・Souq AlMubarakiya(メインゲート)
・Safat(ランドマークの公園)
・Freej Swaeleh - Mubarakiya(おすすめのレストラン)
・Sheikh Mubarak Kiosk(小さな博物館)
・Al-Faris Mosque(小さめですがきれいなモスク)
いざ出発
それでは、一緒にムバラキーヤの旅に出発しましょう。
スーク・サラーリーフ(サウード・ビン・アブドゥルアジーズ通り)
まずはメインゲート(グーグルマップのSouqAlMubarakiya)から北の方に向かって歩きましょう。
ゲート横には可愛らしいウォールアートがあります。
スーク・サラーリーフは木組みの天井で覆われた通りです。通りがそのまま一つのスークになっています。
この通りには両替店やATMがたくさんあります。
伝統装束(ディスダーシャ、イガール、グトラ)のお店も充実しています。この通りの服は品質は良いかもしれませんが、高めです。英語は通じやすいと思います。
ヘリテージ・スーク
サラーリーフの西側に並行するように、ヘリテージ・スークがあります。
紛らわしいですが、グーグルマップではHeritage Souqで調べると少しずれたところが出てきます。Iranian carpetsで検索してください。その付近です。
「ヘリテージ」の通り、伝統的な商品(伝統衣装や絨毯)を買うことができます。観光客向けの場所で、英語はよく通じます。
(個人的には観光客に媚を売った「あざとさ」を感じるのは内緒です。)
観光客にとって一番のお勧めはバイト・アフマド・カフェ(Bait Ahmad Cafe)でしょう。
スーク・アルザル&スーク・ブシュート
ヘリテージ・スークと繋がっているスークを見てみましょう。
スーク・ビン・ドゥアイジ
サラーリーフを3分の2ほど進むと、東側に細い道が見えてきます。
ここには仕立て屋さんが多くあります。
布からディスダーシャ(クウェート人の民族衣装)を仕立てたいならおすすめです。その場合20KD(1万円)以上の予算をみる必要があります。また完成まで数日かかります。
近くには、ドゥアイジの水飲場(Sibeel Duaij)という文化遺産もあります。
アミール通り
ファーリスモスク(ピンを立てて頂いた場所)が見えたら、スーク・サラーリーフは終わりです。オマーン通りを挟んだ向かい側がアミール通りです。
最初にお示しした4つの通りの1つです。
ムバラキーヤでも特に歴史がある通りですが、あまりにぎわっていないのでお勧めです。
そこまで商売する気もない、趣味人が店主の店が多いイメージです。
ここに店を構えること自体が名誉であるようで、ずっと閉まったままのお店も少なくありません。
私のお勧めは、ガフワ・アリーという歴史あるマクハー(カフェ)です。
落ち着いてガフワ(コーヒー)を飲めますよ。
少し外れたところには、クウェート最古の郵便局があります。
この通りの北東部にはスークマナフがあります。もともとはラクダを繋ぐための場所だったとのことです(怪しいクウェート人から聞きました)。
同時にNBK(ナショナルバンクオブクウェート)発祥の地でもあると、怪しい人が教えてくれました。
NBKのシンボルマークがラクダなのは、そのためだそうです。
少し歩くと、学校教育博物館があります。旧ムバラキーヤ校(ムバーラク大王が設立した学校)です。
スーク・ガラバッリー
さて、今まで来た道を引き返しシェイフ・ムバーラク・キオスク(Sheikh Mubarak Kiosk)まで戻りましょう。
キオスクの周辺は円形にお店で囲まれています。その中心部にあるこの広場は、ちょっとした憩いの場です。
キオスクはサラーリーフとガラバッリーの結節点にあります。
スーク・ガラバッリーは最初にご紹介した4つの通りの1つです。
東西にのびる、ムバラキーヤで最も賑やかな通りであり、これまた通りそのものがスークでもあります。
東には衣類店、西には香水店が多めにある印象です。
では、ガラバッリーを西へと進んで行きましょう。
スーク・アイシュ
右手(北側)を見ると、伝統的な帽子屋さんがあります。
その奥に、レストランがいくつかあります。ここがスーク・アイシュです。
スーク・カバビーズ及びスーク・セラーハ
左手(南側)には工事中の一角があります。ここがスーク・カバビーズで、そのさらに南側がスーク・セラーハです。
残念ながら、2022年に起こった火事のため2024年現在は工事中です。香水店が発火したと聞きました。
早く修復してもらいたいですね。
スーク・サマク
右手に「スーク・サマク」という看板が見えてきました。中に入ってみましょう。
生臭い匂いがします。ここは魚市です。クウェート人は魚介類をよく食べます。
スーク・フドラ
スーク・サマクを更に北に進むと、青果市が見えてきました。
ここでは商品が量り売りされています。
スーク・ラハム
さらに北西に行くと、肉市です。豪快に肉を解体している様子が見物できます。
南に進んでお菓子市(スーク・ハルワー)を通ると、スーク・ガラバッリーに戻ることが出来ます。
スーク・アブヤド
通りの右側に見えるのは、スーク・アブヤドです。レストランが円形に配置されています。
ガラバッリーも殆ど歩き終えました。
スーク・サナディーグ
左手に狭い通りが見えます。ここからサナディーグに入れます。
香水や土産などがコンパクトにまとまっていて、フリージュ・スウェーレを中心とした観光プランを立てる場合は寄ると良いでしょう。
私の行きつけのディスダーシャ店もあります。
スーク・ボワルト、スーク・ムカースィースは殆ど同化しており、何が違うのか分かりません。
白パラソルエリア
呼び方に諸説があるので、仮に「白パラソルエリア」とします。
文字通り大きな白いパラソルが沢山あり、その下でご飯を食べるレストラン街があります。
クウェートで一番お勧めのレストラン、「フリージュ・スウェーレ」(最初にマークして頂いたレストラン)がここにあります。
フリージュ・スウェーレは伝統的なクウェート料理を提供しており、値段も手ごろで(1人1500-2000円程度あれば本格的なごはんをたくさん食べられます)、サービスも良く清潔です。
腹ごなしをしたところで、ムバラキーヤの旅もそろそろ終盤です。
スーク・ワージェフ
フリージュ・スウェーレより少し西に行くと、このスークがあります。
昔は女性が衣類を売っていた市場です。残念ながら、今は男性店員しかいません。
アブドッラー・サーレム通り
最初にお伝えした4本の通りの最後です。フリージュの隣を南に進みましょう。
電気屋や玩具屋が多く、あまり観光地客向けではありません。
玩具屋ではクウェート土産を買いやすくはあります(品格ある大人が買うべき土産かは別問題です)。
サファート広場
通りを抜けると、ここにたどり着きます。
噴水がある広場です。ムバラキーヤのランドマークの一つで、定期的にお祭りが開かれています。
少し歩くと、ムバラキーヤ屈指の「映えスポット」である Safat Al Mubarakiyaを見つけられるでしょう。
スーク・ワタニーヤ
ムバラキーヤを構成しているのかは不明ですが、サファート広場の南側にスーク・ワタニーヤがあります。
スーク・カビール
ムバラキーヤの南西部にあります。ワタニーヤと同じようなスーク(というよりショッピングモール)です。
旅を終えて
いかがでしたでしょうか?
クウェートの雰囲気を味わっていただけたのなら嬉しく思います。
もっとも、本物の持つ魅力は実際に行ってみないと分かりません。一人でも多くの人がクウェートを訪れ、この記事では描き切れなかった面白みを見つけてくれたらと思います。
興味を持たれた方は、下記記事もお読みください!
動画
私が撮影した動画です。参考になれば幸いです。
★プレイリスト
以下はプレイリスト内の動画を一つずつ解説したものです。
★ガラバッリー中部から東に移動した後、アフマド・アルジャバル通りを南西に移動、メインゲートに到着
★フリージュ・スウェーレ周辺からスーク・ワージェフ
★サファート広場からアブドゥッラー・アル=サーレム通りを北上
★スーク・ナエルからアフマド・ジャバル通りを南西に移動し、サラーリーフを北上
★スーク・カビールからアフマド・ジャバル通りを西に
★スーク・カビールの人気(ひとけ)がない場所
★スーク・ガラバッリーを東から西へ(途中スーク・サマクに寄る)
★オマーン通りからスーク・フドラまで
★バラハット・ビン・バハル周辺
★アミール通りを南下
★サラーリーフを北上
★バイト・アフマド
★ヘリテージ・スークとガラバッリーの東部
★アフマド・ジャバル通りを東に(驚きの4K画質)
★サファート広場
★スーク・ワタニーヤからアフマド・ジャバル通りを東に
★アフマド・ジャバル通りを東に(暑さに半ギレしながら)
★スーク・サマク(魚市)
それでは。