👍👍システム理論をわかりやすく👍👍

▼こんばんわ🌙🌙

▼唐突ですが・・・　社会福祉士や精神保健福祉士のテキストには、「一般システム理論」の内容が必ず載っています。一般システム理論は、テキストの内容をそのまま直球で読むと難解ですので、キーワードをまじえながら、かみ砕いてご説明を。しばしお付き合いくださいませ😊😊

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▼まず、一般システム理論は要素還元主義を批判します。早速、なんだそれ❔❓

▼要素還元主義というのは、合理的な、分類したがる科学のことです(ほとんどの科学がそうですが・・・)。たとえば、「血液の成分は血球、血漿、血小板からなる」という分類は、要素還元的なものの見方です(下の図をご参照ください)。

▼上の図のように、一般システム理論は、赤血球と白血球とのつながりはどうだ、赤血球とリンパ球の関係はどうだ、というように、分類よりも平面的、複合的なつながりを大事にします。要素還元主義を批判するというのは、つまり「人や社会って、そんな単純なものじゃないよ」と言いたいわけです。

▼要素還元主義的な方法論に対する批判として、現代思想という「論壇」からアプローチしたのがいわゆるナラティブ・アプローチで、生物学的な立場からアプローチしたのが一般システム理論だと考えるといいかも👍

▼ただし、一般システム理論は「あり方論」ではないです❗　人の行為という現象を、生物学的な視点から詳しく記述したものです。

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▼つぎに、一般システム理論は、人間はひとりでは絶対に生存できないと考えます。ある人がいて、その人の周りには環境があります。この場合、「環境」とは自然環境ではなく人的な環境を示すとお考えください。

▼人は、環境との間でなんらかの資源を交換し合いながら生きてます。その資源は、コミュニケーションかもしれませんし、お金かもしれませんし、情報かもしれませんし、感情かもしれません。

▼そして、人は環境とつながり合って、他者と連続的な交互作用、つまり影響を与え合いながら変化します。これがフィードバック(feedback)です。

▼このとき、環境から何らかの資源がその人に伝わる、入ることをインプット(input)といい、その人から環境に対してなんらかの資源を伝える、出すことをアウトプット(output)といいます(下の図をご参照ください)。

▼つぎに、人は誰でも、程度の差はあるにせよ「ここから先はプライベートだから踏み込むべからず」という、なわばりや壁のようなものを持っているはずです。これが一般システム理論でいう境界(boundary)です。

▼壁＝境界が薄くて風通しがよく、その人と環境との資源のやりとりがしやすい状態が開放システム(open system)です。逆に、壁＝境界が分厚くて、資源のやりとりがしにくい状態が閉鎖システム(closed system)です。

▼閉鎖システム(closed system)は、インプットとアウトプットが少なくて、内外のアクセス性が限られていますので、生活課題が発生しやすいです。閉じこもりや引きこもり、各種の家庭問題、家庭内・施設内虐待などが典型例です。要は、孤立しているということです。

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▼一般システム理論は、生物学に基づくモデルだけあって、バランスというものを非常に重視します。これは、動植物や自然環境でいう生態系の考え方と同じです。そして、人間社会も同じで、いろんな繋がりを保ちながら、人と人とが適度なバランスを保っている限りは、平和で平穏な生活を送ることができます。これが定常状態(steady state)です。そのバランスが崩れると、生活課題の発生リスクが増大します。

▼しかし、一般システム理論では、一度バランスが崩れた社会関係であっても、修復可能と考えます。それがホメオスタシス(homeostasis)です。

▼たとえば、家族の誰かとの死別、離別は誰もが経験します。死別や離別によって、家族の誰かがいなくなると、食卓の定位置にその人がいないのはすごく違和感があるものです。しかし、時間の経過や外的な環境の影響を受けて、次第にそれが平常になっていきます(もちろん、そうならない例もあります)。システムは、皮膚のすり傷のように、自分で治癒していく力があると考えられます。

ホメオスタシスのイメージ

▼これに似た説明が、リジリエンス(resilience)です。人間や集団には、ストレスに対する復元力があって、ちょうど竹をしならせても、びよ～んと元に戻るような力が備わっているという考え方です。

▼そして、人が環境とやりとりをしながら、それが束になっていくと、いつもというわけではありませんが、人同士の繋がりが、個人個人が持つ能力をはるかに上回る力を生み出すことがあります。これが創発特性(emergent property)です。

▼創発特性は、必ずしも規範的な、社会的に望ましい方向に働くとは限りません。町おこしや地域づくり、アラブの春のようなものもあれば、あらぬ方向に世論や政治が大きく動くこともあります。最近の日本の選挙がよい例です。創発特性は予測不可能で、制御も不可能です。

▼さいごに、システムは生き物ですので、つねに動いています。したがって、最初にできたシステムからどんどん変化していきます。自分や他者が、フィードバックの繰り返しによって、つねに形を変えながら変化していく状態を、一般システム理論では有機体と表現します。岩石のような無機物ではなくて、生き物だから有機体という意味なのでしょう。

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▼ということで、一般システム理論は、だいたいこんな感じの中身です。お解りいただけましたでしょうか❔❔　難しかったとすればすみません・・・

▼ついでに、といってはなんですが、おまけです。以上の説明をもとに、社会福祉士国家試験にこれまで出題された、一般システム理論の過去問を解いてみてくださいませ。いまごろから国家試験の勉強をする方がいるとは思えませんが😅😅

●問題　社会福祉援助技術で、近年、システム理論と生態学に依拠して組み立てられてきているアプローチで、基本とみなされる次の概念のうち、適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
　　A　全体的モデル　B　要素還元主義　C　交互作用　D　定常状態
　　(組み合わせの選択肢は省略します)
●問題　一般システム理論では、システムを要素還元主義の立場から、全体は部分の総和であると考える
●問題　一般システム理論では、個々のシステムを独立したものととらえ、システム間の非階層性を強調する
●問題　一般システム理論では、システムを有機体としてではなく機械論的な立場から考える
●問題　システムとは、複数の要素が無機的に関わり合う集合体をいう
●問題　一般システム理論では、システムを外部環境に対して開かれた開放システムとして考える
●問題　外部と情報やエネルギーの交換を行うのは閉鎖システムである
●問題　システムには、他の要素から正負のフィードバックを受けて自己を変化・維持させようとする仕組みがある
●問題　ホメオスタシスとは、システムが恒常性を保とうとする働きをいう
●問題　サイバネティックスとは、システムが他の干渉を受けずに自己を変化させようとする仕組みをいう
●問題　開放システムの変容の最終状態は、初期条件によって一義的に決まる
●問題　複数の要素が交じり合い、定量を超えて蓄積されていくことで、元の要素にはない新たな性質が生じることを創発特性という
●問題　矢を3本束ねると1本のときより折れにくくなるが、そのような相互作用に着目し、個々の特性の組合せから論理的に導き出される新たな効果を創発特性という

▼おつかれさまでした～　よい週末をお過ごしくださいませ⭐⭐