下積み時代が型破りにつながる3つの理由
キャリアを考える時によく考えよう
あるタレントがテレビ番組でいったこと。
「寿司屋で10年間下積みするのは時間の無駄だよ。インターネットで何でも調べればいいじゃん。」という言葉。
天才ならそれでもいいかもしれないけど、普通の人や努力型の人には理解できない。
寿司屋さんというと、仕入れ、接客などいろいろと体験を通して学ぶことが多い。
いいモノをより安くだすということであれば、築地の魚河岸に顔を聞くレベルまでいかなきゃいけない。
漁港にいって船から直接買い取ることも考える職人さんもいるだろう。
接客というのはインターネットでは学べない。
なぜなら、人を相手にするのでマニュアルに書いているとおりにやればいいとは限らない。
神対応をしてくれる人は印象に残るし、口コミでそういうことがまわっていく。
塩対応をしてしまうと人の印象にも残るけど、インターネットで大炎上してしまうこともある。
神対応を身につけるためには、小さな体験をしていかないといけない。
最後には大将の人柄というのもある。
人気のあるお店というのは大将がいろいろと気配り、心配りをしてくれる。
食事を出すタイミング、食事に合うお酒のチョイス、体調によって味を変えてくれるなど、コミュニケーションを取りながら、お客様に対してアジャストしていくことができる。
これをビジネスについて置き換えてみると、どうなるかを考えてみましょう。
即戦力コースを求める理由
お寿司屋さんはチェーン店を含めて、32000店ほどあります。
20年前には45000店ほどあったのですが、現在では13000店ほど減少をしています。
もっと数字を深掘りしてみると、職人さんがやっているお店とチェーン店では違います。
資本金のあるチェーン店と個人事業主の職人さんのお店では給料も違えば、システムも違います。
個人事業主の職人さんのお店の場合は、下積みが10年程度必要と言われています。
洗い物から始まり、料理の盛り付け、焼き、煮物を覚えていくのと同時に、
寿司のにぎり方、ネタの見極め方など、ひとりで独立できるまでに必要なスキルを身につけます。
しかし資本金が少ないため、売上を確保できないのであれば閉店してしまいます。
職人さんは他のお店へ移っていく事になりますが、個人経営のお店が少なくなっているので、なかなか受け入れ口がないというのが現状です。
チェーン店の場合については、出店計画に合わせて職人さんを採用する必要があります。
仕入れと店舗開発については、本部の人材が担当することになるため、接客技術と寿司を握れればいいということになります。
また、資本金があるため、店舗の開店と職人さんの採用が追いついていない現状があります。
職人気質の人たちであればチェーン店のやり方に合わせられないことなどがあるのと、若手を採用したいということがあるので、ミスマッチが起きている可能性があるのです。
そこで出てきたのが、寿司職人を育成するアカデミーができた。
3ヶ月間で国籍を問わず、男女問わずに寿司職人を育成するという。
グローバル展開をしているというから驚きだ。
海外での日本食ブームにのっているのが特徴かもしれません。
まとめると、日本人の食文化が変化していることが原因ではないかとかんがえられる。
食生活の欧米化にともない、魚より肉となり、ファストフードやお惣菜を買う時代になった。
昔はイベント事があるとお寿司屋で外食ということが多かったけど、
いまではお寿司を食べることが少なくなっているということと、
チェーン店のお寿司に満足をしてしまい、職人さんのお寿司との違いがわからないというのもある。
とあるCMでは、お寿司とは脂肪と糖でできているということで、糖分の摂り過ぎに注意喚起するため、使われている食材でもある。
糖分制限ということでお寿司を敬遠する人も増えているのは事実だろう。
技術に対して対価を支払うという時代が終わったのかも知れない。
ファストファッションのように、身の丈にあったことが幸せということもある。
家業を継ぐために老舗で修行という場合以外は、これからのビジネスモデルに合わない可能性があるということを示している。
グローバルキャリアから考えてみる
海外に行ってみるとわかりますが、現地で流行っているお寿司屋さんとか、日本食レストランというものがたくさんある。
日本人からみると、寿司ネタは汚いし、シャリの握りも甘いと思うし、ガリの代わりにキムチが出てきたりするのに、大繁盛をしているケースが多い。
日本人からしてみると、おいおい、ちょっと違うんじゃないの?と思っていても、地元の人達や観光客には流行っていることもよくある。
日本に旅行に来ている外国人なら疑問符を持つかもしれないけど、ほとんどのばあいはあまり気にしていないというのが現状だ。
家電や車でも日本製、ジャパニーズブランドというのは、海外では神話性を持っているから不思議です。
メードインジャパンというだけで、数倍の価格で売れるのだから。
そうすると、偽物が出回っても気づかないことが多くある。
本物と同じように作り、ブランド名をもじって儲けている人もいるぐらいだから。
例えばあなたが寿司職人を目指すとしたら、どちらの道をえらびますか?
1つは老舗での修行を10年間したあとに、自分のお店をもつ。
もう1つは海外の寿司屋で10年働いたあとに、自分のお店をもつ。
どちらが正解かというのは、修行をどう定義するかによってことなるが、
後者のほうがチャンスが大きいというのはいえるでしょう。
この視点はキャリアにも通じていくことになる。
石の上にも三年、10年は修行期間だというのは、昭和の処世術なのではないか。
時間に対するリターンが得られるのであればいいのだか、ほとんどのばあいは出世待ちの渋滞に巻き込まれたり、社内政治に巻き込まれたりする。
ビジネスパーソンは修行期間を効率化するには
あたりまえのことだけど、1つのことを10年やり続けることはリスクが高い。
余力をうまく振り分ける事によってできることがある。
英語や業務に必要な知識をみにつけたり、経営学を学んだりすることで自分のキャリアのプラスにしていく。
いろいろな分野の仕事をすることによって、やりたい仕事を見つけたりできる。
苦手な分野があるのであれば、その分野を切り離して別のことに集中してリカバリーすることができる。
確かに一貫したキャリアというのは必要なのですが、軸をもったキャリアの築き方が必要になるのがこれからの時代である。
これからは個人の時代になっているからこそ、スキルの掛け算がひつようになる時代である。
ビジネスプロデューサーという人物像が出始めたのはこういうことからである。
10年間の修行期間ということになると32歳前後がターニングポイントになる。
ビジネスマンとして最高に脂がのりはじめるじきであり、一番輝いている時代である。
ゴールデンエイジラインともいえる年代に入ること。
そこで色々なキャリアを積んでいたら、伸びていくビジネスパーソンが多い。
しかし、ワークライフバランスとか、転勤をしたくないとか、新しいことにチャレンジしたくないというのはリスクであり、30代以降伸び悩んでいくパターンに入り込み、早期退職の対象になったり、リストラの候補のなることは間違いないでしょう。
いい大学でいい会社に入ったからといって、10年間その会社でがむしゃらにやって、いろいろなことを経験したとしても、他社評価が低くなるリスクがあるということを理解してほしい。
東大を卒業したから、どこでも転職をすることができるというケースはない。
35歳までに転職を経験していないのであれば、その会社でキャリアを積むのが正解だろう。
転職市場に出てきてしまうと、企業側がリスクが高いと判断をされるケースが多いから。
私は精神論、根性論、価値観の押しつけをすることはしない。
経営者や人事が石の上にも三年などといっている企業はこれから淘汰される対象になるだろう。
圧倒的に誇れるスキルを身につけることができるような会社を選択することをオススメする。
しかし、行動は慎重にしてほしいのと、我が事として自己責任で。
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