伝わるコミュニケーションの3つのポイント
究極は小泉元首相のコメント力
「何がいいたいの?」「つまり…なに?」「要するにどういうこと??」などと、上司やクライアントから言われた経験はないだろうか。
また、部下にきちんと指示をしたつもりでも、実際に伝わっていないこともよくある。
ビジネスパーソンにとって、上司や部下とのやりとりは不可欠。
円滑なコミュニケーションは仕事をスムーズに進め、成果を向上させる大事な要素でもある。
1つ例をあげると小泉元首相と歴代の総理大臣の討論番組でのやり取り。
小泉元首相の場合は、キャッチコピーやいいたいことを1言で表現をして、
背景を説明して、なぜそれがいいのかを裏付ける。
そして、もう一度まとめるという作業を1分間の中のコメントでやっている。
それに比べて歴代の総理大臣というのは、1分間のコメントの中で、「あ〜」「え〜」「その〜」などということばが挟まっています。
自分の言葉で伝えようとしていないのと、官僚が書いたコメントを話そうと必死になるため、セリフのように喋る人が多くいるというのが現状です。
そうして自分が言いたい主張が先にくるために、結論が最後にまわりがちです。
そのため、何をいっているのかわかりにくいということがよくあります。
わかりにくいからこそ、揚げ足を取られてしまって、軸がブレてしまったり、主張が変わってみてしまうというお粗末さがあります。
これはビジネスパーソンにも共通をしていることです。
プレゼンや商談でまとまりやすいのは、小泉元総理のように話すタイプです。
話が短いというのが特徴としてあげられます。
逆に営業成績が悪いのは、歴代の総理大臣のように話すタイプです。
のらりくらりと話をすることが多く、何がいいたいのか、どうしたいのかがわからない。
相手のアクションが生まれる
できるビジネスパーソンの共通点としては、話が短いというのがあります。
シンプルでムダがなく、瞬時にまとめて、瞬時にアウトプットをするのがうまい人達です。
そして重要なのが、話が短いため相手に「伝わる」ということ。
「伝える」ではなく、「伝わる」というのが重要なんです。
ビジネスマンにおいて、いくらコミュニケーションを重ねても、伝わらないと意味がありません。
「伝わる」コミュニケーションとはいったい何なのでしょうか。
例えばよくあるのが、上司は「きちんと伝えたんだけど…」と部下の仕事ぶりを相談されることがよくあります。
「伝えたつもり」になっているだけで、実は伝わっていないコミュニケーションの例です。
「伝わる話し方というのは相手のリアクションが生まれること」といわれています。
自分が何かを話した時に、相手のリアクションが生まれたらそれは「伝わっている」ということになります。
判断をする基準というのは自分ではなく、話を聞いている相手であるということを忘れないでください。
交流会やパーティーの場で自己紹介をした後に、その内容に興味を持った人に話しかけられたという場面があります。
これは相手のリアクションが発生(話しかけられた)しているので、自己紹介がしっかりと伝わっていることになります。
「営業マンがプレゼンをしたら、契約を取ることができた」というのと同じ効果が発生しているんです。
つまり伝わる話し方とは「相手のアクションを生む話し方」なのです。
きちんと定義をすることで「自分の話が伝わったかどうか」を判断することができるようになります。
どうしても自分軸で考えていると、うまく話をしたつもりで、自分だけいい気持ちになって終わってしまうことがよくあります。
しかしそれは自己満足であり、伝えたつもりになっているだけなのです。
ビジネスパーソンに取って「うまく話せたかどうか」は実は重要ではありません。
「相手のリアクションが生まれたかどうか」ということが重要なのです。
上司に何かを提案したい時、「それはいいね。やってみよう」となれば、伝わったといえます。
しかし、無反応であった場合は一方的に伝えただけであり、伝わっていないコミュニケーションとなります。
プレゼンや営業トーク、上司への報告も「相手のアクションがあるかどうか」を軸に、自分の話し方を見直してください。
自分の考えを相手に伝えるときは、常に準備万端とは限りません。
会議でコメントを求められたり、上司に報告を求められたり、自己紹介を振られたり、ほとんどのケースで、それは突然にやってきます。
その時にいかにシンプルに伝えることができるかによって印象が変わってしまいます。
今一度自分の話し方や伝え方について、見なおしてみてはいかがでしょうか?
会話中の3つのムダ
これは意識すればすぐにカイゼンできることです。
普段の会話の中でも驚くほどムダが多いことに気づいてください。
「あの〜」「その〜」「えっと〜」をやたらと挟んでしまったり、「こう言ったから、その指示に従っただけです…」とか「お客様がそうしろとおっしゃったので…」などと言い訳から入ってしまったりすることが、ビジメスの会話の中でもよく見ることがあります。
こういうことをまとめて「ノイズ」と表現をするのがいいかもしれません。
このノイズをカットすることが一番重要なことなのです。
例えば、男性で挑発でボサボサの髪型をしていた人が、あなたの友人でいたとしましょう。
その人と待ち合わせをしていた時に、美容院にいって髪を切り、短髪で男らしくなっていたとした時に、あなたはどのようなことばをかけますか?よく考えてみてください。
9割の人がいいそうなのが、「さっぱりしたね」ということばでしょう。
ノイズカットはそのイメージにぴったりなのです。
男性のロン毛でちょっと暗い雰囲気だった人が、さっぱりと短髪にして、意外とかっこよかったということもあるでしょう。
もちろん長髪には長髪の良さがあると思いますが、少なくともビジネスシーンではムダの多い話し方は好まれません。
ではどうやってムダを削ぎ落とすのでしょうか?
話の中にあるムダは、大きく3つに分類をすることができます。
1つ目はクセについてです。
「あ〜」「えっと〜」「その〜」などこれが一番多いムダです。
2つ目は「主観」です。
誰しも、相手が聞きたくないのに、ついつい自分の考えや主張を話してしまうことがあります。
その大半はいいわけなのですが、そういった主観もコミュニケーションのムダになります。
3つ目はワードです。
伝えたい事がたくさんあり、本当に大事なことが定まっていない状態によく見られます。
そういった人は、まず伝えたい事を1つに絞ることが大切です。
この3つを意識するだけでも大きくあなたのコミュニケーション力がアップするでしょう。
悩みがつきない理由とは
伝わる話し方を身につけるといろいろなメリットがあるんです。
これからの時代はいままで以上によりリアルなコミュニケーションが求められる時代です。
インターネットやソーシャルネットの普及で社会がデジタル化すればするほど、コミュニケーション能力が高い人が活躍できるチャンスが増えるからです。
逆にコミュニケーション能力が低くてもできる仕事は、ロボットや人工知能に取った代わられる可能性が高いといえるでしょう。
実際に人工知能を使ったマッチングサービスを提供している転職サイトや、
工場でも産業ロボットでできることはロポットに任せています。
コミュニケーションとは何なのでしょうか。
「お互いにわかちあうこと」だと考えています。
先程もいっていますが、話をすると相手がリアクションを起こしてくれれば、わかちあうことができたといえるでしょう。
逆にリアクションを起こしてくれなければ、わかちあうことができなかったと理解します。
何かを話した時に「すごい!」「もうちょっと聞きたいな」というリアクションがあって、はじめてコミュニケーションがはじまったといえるでしょう。
コミュニケーションとはわかちあうことであり、わかちあうことはリアクションがあるということ。
そしてそれは「伝わった」ということになります。
伝わる話し方を身につけることで、コミュニケーション能力を確実に向上させることができるのです。
転職する人の7割が人間関係で悩んでいる実態があります。
なぜ人間関係で悩んでいるのかというと、わかちあうことができないからだと思います。
伝わる話し方を身につけることで、多くの人に分かち合うことのできる喜びを実感して欲しいのです。
伝わる話し方を身につけることで、できるビジネスパーソンが共通して身に着けている能力ですが、仕事で成果を上げたい人だけではなく、人生を豊かにしたい人達にとっても重要なことなのです。