コミュニケーションって何だろう⁉
ハラスメントって日々増えている⁉
パワハラ、セクハラ、フキハラ、カスハラなど、ハラスメントは50種類を超えている。
多様化して新しいハラスメントがどんどんできてきている。
しかし、ハラスメントの規定って曖昧であるのが現状で、判例が基本になっているにもかかわらず、切り取られてしまって自分も被害者じゃないかな?と思い込む人も増えています。
最近の選挙でもいえることですが、インターネットで自分の都合のいい情報が集まってくるシステムの中では真偽のほどはおろか、核心に迫っているのかどうかも不明である。
みんながいっているから、そうじゃないかという無意識なバイアスがかかってしまって、都合のいいように解釈をしてしまう人もいることは確かである。
ハラスメントという言葉が広がったのは1989年のとある裁判からといわれています。
2年半にわたり性的抽象を受けた女性が退職に追い込まれ、元上司とその会社を相手取った裁判を起こして、165万円を勝ち取った。
2003年ごろからパワハラという言葉が世間で認知されるようになってきた。
灰皿を投げつけたり、資料を破ったり、電話を投げつけたり、組織の上下関係や優位性を使っておこなう嫌がらせが社会問題になっていった。
ハラスメントの相談件数が年々増加をしており、今では8万件を超える相談が寄せられるようになった。
10年前と比べると約2倍に増加をしている。
2019年にはパワハラ防止法、2024年にはカスハラ防止法が検討されようとしている中、実に多様性に富んだハラスメントが多くなっているのが事実である。
不機嫌ハラスメント=フキハラ、句点の。=〇ハラなど、ロジックで詰め寄ってくる=ロジハラ、同調ハラスメント、カラオケハラスメント、カスタマーハラスメントなど、実にいろいろな日常生活の場面でもハラスメントになるような要素が含まれてきているのが実態である。
例えば〇ハラについては、定義がすごく曖昧でそこだけ切り取られてハラスメントにあたるかどうかはすごく難しい問題。
普段の関係性、前後の文脈、マルの前の文章の雰囲気などを見てみないと、ハラスメントとは言いづらいのが実情である。
相手を思いやるような内容であり、冷たい内容ではないことなども含まれることになる。
家族やパートナーとの関係性のようなことを求められているから複雑である。
世代間で受け取り方が違うので、配慮をする必要があるのはもちろんだけど、関係性などが関わってくるからややこしい。
優しい圧力を感じるかどうかは人によって違う点もややこしくしている。
法律で基準は完備されていない
法律のハラスメントの境界線はあいまいであり、法律も完備されていないことが多い。
昔は当たり前だったことが、ハラスメントになるといわれても、法律になりづらい傾向がある。
なぜなら、永田町の先生方の平均年齢を考えると、大きな事件がないと動かない、時代が必要としている法律もつくるまでが、数の理論の政治のパワーバランスがあるから、動きがおそい。
民事訴訟になる場合もあるけれど、日本の場合についてはすごく賠償金が少ないという特徴があるのと、裁判の費用であったり、調査の費用であったり、長期化すると弁護士費用などがかさむため、相当なことがない限り民事訴訟になるケースはないのが現状である。
賠償金について大きく2つに分けられることが多く、1つ目は治療費であったり、収入が減ったというような財産的損害、精神的な損害が慰謝料といわれるものになる。
例えば精神疾患を発症して休職に追い込まれたなどという場合には、慰謝料が高くなる傾向がある。
慰謝料だけになると数十万円単位になるのが相場である。
ハラスメントを罰する法律はほとんどなく、民法などについてもはっきりした規定がないというのが特徴です。
もし、裁判を起こしたとしても、判例に基づく判断をされるケースが多く、非常に判断が難しいというのが実情である。
ハラスメント行為に該当するがあったら、社内通報窓口、管理監督署などに相談をしてみるのもいいのですが、社内通報窓口については犯人捜しなどをされてしまうので、絶対にやめておいた方がいい。
会社の管理監督署の相談窓口や街中でおこなわれている弁護士、社労士、行政書士などの専門家に相談をしてみるのも1つの方法です。
ひとりで抱え込むのではなく、専門家に相談をしたうえで対応されることをオススメします。
ハラスメントの境界線は関係値⁉
コミュニケーションは相手と心を交わして会話をすることであり、双方向が基本になるのだが、一方通行のこともコミュニケーションと思い込んでいる。
一方通行のコミュニケーションはプレゼンテーションであり、前提条件が付いていたりするケースが多いのが特徴。
オフィストラブルの原因というのは本当に多種多様でたくさんありすぎるのが現状である。
一般的に多いといわれているのが社会的実効性による支配が多い。
この意識が強いと集団の中でマウントをとって、優劣をつけたがるので注意が必要になる。
例えば上司が部下に対して詰め寄ってみたり、お客様は神様ですという言葉を勘違いして、当然の権利であるかのように主張するなど、日常生活でも多くみられるケースが多い。
カスタマーハラスメントもこの場合に該当することが多く、当たり前の権利を主張するために、詰め寄ってみたり、土下座をさせたりするケースもこの場合が多い。
例えばコミュニケーション力が無いから解雇というのはできない。
労働三法で守られているのはもちろんですが、明確な解雇理由に該当しない場合は解雇ができないため、採用する企業側のリスクも高い。
教育をしたり、配置換えをしたり、育てて活かすというのが前提になっているので、解雇をすることが容易にすることはできません。
スキル不足や職務怠慢など解雇の合理的な理由があるように見えるけど、裁判などに発展すると経済的な損失はもちろんですが、精神的な損失にもつながっていくので気をつけなければならない。
本音がいえない、黙って受け入れなければならないという状況下では、関係性の優位性が存在していることもある。
嫌がらないということはYESではないということを肝に銘じておかないと、ハラスメントによって足もとをすくわれるケースもあるので気をつけたいところ。
YESとNOの間にあるのが嫌がらないという中立地帯であり、弱い立場からすると子の嫌がらない領域がめちゃくちゃ広くなっていることを知っておいてほしい。
おもてなし文化がカスハラをうんだ⁉
『お客様は神様です』という言葉、歌手の三波春夫さんが言ったといわれていますが、この言葉の裏には、劇場に来ていただいて、飲食をして、グッズやお土産を買ってもらって、興行収入が上がるという意味であるということは知られていない。
言葉だけが切り取られてしまって、お客様は神様なんだから、何でもやってもいいという意味ではないということに気づいてほしい。
最近でもニュースになっていたのが、ドン・キホーテのレジ担当の人たちが座って接客をしてもいいという形に変わってきた。
今まではネイルやピアスなども制限をされていたことが多かった接客業ですが、徐々に緩和をされていく流れになりつつある。
この緩和の裏側には、空前絶後の人手不足があるのはもちろんですが、高齢化してきていることも背景にはつながっていく。
コンビニなどでもたまに目にするのが、『ここの店舗にはいろいろな人が働いています。耳が遠い店員がいたり、日本語がうまく話せない店員がいますので、申し訳ございませんが、その際にはメニュー表など指で差して伝えてもらうか、ゆっくり大きな声で話をしてもらえるようにしていただければ幸いです。』というのもあります。
また、タクシーなどでも新人ちゃんが担当の場合には新人料金を導入する会社があったりなど、お客さんに対して満足できるサービスが提供できないのでということが前提になっている。
今まで当たり前だったことが当たり前でなくなる時代にもなってきているのはもちろんですが、多様性を認めて、変わっていくルールに合わせていくしかないではないだろうか?
ハラスメントをする人はシニア世代が多くなり、脳の機能が衰えてきていることが原因ともいわれている。
脳のブレーキ機能をつかさどっているのが、前頭前野という部分であり、加齢とともに能力が低下していくことが、脳科学でわかっています。
つまりはブレーキがかかりづらい状況になってしまっている。
保持という行動で同じ行動を続けてやってしまうことが原因となり、欲求と衝動に対するブレーキがかからないといわれている。
カスハラ防止法が永田町の先生方で検討をされていたり、企業が連携をしてカスハラ対策を講じ始めているのは事実である。
ハラスメントが無くならないのは…
各世代のギャップがあり、個人のパーソナルスペースの大きさが関わってくるということはあまり知られていない。
パーソナルスペースは他人に侵害されたくない距離感のことをいうのですが、心の地雷を踏むという表現を多くします。
パーソナルスペースは、心理的な部分と物理的な部分の2通りがある。
物理的な部分については、知らない他人がどこまで来るのかによって不快感が出てくることになる。
他人の距離、友達の距離、パートナーの距離というように徐々に近づいてくる距離感です。
心理的なパーソナルスペースについては、例えば、ダウンタウンの浜田さんが大物芸能人にツッコむときに、『こらっ!〇〇』と呼び捨てでツッコんだりするときは、リアクションを見て、今後続けていくかどうかを考えるといっていたことがあります。
大物芸能人になるといじられることもなくなるし、呼び捨てにされることもない。ましてやはたかれることもないので、やられると嫌がる人が多いのが本当ですが、いじられてよかったという人については、どんどんツッコミが過激になってくることになります。
タモリさんのモノマネの定番「髪、切った!?」も今はいえなくなってしまったフレーズ。これも近い距離感の人にいわれるのはいいけど、距離感の遠い人にいわれるとキズつくことがあったりするので、諸刃の剣である。
誰が聞くのか、誰に聞かれるのかによって変わってくるものである。
例えば、「どこ住んでいるの?」「携帯番号教えて?」「LINEID教えて?」などを聞かれたときに感じる違和感。
心の地雷を踏んでしまうと、表情が曇りがちになり、若干後ろに引いていくのを感じることがよくあります。
関わりたくない人から聞かれると嫌悪感を露にする人もいるので、気をつけなければなりません。
人それぞれに対応が違いますし、信頼関係があるないで対応が違うし、親密度によっても違ってくるので、個人差が大きいからこそ、厄介であるのは間違いない。
管理職からすると、自分たちがうけてきたコミュニケーションはタブーとされてしまっていることがあり、若手からすると過剰反応しなくていいという人も多い。
ただし、個人差によって異なるパーソナルスペースですから、距離の詰め方を間違えてしまうと、離職する原因にもつながりかねないので、気をつけなければならない。
世代間のパーソナルスペースの差がハラスメントになる!?
昔は、高度経済成長期やバブル経済のように、みんなで同じ方向を向いて頑張れば、報われるという世界観だった。
価値観の統一が幸せの基準であり、いい大学いい会社というのはこの時代の考え方である。
みんなが同じ志向で同じ方向で目標に向かっていく時代であった。
距離感が狭くて、濃~い人間関係で密接な関係であった。
飲みニケーションなどもこれ志向性から始まっており時代が変わった今でもやろうとする人がいるというのが特徴です。
今の時代になると、昔とは全く違うことに気づいているけど、やり方がわからない管理職が9割である。
価値観は多様化してしまい、統一された基準が無くなってしまった。
目標にたどり着くのは個人の力であり、それぞれのやり方で単騎で戦っていく。
これによってハラスメントって判定をされてしまうケースも増えてきている。
距離感が昔より広がってしまっているのが現状である。
昔は先輩と食事に行ったり、飲みに行ったりするといろいろなことを教えてくれたし、相談にも乗ってもらったりしていたけど、今の時代は後輩が誘うまでは待ってしまう。
誰かと一緒に行こうとすると、人事評価について評価をしているんじゃないかとか、チームでトップにするんじゃないかとか、いろいろなことを推測されてしまうから、管理職はランチにも気を遣う時代になった。
昔は心理的にも、物理的にも狭かったパーソナルスペースが、今では対面よりリモートとなり、ソーシャルディスタンス状態になっており、昔にっ比べて広がっているのが特徴である。
結果としてパーソナルスペースの差が生まれてしまったことによって、自分のパーソナルスペースを侵害されたという若者が増える結果になっている。
昔は自分が所属するコミュニティーが家と会社ぐらいしかなくて、めちゃめちゃ濃~い関係性だった。
脳の構造が今も変わっていないと仮定するならば、一つひとつの濃度は濃くすることができるわけである。
今の時代は家と会社以外にも、SNSのつながりがあったり、趣味やサークルのつながりなど、いろいろな人たちと常につながっており、SNSについては見える化されてしまっている。
濃度については、いろいろな濃度があるので、濃~いのもあれば、薄っ~いのもあるので、無数のグラデーションが存在していることになる。
今の時代も濃~い濃度のコニュニティーが存在しているけど、会社から遠いところにあることが多いので、昔とは違っていることを認識しておくことが必要になるでしょう。
パーソナルスペースが勝手に広がっているわけではなく、場所が多くなっているだけではないだろうか。
世代間ギャップといわれているのも、パーソナルスペースやコミュニティーの距離感が関わっていているのだろうか。
昔の人たちはパーソナルスペースが狭い方がいいという人が多く、今ではパーソナルスペースが広い人と狭い人が混在しており、多様化しているのが特徴になっている。
コミュニケーションを取りたいという人も多いのは事実であり、コミュニケーション力が問われる時代になってきたのは事実だろう。
パーソナルスペースが狭い人たちの中に、広い人たちが混ざってきているので、違和感を感じる人が多いのかもしれない。
ここで働き方が変わってきていることも実は密接に関係をしているとは、気づかなかった。
昔は会社を離れると仕事とプライベートが分離する形になっていた。
今はスマホとパソコンがあれば、24時間365日つながってしまう。
つまり、逃げ場が無くなってしまっているからこそ、パーソナルスペースが多様化しているのではないだろうか。
境界線があったにもかかわらず、リモートが増えたり、LINEでつながったりすることで、境界線が曖昧になってしまってきている。
24時間365日、いかなる時でも対応をすることになるので、疲弊する人が増えていているのも事実である。
なぜなら、境界線が曖昧になっていることによって、ハラスメントをしやすい環境が整っており、即レスをしなければ、会社で詰められたり、返信が遅くなっただけで文句を言われてしまう時代でもある。
これもハラスメントといわれてしまうケースになるから、言い方、伝え方、コミュニケーションの取り方を考える必要がある。
また、LINEでホウレンソウや業務指示をするときにも注意が必要で、知り合いかも?というところに異性の相手が出てくることによって、ハラスメントをしやすくなることが多い。
プライベート携帯と仕事用の携帯、私物のパソコンと仕事用のパソコンなどすみわけが必要になるわけですが、ここをやれる企業とやれない企業によって、就職や転職者の反応も変わってくるだろう。
表向きはコンプライアンス重視になっているにも関わらず、中に入ってみるとハラスメントまみれということになるとイメージがガタ落ちになるのは時間の問題だろう。
内定を獲得して、内定承諾をするまでの間に、リモートワークでは会社がパソコンを用意してくれるのか、スマホは会社用が支給されるのかなど、質問をしてみてください。
ハラスメントから従業員を守れる会社かどうかが一発でわかる質問になるでしょう。
ハラスメント防止の観点から会社支給をしていますよという会社と、そうでない会社では、これから差がつくことになるのは間違いないだろう。
昔と違って今はいろいろな属性を持っているにも関わらず、オン、オフの切り替えが簡単なのかなと思いつつ、逃げ場がないから疲弊をしてきて、心身衰弱状態になってしまうこともある。
仕事用のグループLINEについては返信が早いにも関わらず、個人のLINEについては亀のように遅い返信ということになると、ハラスメントが起こりやすくなるので気をつけたいところ。
会社側が業務ツールを使ったり、ルールをつくることが必要になっているにもかかわらず、優先順位が低いというのが現状だ。
ミドル世代がハラハラの板挟み世代
ミドル世代がハラハラの板挟み世代になっているということはあまり知られていない。
自分たちが経験をしてきた理不尽と不条理のビジネスパーソンのルールが急に変更になってしまったからである。
シニア世代からは「部下の教育には気をつけないとハラスメント扱いされるから気をつけて!」といわれる。
若手世代からは「それっ!ハラスメントなんですけど~」といわれてしまう。
過剰反応をしてしまうということについても、この背景が実は隠れている。
まさにハラスメントの板挟みであり、ハラハラを気をつけるあまりに、言いたいこともいえない世の中になってしまっているというのが現状である。
コミュニケーションは心を交わして会話をすることという基本が理解できていれば、ハラハラしながらコミュニケーションをとることはないだろう。
ハラハラを気にするあまりに、コミュニケーションの齟齬が生まれやすくなって、結果としてミスを誘発してしまっていることも多くなってきている。
ハラスメントをさせない環境づくりは、仕事とプライベートをしっかり分けることはもちろんですが、コミュニケーションの原点をしっかり理解して、個人差にアジャストできるようにしていくことがこれからの課題ではないだろうか。