知らないとヤバい⁉これからの時代の2つの市場価値という言葉の意味とは⁉
市場価値ということば
最近、よく転職サイトのCMで、「合う会社」とか「登録してみないと市場価値がわからない」とかいろいろなキャッチコピーを使って、登録をするように推進するCMが多く流れている。
人事のことを理解している人からすると、ものすごく違和感がそのキャッチコピーにはある。
「合う会社」というのはおそらく自分に合う会社、自分のキャリアに合う会社という意味合いになるので、面接の中で応募者が判断をすることになる。
どちらかというと応募者側から見ている転職の風景である。
面接の印象やインターネットでの情報、人材紹介会社からの情報などを応募者が判断をして、「自分に合う」会社と結論付けることになる。
自分に合うといっても、年収なのか、キャリアなのか、看板なのかは人それぞれの判断基準によって異なるもの。
スカウトメールがたくさん来るから、自分は人気者であると勘違いをしてはいけません。
企業人事や人材紹介会社の営業は、検索キーワード、経験年数、会社名などで検索をかけて、無味乾燥なスカウトメールを送ることになる。
人材紹介会社については複数の転職サイトを利用してスカウトメールを送ってくることが多く、同じ会社から送られてくるとブロックをしていく。
ブロックをしないとメールボックスがパンクしてしまったり、重要なメールを見逃してしまうことになるから。
スカウトメールをもらったから市場価値がわかるというものではありません。
市場価値には2つの意味が含まれている!?
市場価値という言葉を分解してみると、2つの意味合いが含まれている。
1つ目の市場価値は組織の人間としての市場価値。
いわゆる社員としての社員価値は何なのでしょうか⁉
現実には、会社員の価値、つまり給与は、顧客ではなく「上司の評価」が決めている。
会社員である以上、どんなに顧客に褒められても、上司の評価が伴わなければ、給与は上がらない。
つまり「上司のニーズを満たす能力」が組織の中にいる会社員としての市場価値ではないだろうか。
ボスコントロールという言葉があるように、社内での評価、信用をためていくことで、給与テーブルが上がっていくからその対価として、給与が上がっていく。
顧客の評価になるのは、価格というものになるかもしれない。
上司ガチャという言葉が生まれた背景には、正当な評価基準というわけでなく、上司の感情評価が人事評価として採用されている背景もある。
人ですから贔屓することもあるし、またその逆もある。
その逆の評価を受ける人の共通点としてあげられるのが妬み、嫉みからくる過小評価である。
できる後輩がいたら、自分のポジションが危ういと感じる管理職が9割おり、自分のポジションを守るために、妬み、嫉みから過小評価をしていたり、無意識のバイアスによって偏った過小評価をすることが多い。
そのため、直属の上司の評価、その上の上司の評価と会社全体の評価がズレているという珍現象が起きてしまう。
直属の上司、その上の上司は最低評価をつけているが、会社としては平均レベルの評価であったり、良や優の評価になっていたことがよくある。
管理職になったらその地位を守ろうと必死になるあまり、間違った見方をしてしまうと、組織にとっては大きなダメージになりかねない。
上司の評価やフィードバックがきちんとしていないと、優秀な人たちは活躍でき、才能を伸ばせる新天地へとドンドン向かっていくことになるだろう。
CMやインターネットでいわれている市場価値はこちらである。
政治家と一緒で地盤、看板、基盤が揃っていることが当選の条件ともいわれている。
いまだに大手企業へ転職をして年収をあげることがステータスと思っている人が9割いるということになるだろう。
有名企業からのスカウトメールをもらって転職をする場合については、年収が上がることが多い。
中小企業やベンチャー企業の場合については、年収よりやりがいであったり、会社の将来性があって、オンリーワンの仕事ができたりすることができるのが魅力。
2つ目の市場価値は顧客の評価による対価である。
有形商材、無形商材に問わず、サービスや商品を販売するときにつけられる価格である。
価格が低すぎても、価格が高すぎても敬遠されがちになる。
適正価格というのが存在しているから、その周辺で価格をつけないと需要と供給のバランスが一気に壊れてしまう。
実力がある人が適正価格以下でやってしまうと、「〇〇さんが安くしてしまうと相場が崩れてしまって低価格競争が始まるからやめてくださいね。」などといわれてしまう。
高い場合については、「あの人はそれぐらいの値段になってしまうのか⁉」とか、「本当に適正価格なのだろうか⁉」ということで予算感を重視する場合については、敬遠されがちになってしまう。
スポーツジムのコースではないけど、結果にコミットすることができ、達成をすることができれば、徐々にいろいろな仕事が舞い込んでくることになるから、不思議である。
ビジネスパーソンは一度死ぬ時代!?
昔、ビジネスパーソンは35歳で一度死ぬ!?といわれていた。
それは転職市場で大きな潮目になるため、35歳で一度死ぬといわれていた時代。
団塊の世代が定年退職を迎えた後、労働人口ピラミッドが異常な歪な形になってしまった。
バブル崩壊後の失われた20年とか、ロスジェネといわれている時代に、後進の育成をしていない。
不良債権、余剰在庫、余剰人員を減らすために、高給取りであった40代後半から50代の社員に対して、早期退職を促したり、大量解雇のリストラをおこなった。
空前の人手不足にも関わらず、未だに35歳以下を求める傾向にあるのはもちろんですが、独自に優秀な人材を採用するための動き方を始めている。
ファン採用をする会社が増えており、社員全員がスカウトマンになり、広報宣伝をしながら、「この会社で働いてみたい」「この会社って気になるなぁ~」というようにSNSを使って共感と等身大の発信をしている。
バズることを狙ったり、ウソ、大げさ、紛らわしいことを言わずに、働きながら楽しんでいることがわかるものがうけている。
こういう会社おもしろそ~っ!とか、ここで働いている人たちって輝いているなぁ~ということがわかる内容になっている。
となりの芝生は常に青い状態であることに気づいておらず、となりの芝生が青く見えるから、転職しようという気持ちになってしまう。
どうしてもリレーブログや一つの部署で複数人が担当しても、ネタを探すのに必死になってしまうので、公式アカウントなのにつまらないことが9割ある。
一時期有名になったシャープさんは、半分社員、半分フリーランスのようなポジションで書いているといっていた。
シャープという会社はよく知られているけど、そこで働く人の日常は知らないから、商品の宣伝だけでなく、時事ネタを絡めたり、面白おかしくSNSをやられている。
そうすると会社から言われることもあるけど、自分の信念を曲げずにやってきたからこそ、あそこまで地道に跳ね上がっていたということはあまり知られていない。
このような実績を残しているとリストラの対象になりにくく、会社に貢献していることもあるので、むげに扱うことができなくなってしまう存在になる。
代謝制度がある世界に変化する⁉
プロスポーツの世界には戦力外通告をされる人もいれば、代謝制度によって強制的に引退をさせられる制度が存在している。
年間に数十人ずつではありますが、新人選手が入ってくる分、強制的に引退をさせられる。
ビジネスに置き換えると解決金制度や解雇緩和などということになるだろう。
日本ではまだまだ労働三法によって労働者が保護されている面が多いため、解雇をするということはマイナスなイメージが多かった。
バブル経済が崩壊した後、追い出し部屋ができたり、1日中シュレッダー作業とゴミ出しという仕事をさせたり、1日中休眠企業や取引停止企業に対して、テレアポをさせて、疲弊をさせていきながら、自主退職に追い込んでいくことが、グレーゾーンでおこなわれていた。
コロナショックの前後には、理不尽と不条理な人事異動をさせて、生産性のないことをやらせてしまうと、ハラスメントになるかもしれないと気づいた人事が、セカンドキャリア研修という荒技を編み出した。
人事が追い出すためのシナリオを設定したうえで、研修会社に追い込ませて、精神的に疲弊をさせていくことになった。
「あんたの市場価値はないんだよ!」「ここに残って仕事をしても何の貢献もないんだよ!」などと人事がやったらアウトですが、研修会社がいっているということで、責任転嫁をすることができる。
研修から帰ってきた社員に寄り添うように見せかけて、「講師はあ~いうことを言っていますけど、大丈夫です!」とか、「〇〇さんの市場価値がないことはありませんから~」と励ましてフォローをするように見せて、退職届にサインをさせる。
それが、これからはキャリアの構図が大きく変わってくる可能性が大きくなってきている。
早期退職のニュースのターゲットになっているのが、40歳以上であり、入社10年以上のベテラン選手である。
40歳までにいろいろな仕事のスキルを身につけて、食い扶持を持てるようなスキルまで育てて、弱いつながりから仕事をもらう時代になっている。
SNSをうまく使ってブランディングしている人も多くいますが、まだまだ少ないのが現状です。
インフルエンサーになったり、時の人になった瞬間、消費されることになり利用されるだけ利用されて、あっという間に忘れ去られてしまう。
新卒でどの会社に入って、どんなスキルを身につけて、どんなことを極めていくことが市場価値をあげられるのかというのがこれからの課題だろう。
人手不足になるから大丈夫と思ってはいけない。
グローバル化の波が来ており、日本人が足りないなら、世界中からスカウトすればいいじゃないのという流れになりつつある。
特に東南アジア出身者の場合はハングリー精神が強く、日本の環境に慣れることもできるので、好敵手になることは間違いないだろう。
45歳定年制が現実を帯びており、リスキリング、学びなおしということを言い始めていることからも、解決金制度が運用されるようになった時、あなたの市場価値がいくらか!?という問題が存在するだろう。
代謝制度で強制的に解雇されてしまってからでは遅い。
その前に給与をダウンさせて、降格処分にしてというように、人事が代謝をさせるためのシナリオを描いて、やってくるかもしれない。
解雇ということになると企業イメージだけでなく、補助金や助成金にも影響が出てきてしまうことがあるので、できるだけ自主退職を促すようなストーリーを描いて、いきなりぶつけられる時代でもある。