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【週末雑感】採用広報の時代からファンベースへの過渡期

採用ページが変わった分岐点

ここ2〜3年で採用ページの作り方が大きく変わっています。

それはWantedlyがビジネス系SNSとして、台頭してきたことが大きなキッカケとなっています。

Wantedlyのページ構成を見てもらうとわかるのですが、ストーリー戦略に則って構成されていることに気づきます。

共感と等身大のマーケットが主流になりつつあることがあり、そのような構成になっています。

それまでは動画を使うことなく、写真についても無料のものを使うことが多かったのですが、現在では社員が仲良さそうに写っている写真がほとんどです。

IT企業などによっては動画を取り入れたり、SNSをうまく活用して採用活動をしている企業が増えてきています。

それによって転職者が独自性を見出すことができずにいることに気づいていない。

同じような広告が続くことが多く、最初の10件ぐらいを見たら読み疲れてしまっているということが転職者の中では起きはじめています。

小手先のテクニックで母集団を形成して、その中からふるいにかけるという、いまだに昭和の採用をしている企業がほとんどです。

雇って上げている、選んでいるというのが企業側ですが、転職者側も同じ様に企業を選んでいるということに気づいてください。

転職者がほしい情報はなんなのか、どんな情報を発信していけばいいのか、正解はありませんし、試行錯誤しながら続けていくことが必要になる時代です。

転職者の立場からアプローチ

最近の相談でも多いのが、求人広告から自分の軸で探していくのですが、どの会社も同じに見えるんですという質問が増えています。

社内の環境や制度、代表メッセージ、社員の年齢・性別などのデータ、活躍している社員のインタビュー。

どの会社の採用ページにも同じようなものが並んでいる。

雑談的に「どうすれば良いんだろうねー」と話していたが、掲載する情報の質を変えると面白い。

ちょっとした切り口を変えるだけで、こんなに違うのかぁ−という発見が多かった。

仮に私が転職する立場だったら、現状の採用サイトや求人サイト、転職口コミサイトの情報だけでは、会社のことがわからず、転職に踏み切れない。

企業の採用サイトや求人情報サイトには、よく社員のインタビューが載っている。

ただ、彼らには良いことを言うぞ・・という力学が働くので、どうしても宣伝臭くなってしまう。

実際にはポジティブな話しかしないというのが暗黙の了解。

そもそも、いま所属している社員の声だけだと生存バイアスが働いてしまうので…次のような切り口ではどうだろうか。

1:内定は貰ったが、他社を選んだ人の声
2:最近、辞めた社員の声
3:一緒に働くお客さんやパートナーからの声
まで載せてもらった上で意思決定したい。

少なくとも、提供しているサービスの満足度や継続率、加えて社員の離職率は教えてもらいたい。

この3つの切り口からはポジティブにも取れる情報でもあるが、ネガティブに捉えられてしまうリスクはあるが、共感と等身大のマーケットで戦いのであれば、第三者の目や意見というのは非常にわかりやすい。

企業版のミシュランガイドのように星で表記されてもいいぐらい。

口コミサイトについては、最近はあまり信用ができるレビューが載っていない。

辞めた人が書くことによって、そこには個人的な感情が入っており、冷静に判断をするための材料にはならない。

それより会社名でSNSで検索をかけてみて、投稿内容を見てみると面白いかもしれない。

ホンモノの情報に触れる機会がほしい

できるだけ、本音の情報に触れる機会があると良い。

会社の近くの飲み屋で交わされているような「実は●●の理由で転職しようと思っている」「新しくできた●●という社内制度がとてもありがたい」といった会話や、社内チャットの雑談部屋で繰り広げられる会話など。

その会社にフィットできるかを確かめるために、入社前には、配属先の部署のチャットに入り、会話に加わる期間があるのは有効だろう。

キックオフミーティングや全社総会、社内のイベントに呼んでもらうというのも一つの手段だ。

もちろん、秘密保持的な話があるのは承知の上で、求職者視点で欲しい情報を考えてみる余地がまだまだあることは間違いない。

新卒の内定者懇談会でよく使われる部署での飲み会というのもありますが、飲めない人への配慮を考えると、食事会程度またはランチ会程度にしておくのがいいかもしれません。

飲み会や食事会で素が出やすいというのも間違いではありませんが、クロージングとして構えられるとかなりきつくなってしまうので、フランクに楽しい時間にできるようにしてみてください。

フラットな情報が流れる時代へ

マーケティング文脈で近しいことを考えてみると、「導入事例」がわかりやすい。

導入事例は、導入した100社のうち、5社が満足・95社が不満足でも、満足した5社を取り上げれば良いサービスに見えてしまう。

これも生存バイアスが強くかかってしまう例。

誠実に情報発信するのであれば、プロジェクトの成功率と、不満足な会社の事例も載せた方が良いとなるけど、普通に考えればそんなことをする企業はない。

導入事例の話も、採用サイトの話も、性善説では解決されないと思うので、いつの日かテクノロジーが解決策を提供してくれることを期待している。

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