キャリアコンサルティングとは?/#キャリコンって何だ?!
こんにちわ。キャリアコンサルタントの岡崎です。
会社で働く方だけでなく、学生・主婦・定年退職を迎える方など、誰もが一度は「自分のキャリア」について考えたことがあるのではないでしょうか。
今回は、キャリアコンサルティングの入門編として、
キャリアおよびキャリアコンサルティングの基本的な考え方をご紹介します。
僕は以前、キャリアコンサルティングについてTwitterで、こう投稿しました。
なぜキャリアコンサルティングは土壌作りなのか?なのか説明していきます。
「自分のキャリアをしっかり考えたいけれど、何をすればいいのかわからない」
「将来のキャリアについて専門家に相談したいけれど、誰に相談すればいいかわからない」
こんなお悩みのある方は、ぜひ最後までお付き合いください。
そもそもキャリアって何だ?
そもそも、「キャリア」とは一体何を指すのでしょうか?
「あの人は素晴らしいキャリアを持っている」「キャリアウーマンとして活躍したい」などビジネスシーンで頻繁に使われる言葉ですが、必ずしも「キャリア=仕事上の経験・スキル」だけではありません。
キャリアとは、ひとりひとりの生活・経験を含む概念です。
厚生労働省の「キャリア」の定義を引用すると、次のようになります。
「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
引用)厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書要旨
つまり、友達付き合い・学業・アルバイト・就職・転職・出産・育児・介護など、これまでの人生で学び・経験したことすべてが『キャリア』となるのです。
仕事上の肩書やスキルの高さ、資格の有無だけを指すものではありません。
この概念に基づいて「キャリアコンサルティング」を考えると、
『キャリコン=土壌作り』と捉えることができます。
美味しい野菜や果物を収穫するためには、畑を耕して良い土壌を作り、天候や作物の状況に応じて手入れをすることが求められます。
それと一緒で、自分らしい生き方・満足度の高い仕事を手に入れるためには、まずは生活の基盤(土壌)を整え、その時その時のライフステージで自分のキャリアを振り返り、今後の方向性について真剣に考える必要があるでしょう。
「キャリアアップ」「キャリアダウン」という言葉も、それ自体を良い・悪いと判断するのではなく、
『人生は平坦ではない。その時々の環境・立場・気持ちによって常に動きががある』と捉えることが大切です。
波のある人生を豊かなものにするためにも、キャリアの棚卸しや将来のキャリアについてじっくりと考える機会を持ちましょう。
「そんなこと、自分ひとりでできるかな?」「何から考えればいいのかわからない」という方こそ、キャリアコンサルティングを活用して頂きたいと思います。
キャリアコンサルティングはどんなことをする?
キャリアコンサルティングの目的は、「キャリアに悩む方への解決策の提示」「キャリア発展の支援」にあります。
実際に、キャリアコンサルティングでどのようなことを行うのか、キャリコンの支援内容、順序について具体的にご紹介していきます。
下記はキャリアコンサルティングの支援内容です。これが基本的な6つのステップになります。どんな事を支援しているのか見ていきましょう!
キャリアコンサルティング支援内容について、説明していきます。キャリア形成支援は、これら6ステップの段階に応じたサポートを行っていきます。
①自己理解支援
➡職業・職務選択、キャリア形成をしようとしている「自分自身」の理解を深めます。自分を分析して自分の特徴を描写し、さらに全体として統合。自分の説明できるようにサポートいたします。キャリア指向性の明確化の支援を行います。
②職業理解支援
➡選択しようとしている職業・職務、またその職業や職務に就くためのキャリア・パスの種類と内容について理解します。もう少し具体的には、仕事の責任と内容、昇進、雇用条件、見通し、経験、教育の機会、関連職業など理解しているか。仕事情報の収集・整理方法の紹介とサポートを行います。
③啓発的経験
➡職業や職務のキャリア選択や意思決定の前に、それら職業や職務の実際について体験して理解を深めます。職業経験の棚卸しの支援と啓発的経験を得る方法の紹介やサポートを行います。
④キャリアに係る意思決定
➡自己の理解、仕事の理解、啓発的経験の過程と理解内容を踏まえて、職業や職務へのキャリアアップを選択し、キャリア形成に向けた取り組みを開始します。選択のための検討事項の明確化と検討、選択方法の紹介とサポートを行います。
⑤方策の実行
➡めざす職業や職務に就くためのキャリア形成に向けて、能力開発計画を立案し実行していきます。キャリアアップの目標設定と能力開発プランの立案の支援をおこないます。
⑥新たな仕事への適応
➡めざす職業や職務における適応力を高めます。
そして、次のキャリア形成にステップアップしていきます。
キャリア形成は、職業生涯の節目、節目で実施され 、個人のキャリア形成がレベルアップや範囲の広がりを伴います。人生の中でキャリア形成を何回か繰り返しながら、発達を遂げていくのです。自分の適性・能力や希望にあった領域を絞り込みながら、その専門性が少しずつ深められていきます。
キャリアコンサルティングは、キャリア形成の6ステップに応じた情報提供、助言・相談を行っていきます。温かく見守り、継続的にキャリア形成していく土壌づくりを行います。
続いて下記は、キャリアコンサルティングの順序です。多くのキャリアコンサルタントが一般的に利用しているシステマティックアプローチについて説明いたします。
①カウンセリング開始
まずは信頼関係を築くことから始まりです。
キャリアコンサルティングの入り口として、相談者の悩みを把握し、ベストな解決策を考えるため十分なカウンセリングを行います。
ここでは、信頼関係を築き心を開いてもらうことが大切です。
学校生活・職業経験・楽しかったこと・つらかったことなど、これまでの人生において経験したこと・感じてきたことを何でも話してください。キャリアコンサルタントは、相談者の話す内容を真摯に受け止めます。疑ったり、否定することは決してありません。
②問題の把握
キャリアコンサルタントに対する信頼感が生まれ、気軽に話せる関係性が出来上がると、何気ない会話の中から「鍵」となる言葉・考えが出てくることがあります。
相談者はキャリアコンサルタントとの対話を通して、自分の中の強み・弱み・適正・興味といった内面的な部分や、置かれている立場・周囲の状況などの外部環境を掘り下げることになります。
「気づかなかったことに気づく」「周囲で起こっていることを掘り下げる」作業はとても大切で、キャリアの発展を阻害している要因(問題)に相談者自身が気づくきっかけになります。
③目標の設定
カウンセリングやキャリアコンサルティングのプロセスの中で、とくに重要となるのが『目標の設定』です。
目標設定は「どのようなキャリアを目指すのか」ということになりますが、繰り返しお伝えするように、キャリアとはその人の生き方・人生そのものです。
「仕事上のキャリア」だけを指すものではなく、ライフスタイルや価値観などもひっくるめた上で、「これから実現したいことは?」「理想の生活・働き方は?」といった目標を定めていきます。
④方策の実行
目標を設定したら、目標達成に向けた具体的なアクション(解決策)を考え実行します。
解決策は具体的であることが大切で、実行可能な方法を一緒に考えます。主体はあくまでも相談者なので、「こういう方法でやってみたい」「(期間・日付)までに◯◯できるようにしたい」などの方策が実行できるよう、キャリアコンサルタントの立場から能力開発に必要な情報提供を行ったり、専門的なアドバイスを行ったりもします。
⑤結果の評価
アクションを起こしたらやりっ放しではなく、「結果がどうだったか」「改善すべき点はあるか」といった振り返りまで責任を持って行います。
スムーズにいくケースもあれば、解決策を何度も見直して少しずつ前に進むケースもあります。場合によっては、目標を設定し直す必要もあるでしょう。
大切なのは、結果を適切に評価して、諦めずにベストな方法を探し続けることです。
⑥カウンセリングの終了
すべてのプロセスが終了する頃には、新たな環境への適応が始まっていることでしょう。
それは、就職や転職かもしれませんし、進学・留学・退職かもしれません。
その人の目指すキャリアの実現に向けて、納得するまでカウンセリングや必要な支援を行います。
カウンセリングを行う上で、大切なことをもうひとつ。
キャリアコンサルタントとの信頼関係が大切とはいえ、職業や経歴などの個人情報を提供することに不安や抵抗のある方もいると思います。
そのため、キャリアコンサルタントには職業能力開発促進法で定められている『守秘義務』があります。
キャリアコンサルティング契約を結んでいる間はもちろん、契約終了後やキャリアコンサルタント業を辞めたあとも、キャリアコンサルティングの過程で知り得た個人情報を漏らす・盗用することは法律で禁止されているのです。
キャリアコンサルタントは、人と人との信頼関係なしには成り立たない仕事です。
相談者の人生に関わる仕事でもあるため、高い倫理観が必要とされます。相談者が不利益を被ったり傷ついたりすることのないよう、個人情報の厳重な取扱いはもちろん、相手の立場・気持ちを尊重することに重きを置いて業務にあたっています。
参考までに、厚生労働省の示す『キャリアコンサルティングの流れ』も示しておきます。
引用)厚生労働省 キャリアコンサルティングの流れ
どんな人がキャリアコンサルティングを受けるの?
キャリアコンサルタントの使命は、相談者の悩みに対して解決策を示し、その人らしいキャリアの発展や活躍ができるよう支援することです。
そのため、キャリアコンサルティングは『キャリアに悩むすべての人』が対象となります。
年齢・性別・就労の有無・肩書に関わらず、「本当にやりたい仕事がわからない」「子育てをしながらどうやって働けばいいのか悩んでいる」「リタイア後の第二の人生について考えたい」など、あらゆる立場・ライフステージにある人が対象です。
キャリアコンサルティングの目的は、ただひとつ。
キャリアコンサルティングを受けることで、人生の土壌作りをしてほしいのです。
土壌(基盤)ができていれば、昨今のようなコロナ離職・雇い止めといった危機的状況に遭遇しても、なんとか乗り越えられるはず。土壌作りをしっかりと行い、自律したキャリア形成が可能になれば、あらゆる困難に立ち向かう大きな原動力となるでしょう。
就職・転職活動はもちろん、自分に合う仕事を見つけたい・昇格したい・新たなキャリあに挑戦したい・子育てが一段落したので復職したいなど、あらゆるシーンでキャリアコンサルティングを活用して頂きたいと思います。
キャリアコンサルティングに期待する効果・メリットとは?
キャリアコンサルティングでは、カウンセリングを通して相談者の意識・意欲・行動の変化を促し、さらにはあらゆる苦境・困難にも立ち向かえる『自律したキャリア形成』を目指します。
具体的に「スキルアップしたい!」「資格を取ってキャリアアップしたい!」などの目標がある方はもちろん、「仕事や生活へのモチベーションが上がらない」「そもそも何をしたらいいのかわからない・・・」と人生の迷路に迷い込んでいる方まで、人生を今よりもっと良いものにするために、キャリアコンサルティングは非常に有効な手段となるでしょう。
キャリアコンサルティングは、単に「出世」や「収入アップ」といった目に見える結果だけを求めるものではありません。
自分を再発見する・自己効力感を高める・自分らしいライフスタイルを手に入れることも、キャリアコンサルティングで期待できる効果・メリットだと言えます。
参考として、キャリアコンサルティングの有効性に関する厚生労働省のデータをご紹介します。
図:キャリアに関する相談の有効性(複数回答)
引用)厚生労働省 キャリアコンサルティングの活用・効果
この調査結果からもわかるように「意識」「意欲」「目指すキャリア(目標)の明確化」「自己啓発」など、キャリアコンサルティングを受けた方が『変わる』『変わったと感じられる』ことが大切です。大丈夫、あなたもきっと変われます!
◎まとめ
繰り返しになりますが、キャリアコンサルティングは『人生の土壌作り』です。
希望のライフスタイル・やりがいある仕事を手に入れるためには、これまでの人生経験・職務経験を振り返り、さらなる発展に向けて何をすべきか考える必要があります。
キャリアコンサルタントは皆さんと一緒に人生の棚卸しを行い、未来の設計図を描き、行動を起こすためのナビゲーターとなる存在です。
生活の基盤となる『土壌作り』を手伝う専門家であり、伴走者とも言えるでしょう。
キャリアを考えることは、仕事に限らず人生そのものを考えること。
皆さんが考えるよりもキャリアコンサルティングは身近なものであり、決して敷居は高くありません。
先行きが不安な時代だからこそ、キャリアコンサルティングを身近に捉え、気軽に専門家(キャリアコンサルタント)に相談してみましょう。
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