岡山県学生「終わらない就活問題」 No.1
こんにちは。フリー面接トレーナーのnori
さんです。
タイトル的に誹謗中傷を匂わせてしまうかもしれませんが、決して特定の個人を貶めるような悪意はありません。ですが、私は立派なコラムニストでもなければ、就活評論家でもありませんので、口の悪い就職支援者が、自分が伝えやすいように書いたものです。事実ベースで書くことに注意はしますが、主観に頼った書き方もありますのでご注意ください。
これは、私が仕事上で多く関わる、大学生期の就活や大学卒業後も就活を続ける人たちの相談内容から鑑みた、彼らの苦悩や彼らの陰に潜む問題点をまとめたレポートです。就職支援者である私自身のために書いたレポートですが、共感してくださる方がいれば、同じ問題に向い取り組みたいとも考え公開することにいたしました。今回のNo.1から始まり、予定ではNo.3までは書きたいと思いますが、興がのればその後も書き続けたいと思います。
タイトルに「岡山県学生」とあるように、私の仕事上で出会う人は主に岡山県の学生ですので、あえて岡山県で括りました。他県でも類似する事例はあると思いますが、あくまで岡山県学生から見た問題点であることはご承知ください。
また、このレポートを読んで欲しい対象は、一番は当の本人である岡山の学生にも読んでもらえたら嬉しいですが、岡山県学生を採用する企業、学校など公的機関の支援者、そして彼らの保護者です。
読み手によっては痛烈な内容に感じるかもしれませんが、就職が困難であろう子達は、社会の大人たちに「就職できない子」というレッテルを張られ、避けられています。これは我々大人達の責任もあると思います。
この大人達から避けられた学生は、必ずどこの大学や短大、専門学校にもいます。いわゆる発達障害と診断を受けたわけでもなく、「グレイ」と揶揄されるようなタイプです。
揶揄と言いましたが、実際に「扱いにくい」とか「何を考えているのかわからない」など実際の様々な現場で、あえて言うなら「問題児」扱いを陰で受けています。そうとも知らず、彼らは面接を受けては不合格を食らうのです。
終わらない就活とは
さて、本題に入りますが、「終わらない就活問題」とは何か?
在学中の就活期間内に就活が終わらない
卒業後も就職活動が終わらない
在学中に就職するが、納得がいかず転職先を探し続け終わらない
※確かにある意味で、仕事について考えることは、一生涯の探究活動ではありますが、ここでは割愛します。
岡山県の学生の中には、こういった終わらない就活を送っている学生が少なくありません。(便宜上、3についても卒業していますが学生と定義します。)
これらの学生達は、なぜ終わらない就活を続けるのでしょうか。各々の問題はあるでしょうが、いくつかのケースに分けます。
A 岡山県が地方の田舎だということに気が付かず、SNSやTVドラマで観るような理想の仕事と自身のレベルや岡山県内の企業等の現実が一致しないケース(共通の合言葉は、「企画の仕事がしたい」)
B 企業の巧妙な採用活動により幻想を抱かされ、運よく内定が出るものの、「居心地の良い居場所」としか考えていなかったため、入社後に仕事が合わず早期リタイアするケース
C 親や周囲の評判に左右され、自己の意思による決定ではないことを逆手に取り、いつまでも人のせいにして、就活戦線をさ迷い歩くケース
等々、言葉を選ばずに書き出しましたが、外れていることはないと思います。ABCそれぞれのケースを整理してみます。
A 岡山県が地方の田舎だということに気が付かず、SNSやTVドラマで観るような理想の仕事と自身のレベルや岡山県内の企業等の現実が一致しないケース(共通の合言葉は、「企画の仕事がしたい」)
このケースは就活序盤に本当に多いです。次第に現実を見て減少していきますが、それでも最後まで「企画の仕事がしたい症候群」を患った方は最後まで就活を頑張ります。昔からドラマなどの影響もあったので、今に始まったわけではないと言えばそうかもしれませんが、昨今のSNS事情は、瞬く間に一部の理想的な暮らしや仕事と大多数の現実社会を切り離しているように感じてなりません。
かくいう私もSNSには大分毒された身で、自分の現実と世の中で活躍される天空人との差を恨めしく思っていました。
さて、話を戻しますが、岡山で出会ってきた学生は、企画がしたいと話される方が多いです。(誰の影響かは不明)
そんな彼らに「そもそも企画とは?」と問うと、黙りこくる始末です。中には商品開発をしたいといった事を教えてくれる方もいますが、そのために学生時代に何を頑張ったか問うても、特に何かしているわけでもなく、熾烈な争いが想像できる商品企画ができる会社には、相応のライバルがいることも考えてもないようです。
B 企業の巧妙な採用活動により幻想を抱かされ、運よく内定が出るものの、「居心地の良い居場所」としか考えていなかったため、入社後に仕事が合わず早期リタイアするケース
こちらのケースも非難的になっていますが、学生だけではなく、企業側の責任もあるとあえて伝えたいと思います。
岡山県の採用事情というと、人事担当者がフレンドリーに接してくださる、親しみやすい企業が多いように思います。特に合説などで行列ができる企業では、若手社員が、どこのブースに行けばいいか迷っている子たちに優しく声をかけます。端から見ると仲睦まじい様子がうかがえます。
一概には言えませんが、これが幻想の始まりです。学生の企業選びのポイントは、「安心して働ける」ことだそうです。まさに一緒に働く人たちによって左右されますので、この就活中で優しくフレンドリーに接してもらった経験は、彼らにとって大きな決め手の一つになります。
特に社会人と接する経験が少ない学生にとっては、フレンドリーに接してもらっただけでも、ある種の勘違いが起きてしまっているようにも感じます。企業側の人材集めもビジネスの内ですから、当然のことと思いますが、知らず知らず、学生の終わらない就活に加担していることは自覚しなければならないと思います。
参照ニュース
C 親や周囲の評判に左右され、自己の意思による決定ではないことを逆手に取り、いつまでも人のせいにして、就活戦線をさ迷い歩くケース
このケースは特に親の影響が強いと感じます。逆に何の問題もなく早期に満足のいく就活を終えた学生は、親の意見が少ないと話す学生が多くいました。次いでネット情報に左右されがちですね。だれでもネット情報は見れますので、否定はしませんが、就活が終わらない学生は依存傾向があるのではと仮説を立てています。
このケースの結論ですが、結局就職できても、うまくいかないことを他者の責任にすり替えることで、本質がいつまでも見えず、夢追い人ならぬ、職追い人になってしまいます。うまくいかない理由はそれぞれですが、主に人間関係と答える学生が多かったです。自分が他者に合わせることが苦手な場合、どこの企業でも繰り返されます。本質を見極め、事実を受け入れなければなりません。
現状の情報整理
上記に挙げたことは、もちろん、全ての学生に言える話ではなはく、ごく一部の学生です。
上記の資料のように、岡山県内には、4万人に近い学生がいます。岡山労働局の調べによると、令和3年3月新規卒業者(大学の場合)の就職決定率94.9%です。卒業者数8,623人のうち就職希望者は5,319人。うち決定者は5,046人です。未決定者は273人です。(273人全てが、就活が終わらないと言うわけではありません)
このように、ごく一部ではあるかもしれませんが、確実に就活が終わらない学生が毎年発生していますし、就職後も、3年で3割と言われるように、依然として早期退職者が出ています。
確かに、上記でも述べましたが、彼らの責任も決して軽くはありません。なぜなら、自身で何もしていない方や見通しが甘い方、他責の念に縛られている方など。既に大人になっていることを自覚せぬまま、今日を迎えている人も少なくありません。
最後に
何度もお伝えしますが、今回取り上げていることは、岡山県で私が出会ってきた学生のその一部です。大半以上は例年就職ができています。しかしごく少数が希望の就職が叶わず、あるいは希望すら持てず、終わらない就活を継続しています。
私は、そんな少数を支援し、働いてもらうことで、彼ら自身の生きがいを見つけてもらおうと、日夜この就職支援に励んでおります。
聞こえはいいですが、結局のところ、これは私のエゴイズムであり、若人に仕事を持続的に楽しみ、仕事を通じて社会に貢献していただくことで、私自身の老後の社会構造を少しでも安定化させるための、小さな抗いの一つにしています。
さて、今回は、岡山県学生の「終わらない就活問題」について問題点を挙げました。次回は、このような「終わらない就活」を終わらせるための対策を講じたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございますす。
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