なぜ我が子に無性に腹が立つのか? ~キャリー的子育て論~
今日は「なぜ小学校高学年や中学生の我が子に無性に腹が立つのか?」というお話をします。この時期、親にとっては忍耐を試される時期。成長の証だと分かっていても、「どうしてこんなにムカつくの?」と感じる瞬間、誰にでもありますよね。
実は、この問題の答えはシンプルに 「自立への過程」 にあります。でもそのシンプルさが、子育ての現場ではやっかいに感じるんですよね。今日は、親として覚悟を持ち、腹を座らせる子育てについてまとめました!
可愛かったあの頃の記憶が、今の怒りを膨らませる?
まず、思い出してください。
赤ちゃんの頃の我が子は、本当に可愛かったですよね。おむつを替えながら、「なんて愛しいの!」と微笑み、初めての「ママ」「パパ」に心が震えました。少し歩けるようになって転ぶ姿すら愛おしくて、「大丈夫だよ、すごいね!」と何度も手を差し伸べました。
ところが、小学校高学年や中学生になると、彼らは突然「言い返す生き物」に変わります。
「分かってるって!」「うるさいな、ママは何も分かってない!」
こんなセリフを浴びせられて、傷ついた経験、ありませんか?
なぜムカつくのか? 実は親の「期待」が影響している
親が子どもに腹を立てる理由、それは 「過去の可愛かった頃のイメージ」と「今の現実」とのギャップ から来ています。
親の期待として、「うちの子はこんな風に成長してほしい」という理想があるんです。
それが裏切られると、がっかりして怒りが湧く。でも、それって実は 子どもの成長の証 なんです。
小さい頃は親の言うことを素直に聞いてくれていたのに、今は「自分の考え」が芽生え、口答えしてくる。それは 自立の第一歩 なんです。
彼らが「分かってるって!」と言うのは、「自分でやれる!」と叫んでいるのと同じなんです。
子どもの成長を受け止める「腹の座らせ方」
ここで親が大事にするべきなのが、「腹を立てる」ではなく「腹を座らせる」こと。
腹を座らせるとは、「覚悟を決めて動じない心を持つ」ということです。たとえばこんな風に考えてみてください。
自分で決めたことを尊重する
「分かってるなら任せるよ」と言ってあげる。これは「信じてるよ」というメッセージになります。冷静に見守る
子どもがミスをしても怒るのではなく、「じゃあ次どうする?」と問いかけてあげる。子どもの言葉をリフレーミングする
「うるさいな!」→「ああ、自分でやりたいんだな」
「ほっといてよ!」→「もっと自分に任せてほしいってことか」
これを続けると、子どもは「親は自分を信じている」と感じ、やがて自分から親を頼るようになります。信頼の貯金が増えるんですね。
実体験:怒りを乗り越えた親子のエピソード
私が教師をしていた頃、ある6年生の男の子がいました。彼は親への反発が強く、面談の際には「うちの親は何も分かってない」と口癖のように言っていました。
彼の母親は、当初、毎日のように「宿題はやったの?」「ゲームばっかりして!」と怒鳴っていました。でも、ある時を境に「この子を信じてみよう」と覚悟を決めたそうです。
母親は彼にこう言いました。
「宿題、やるかやらないかはあなた次第。でも、やらなかったらどうなるかもあなたが受け止めなさい」
すると、最初は反発していた彼も、次第に母親の態度に安心し始めたのか、自分で宿題に取り組むようになりました。「自分を信じてもらえている」という気持ちが、彼を動かしたんですね。
子どもとの距離感を大切にする
子育てで一番難しいのは、子どもとの「距離感」を見極めることです。近すぎると過干渉になるし、遠すぎると見捨てられたと思わせてしまいます。
中学校に入ると、子どもたちは外の世界に触れる機会が増えます。友だちや先生、先輩たちとの関わりを通じて、自分なりの価値観を築いていきます。親はそのプロセスを邪魔するのではなく、後ろからそっと見守る役割を意識してみてください。
教育応援家としてのまとめ
「腹が立つ」という感情は、子どもが成長している証です。
だからといって、親が感情のまま怒ってしまうと、子どもとの間に不信感が生まれてしまいます。むしろ、腹を座らせて「この子は今、自立する準備をしているんだ」と受け止めてみてください。
子育ては、親も一緒に成長する旅路です。
大変なことも多いけれど、その中で親としての度胸が鍛えられ、子どもが巣立つ頃には「成長を見守れて良かった」と思える瞬間が必ず来ます。
あなたも今日から「腹を立てる」より「腹を座らせる」子育てをしてみませんか?きっと、子どもとの関係が少しずつ変わっていくはずです。一緒にがんばりましょう!