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認知症の方とのコミュニケーション

こんにちは!
ふじもんです。今日は梅雨だ~って感じの天気でした汗

さて、今回からの投稿は前回までの内容から移って「介護職のコミュニケーション」について連載していきます。

今回は「認知症の方とのコミュニケーションで大切なこと」をテーマに大切な考え方を20個挙げていきます。
本当は一つ一つ説明を加えていきたいのですが、自分の力量と読みやすさ等を鑑みて、4つのことについて経験を踏まえて説明をしています。

前回までの認知症の方の記憶障害、認知機能の障害、感情面などを振り返りながら読んでいただくと嬉しいです。

まずは20のポイントを一斉に挙げていきます。

認知症の方とのコミュニケーションで大切な20のこと

①具体的な体験をすることや実物を示す。

②思い出のものや写真を会話のきっかけにする。

③非言語的コミュニケーションから気持ちを把握するように努める。

④わずかな変化も意思表示として気づく努力をする。

⑤1つの言葉は1つの動作や行動に対応する。

⑥短い、簡単な言葉でゆっくり、はっきりと話しかける。
複雑な話や抽象的な表現で混乱させることのないように留意する。

⑦よき話し相手として積極的傾聴をする。
特に、もっともよい時代の「エピソード」を聴いてみる。そして笑顔を浮かべ、嬉しそうに話すエピソードを記憶し、折をみて介護職員からそのエピソードに触れる働きかけもする。

⑧プラスの感情を想起し、こころとからだがつき動かされるような「言葉」を発見する。

⑨同じことを何度も言うことを受容する。

⑩事実に反したり内容を理解することが困難であっても、その意味世界に沿いながら受容する。逆らうことや訂正はしない。

⑪安全で安心して過ごせる生活環境を作る。

⑪-1利用者にとって介護職員の存在は人的環境に含まれる。利用者が驚くことの内容にゆっくりと近づいて、相手が気づいてから話を始める。

⑪-2ゆったりと自然に行動することを意識する。

⑪-3明るい雰囲気づくりのためにユーモアや笑いを取り入れる。

⑪-4これまでになじみの言葉や慣れ親しんだ地域の方言を使う。

⑫介護職員側から発信する非言語的コミュニケーションを意識して表現する。

⑫-1態度や姿勢の高さ、目線の合わせ方、視線、口調に気を付ける。

⑫-2身振りや手振りを交える

⑫-3時や場合に応じスキンシップ(タッチングやホールディング)を図る

⑬自己有用感を高めるため、時には頼ることや頼みごとをする働きかけを行う。

教科書を読み直して、これ、意識してケアをしていなかったなあということがあり、反省です。
自分が意識してやってきた4つのことであれば、主観的ではありますが説明を加えることができますので、以下で言及していきますね。

自分が特に意識して1年半やってきたことは⑥、⑧、⑫、⑬です。
それぞれについて説明していきます。


自分が特に大切にしていたこと

⑥短い、簡単な言葉でゆっくり、はっきりと話しかける。複雑な話や抽象的な表現で混乱させることのないように留意する。

「10分後に晩御飯のために食堂に行くので急いで車いすに乗りましょう。」
⑥の前提のもと、この例文を読むと色んな情報がつまっていることが見えてきます。
時間、目的、行為、場所、スピード感、手段などなど
たとえ短文であっても普段、何気なく喋っていることや聞いていることは情報がたくさん詰まっているため、そのまま伝えると混乱されてしまう印象があります。
それを踏まえてお話するならば、
「今からご飯を食べます。」「食堂で食べます。」「食堂に行くために車いすに乗ります。」「車いすに移動しましょう。」

と一文一文、情報ごとに切ってみる方法が思い当たります。
また、たとえ話や比喩は使わないようにしています。説明や説得をするのではなく、その方に次の動作、行為は何をしていただきたいのか?何を感じていただきたいのか?を細かく分割し、意識しながら話すと、いいのかなと思っています。

⑧プラスの感情を想起し、こころとからだがつき動かされるような「言葉」を発見する。

プラスの感情を想起し、こころとからだがつき動かされるような「言葉」。
これは、その方が「大事にされていること」と読み替えてもいいのかなと個人的に思っています。
認知症の方は不安や恐れといったネガティブなことが浮かび上がることが多くなります。
ポジティブな気持ちを思い起こさせる言葉や、あなたの大切にしている「こと」を私(介護職員)は知っていますよ。と伝えることによって不安や恐れは薄まっていくと考えています。
それをするために、ひとりひとりの「言葉」を見つけるという目的を持って質問をしたり、何を話しているかを聞くことをしています。

⑩事実に反したり内容を理解することが困難であっても、その意味世界に沿いながら受容する。逆らうことや訂正はしない。

実年齢が80歳後半の方が「私もう100歳まで生きたから…。」という言葉を発したときには
「それは長い年月を重ねてきましたね。」や「そんな年齢なんですね!」といった反応をしてみるといったところでしょうか。
そこで「いや、OOさんはまだ80代ですよ。」と”正確な情報”で訂正したとしても、「何言ってるの!?私は100歳よ。」や「今度から80歳って言っておくわね。違うけど。」等と返事をされてしまう可能性があります。
そこから、「あの人は私の年齢を覚えていない、ダメな人だ。」「私にウソをつけと言った人だ。」とネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
信じられないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これに似た事例を見たことがあります。

そういった事例を見る中で“正確な情報”を伝えるのではなく、その方の世界で一緒に会話をして、その方のお手伝いをすることが大切なことと考えています。

⑬自己有用感を高めるため、時には頼ることや頼みごとをする働きかけを行う。

これに関しては介護職員側にとってもメリットのある考え方だと思っています。
歩行機能や認知機能、その日の調子なども鑑みる必要は勿論ありますが、たとえば食事の際にお茶を配って頂くといったお手伝いをして頂くことがこれにあたるのかなと。

自分は誰かの役に立っていると感じたり、感謝の言葉を言われた。ということが、その方の生きがいや、ここにいていいんだという肯定感に繋がると考えています。

認知症ケアの理念とは何か?

20の考え方や、主観的、経験則的なことも書きましたが、それらから認知症の方との接し方、コミュニケーションの仕方を掴んでいただけたら幸いです。

コミュニケーションの仕方や認知症の概念は分かったけど、そもそも認知症の人へのケアの考え方って何?

と思われた方のために、次のアンバサダー記事を書いていきます。
(また、認知症のことに戻るのかい!!)

次回も、どうぞお付き合いくださいませ。


参考・引用

日本医療企画
介護職員初任者研修課程テキスト2
コミュニケーション技術と老化・認知症

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