読解力は必要だけど
相手の意図を正しく汲み取るために、読解力が必要である。
しかし、読解力があっても、相手の意図を正しく汲み取れるとは限らない。
『月がきれいですね。』
という文を読む。
前後の文脈がなければ、月を見た感想を述べているのか、誰かに愛を伝えようとしているのかは、分からない。
何もわからないのである。
つまり、書き手に、伝える意思があって、読み手との関係や、状況に応じて適切な言葉を選んで表現することができなければならない。
そうでなければ、読み手は、いくら読解力があっても、書き手の意図を汲み取ることはできない。
相手の意図を汲み取ることができる、ということは、こちらの読解力も必要だが、それだけでは不十分である。相手の努力があって成り立つことである。
つまり、双方の歩み寄りが、必要なのである。