広島市立大学の安達響の展示
広島市立大学の卒展で提示されていた安達響さんの展示は素材との対話という本質的な要素を、きわめて独創的な方法で提示していた。展示空間に足を踏み入れると、まず目に入るのは床一面に敷き詰められた大理石の粉末だ。その白い地平から立ち上がる三点の彫刻作品は、それぞれ人骨の断片(頭蓋骨、手、背骨)から立ち上がる波のような形、波動の中から魚やタコを見出すことができる。浮かび上がるような海洋生物(魚、タコ)のモチーフが波と融合した姿を見せる。死を想起させる人骨であるが、立ち上がる波動から現れ