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ネムラの森

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30年にわたって書き続けている短編ファンタジー小説「ネムラの森」。シュウとクロルそしてフェアローゼが深く不思議な森の中で繰り広げる壮大なドラマです。その一部を少しづつご紹介してい…
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#ネムラの森

ハシゴを伝って降りて来た星(ネムラの森)

「フェアローゼ、今日はとても暑かったから  多分いつもより早く星たちがハシゴを伝って降りてくる筈だよ」 「じゃぁ丘の上に見にいってもいい?」 「あぁ、パパも一緒に行くよ、  星が街の灯りになるのを久しぶりに見たいからね」 余談ですが、本編にはこの話の続きがあります。 丘の上でフェアローゼは部屋の奥から持って来た虫捕り網でハシゴを伝って降りてくる星を一つ捕まえようとします。しかし中々捕まりません。やがて足下の青草たちに助けてもらいやっとの思いで星を一つ捕まえると、自

ネムラの森(我が家)

ここには カフェも タクシーも ツタヤも 映画館も ないけれど 眠れない夜に拾い集めてきた星々の欠片と ひとり寝の夜に窓辺で奏でる風の子守唄と フクロウが読み語る終わりのない物語と 香り深い挽きたての珈琲がある そして ソファに深く腰を落とし 静かに独り時を刻む ボクがいる

嘆きの森

世界中の人々の嘆きが 森を深く覆っている   .....................   コロナ激震で世界中が恐怖と不安に煽られています。   この元凶は僕ら人間が数ミリ程度の歴史の中で 傲慢にも自然を支配しようとしてきた 愚かさの結果だと強く思っています。

ティギーおばさんが暮らす家

ティギーおばさんが暮らす家

ごらん、想像力は世界を創る

黒いタキシードをまとい 蛍の灯りで森の入口を照らす蟻 銀のマントを風になびかせる 誇らしげな猫 バイオリンは弾けないけど とても働き者のキリギリス 餅つきのバイトに精を出す 満月のウサギ 恋にやぶれ目を真っ赤に 泣き腫らした蠍座の蠍 後ろにしか歩けない 不器用なフンコロガシ 双眼鏡片手に器用に髪を切る 床屋勤めのカニ 住宅ローンが嫌いで 生涯間借りを貫くヤドカリ キツツキが恋人たちのために 夜空に開けた満天の星 世界中の音符をかき集め 母と子に奏で届ける

未来都市の繪

子どもの頃、未来都市の絵を描いた あの時、 どうして森や樹や花や虫を描かなかったんだろう

ネムラの森の星まつり

こっそりお知らせします。 あと幾日かすれば 夜空のあっちのてっぺんで 極上満点な星まつりがはじまります。 ソラと海と地の果てのあっちとこっちから それはそれはもうたくさんの星々たちが そろそろといそいそと準備に駆けつけました。 秋の夜の 「ネムラの森の星まつり」。 大切な方と手をとりあってお出かけください。 追伸 星のカクテルお二人分、ご用意してございます。

幸福なお終いの風景(ネムラの森)

「 そろそろボクのお終いの時だ 」 そう言うと、赤トンボは森のベンチに静かに舞い降り、羽をたんたんと、それはそれはとても丁寧にたたみ始めました。神さまからいただいたわずか30日の命でしたが、赤トンボはそれでもたいそう満足していました。それもそのはず、大抵の仲間たちはツバメやスズメやカマキリに食べられてしまうからです。 「あぁ、今日を無事に迎えられてよかった。そろそろお終いにするよ」 そう言い、赤トンボは身体の真ん中の芯から、ゆっくりそして静かに力を抜き、命のお終いの

青いシダの実と魔法の森

ノエルは慌ててフェアローゼを制止しました。 「だめ!! ここまでよ!! この先は一歩も進んではだめ!!」 フェアローゼはマングローブのツルでできたバスケットを抱えたまま言いました。 「なぜ? なぜ行っちゃいけないの?青いシダの実はこの先の滝にあるんでしょ?」 「あるわ・・・」 「だったらこのバスケットをその青いシダの実でいっぱいにしないと・・・  仮面さんにかけられた魔法を解いてあげられないんだ。だから僕は行くよ」 そう言い、歩き出そうとしたフェアローゼの前に

赤い家

黒いタキシードを着た蟻に先導されたまま ネムラの森を三里ほど歩いていくと それまでまっ暗だった森に突然光が差し込み まるで積み木で造られたような小さな赤い家が 隠れるようにひっそり建っていました フェアローゼはちょっと不思議な国のアリスになったような気持ちになりましたが 勇気をもって小指の先で家のドアをコツンコツンとノックしてみました 「コツンコツン、だれかいますか」 No.524話に続く (「ネムラの森」より)

不思議の国のウサギ

不思議の国のウサギ