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赤い家

赤い家


黒いタキシードを着た蟻に先導されたまま
ネムラの森を三里ほど歩いていくと
それまでまっ暗だった森に突然光が差し込み
まるで積み木で造られたような小さな赤い家が
隠れるようにひっそり建っていました

フェアローゼはちょっと不思議な国のアリスになったような気持ちになりましたが
勇気をもって小指の先で家のドアをコツンコツンとノックしてみました

「コツンコツン、だれかいますか」


No.524話に続く
(「ネムラの森」より)

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