山咲 聖
「生きる」をテーマにしたフォトエッセイ集。ここに発表している写真や言葉は「命の譜」(ブランディング講義)でこれまでずっと語り続けてきたものです。
短い言葉で綴ったフォトエッセイ集
30年にわたって書き続けている短編ファンタジー小説「ネムラの森」。シュウとクロルそしてフェアローゼが深く不思議な森の中で繰り広げる壮大なドラマです。その一部を少しづつご紹介していこうと思います。
慈悲の心が永久の平安を生み 愛の力で万物は結ばれる なぜ この因縁に気付こうとしない 悟りを得て一切を受け入れよ 道に背き惑うことなかれ 心に宿る欲と執着を捨てよ 望むほどに己を縛り 捨て去るごとに煩脳は消えゆく 縁を頼りに苦難を乗り越える 縁なき想いは内に秘めよう 俗心を断てず振り返る時は あなたの幸せをそっと祈ろう 空を悟れば心は解き放たれる 真理を知れば新たな世界が開く 因果の行く末に想いを巡らせても 生死の瞬間は誰にも分からない 憎しみを捨て無我を得よう
青い空に 櫻の花が 吹雪いておりまする。 散りゆく寂しさは 生まれ出る(いずる) 若葉の讃歌でも 整然とした この宇宙の秩序を見るとき 地上に溢れる 優しい命を見詰めるとき どうして意味なく生まれ出よう どうして意味なく無と滅びよう あの方の思いは 天を包み地を覆って 私を抱かれる。 2001年11月28日 父 勘兵衛袈裟治の詩集より 享年 八十三歳
母が父の元に還って三週間が経とうとしている。 それまで見えていた筈なのに見ていなかった母の「モノ」や「思い」や「出来事」に心が翻弄され続けた二週間だった。 葬儀の朝、少し時間が空いたので、生まれ育った家に出かけてみた。ちょっと大げさに言うが僕を作り上げてくれた原点の地だ。 しかし、町はすっかり変わっていた。 ノブオ君や大坊たちと遊んだ狭い路地裏はマンションに続く広いアスファルトの道になり、「花うんうん(作品)」の空き地も松の湯の銭湯もコールタールの電信柱もすっかり
土曜日、母が息をひきとった。 住み慣れた家ではなく、介護施設の部屋で。 姉からの連絡で取るものも取らず新幹線に飛び乗り、乗り継いで長野駅に着いたのは夜だった。そこから私鉄で実家のある駅へと向かう。 高校時代乗り慣れた電車。をう何十年も乗っていない。母が亡くなって帰省するなんて最低な親不孝息子だと心の中で自分を責めた。 まだ大丈夫だと思っていた。 覚悟はしていたけどどこかで母は永遠だと心の底で思っていたのかもしれない。緊急事態宣言が解除されたからやっと会えると思っていた
沢山の喜びと悲しみの日々を終え、ようやく自由になれた母が、いま僕の前で目覚めることのない深い眠りについている。 二千二十一年十月二日 午後一時三十八分 母 清子 永眠 享年 九十八歳 父が他界してちょうど十年目の日だった。 三万五千七百七十日という、途方もなく永く、しかしあっけないほど短い人生を最期まで清く正しく美しく生き抜いた女性だった。 人を憎むことも 卑下することも 蔑むこともせず ただひたすらに人の善を信じ 人の悪すら愛し続けた母は 多くの人に人生を惜しみな
僕らの魂が正しいところに行けますように。 pure, fair and beautiful May our souls go to the right place.
写真の世界は無限ですね After all, the world of photography is limitless!
Forest of Wise A few wise men live in this forest
Owl in Nemura Forest
僕は明日の空を信じている。 I believe in the sky of tomorrow.
雨のマロニエ通り。 Marronnier Street in the rain.
おぃ、そろそろ春だぞ 緑色の、ほらヒラヒラしたあのシャツ 着るから出しといてくれ あら、ブナの木に吊るしておきましたけど? 無いぞッ? あっ、そう言えばさっき 寝起きのクマが着ていたわ ※ Hey, it's almost spring! That green, fluttery shirt. I'm going to wear it. Oh, I hung it up in the beech tree, didn't I? It's not here!