![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169365361/rectangle_large_type_2_a4c7978c6e0a551d688f5cb9bf76374d.png?width=1200)
Photo by
ahyausagi
シャーリイ・ジャクスン くじ感想
シャーリイ・ジャクスンのくじを読んだ。
なんだこれは。面白すぎる。
シャーリイ・ジャクスンの他の作品を読んでいないのでまだ断定できないが、少なくともこの「くじ」という短編集の面白さを理解できるじぶんで良かった、と思った。
人によってはつまらないと思う気がする。好き嫌いが分かれそう。そんな作品たち。
だって、この短編集のすべてが「なんか嫌だ」で構成されているから。
多種多様な嫌さ。嫌さのアラカルト。
靴の中にいつの間にか入り込んだ小石。
眠りに落ちる寸前、耳元で繰り返される蚊の羽音。
指先が薄く切れていることに気付いた瞬間、発生する痛み。
銀紙を噛む想像。
大きな嫌ではなく、小さな嫌。
日常的にわたしたちが感じて、感じた瞬間に忘れる程度の嫌さ。
読んでいて「あぁ、絶対に嫌なことが起きる」と予感してしまい、そこで終わる。
わたしたちは他人の行動の全てを見ることはできない。それが本の中でも忠実に再現されている。
わたしが想像した最悪の事態は起きるかもしれないし、起きないかもしれない。
それが起きたかどうか確認のしようがないのも嫌だ。
読んでいる最中も、読んだ後も続く嫌さ。
すっかりシャーリイ・ジャクスンにハマってしまった。
スティーヴン・キングと並行して読んでいこう。