膵臓がん~手術に備えて『術前の体力向上』させるための運動~
ルネサンス運動支援センター、大阪国際がんセンター認定 がん専門運動指導士のかねさんです。
今回ご紹介するのは、膵がんの70代の女性。
膵がんの手術に備えて『術前の体力をつけたい』というご利用者さまのご紹介をさせて頂きます。
【運動開始のきっかけ】
始めて来館された時は、2ヶ月前からの『抗がん剤治療』が終了し、これから『放射線治療』が始まる予定。
抗がん剤治療で入院していた時に体力や筋力の低下を実感し、放射線治療の2ヶ月後の手術の予定で、それに備えて『体力を上げておきたい。』というご要望でご利用を開始されました。
【お身体の状態】
・2ヶ月前からの抗がん剤治療や運動不足の影響もあり、体力や筋力が落ちてしまい、すごく姿勢が悪くなっている気がするので、これらを改善したい。
・毎日3000~4000歩程度の散歩をしているが、平地では問題はないのに、坂道や階段の上り下りをすると、すぐに息切れて、脚が疲れてしまうので、息切れや脚の筋力を改善させたい。
・喘息持ちなので、普段の呼吸が浅く上手くできないので、正しい呼吸ができるようになりたい。
・それらを含めて、2ヶ月後の手術に備えて体力・筋力を向上させたい。
とのご要望でもあるように『がん治療の影響により体力や筋力が低下』した状態でした。
その他のお身体の状態として、
・抗がん剤治療の副作用で、両足にしびれがある。
・動くことが少なくなっているので、全身が硬くなっている。
・骨粗しょう症でもあり、実年齢よりも骨が弱くなっているので、薬を飲んでいる。
とのことでした。
【運動指導の内容】
①姿勢と柔軟性を改善できるように『ストレッチポールエクササイズ』と『上半身の棒エクササイズ』
棒エクササイズはこちら
②深い呼吸ができるように『呼吸エクササイズ』
③姿勢の維持の為の『体幹エクササイズ』
④下半身の筋力向上をメインとした『筋力エクササイズ』
⑤心肺機能を向上させる為の『有酸素エクササイズ』
5~10分程度の有酸素運動
【お身体・体力の変化】
運動開始当初は、
放射線治療中の倦怠感があったりすることもあり、
少しでも負荷や回数が増加すると、すぐに息切れをしてしまい、翌日に疲労や筋肉痛が残ってしまうため、1セットの回数を少なく(10回以下)、時間を短くしながら(1~2分程度)、休憩時間を長くとりながら、実施していきました。
そこから、体調やお身体の状態に合わせて、回数や時間を少しづつ増加させていき、
1ヶ月後くらいからは、体力や筋力も向上してきて、回数を多く(1セット20回以上)、時間も長く続けられる(5~10分程度)ようになってきました。
また、浅かった呼吸も、呼吸エクササイズの効果もあり、以前に比べて大きく深く吸って吐けるようになってきました。
普段の生活の中での息切れも少なくなり、体力がついてきた実感もあり、自信をもって手術を受けることができるので良かった。とのお話されていました。
手術をして治療が落ち着いたら、『子供たちと山にハイキングに行きたい』と前向きな希望も持って卒業されていきました。
【あとがき】
運動支援センターにも、
がん治療を受けることで副作用や運動不足などが重なり、体力や筋力が低下したので、どうすれば良いのか???
と、いうご相談を受けたり、運動を開始される方が、よくいらっしゃいます。
がん治療で落ちた体力を、元に戻すために運動をすることも大切ですが、
これから始まる治療に備えて、体力が落ちないように、体力を向上する為に、運動を開始し継続していくことは、もっと重要なことだと思います。
がんと診断されて治療を控え、色々な準備や環境を整えることで大変な時期に、『とても運動どころではない・・・』というお気持ちも重々承知ですが、少しでも治療中の生活に支障をきたさないように、身体の備えをすることも、治療に備えた準備や環境を整える一つではないでしょういか?
がん治療が開始される前に、体力やお身体の状態に不安がある方は、お気軽にご相談下さい。
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