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『ぼくとパパ、約束の週末』観てきた。

 だいぶ日が経ってしまい、年を越してしまったが感想を書いておきたい。

 この作品もこの前に観た映画の時に近日公開作品で予告編が上映されていて絶対観たい!と思った作品。実話(どれくらい脚色入っているのかはわからず)のお話というのと、我が家のむすこはも発達凸凹ありそういうこどもとの関わりの観点からすごく気になったのである。単純にドイツ中のサッカークラブ(チーム)を全部現地スタジアム観て応援チームを決めようとするクレイジーな内容も楽しそうだった。

 日が経って新鮮な感想、記憶も薄れていっているのであっさりした内容になってしまうかもしれない。

 まず、こどもの特性(自閉症の特性)と親の関わり方、学校など周りとの関係について。むすこはジェイソン(登場人物(こども))ほどの過度のこだわりはないけど自分のルールから外れることを嫌う・怖がる・パニックになるのは同じで程度の差だね。なので、観ていて苦しくなるところがたくさんあった。ファティメ(母親)は本当によくやってる親御さんですわ。尊敬する。私はこの作品に出てくる親ほどの振る舞いをむすこに対し取れていない。むしろダメなアプローチも多くしている自覚があるので。

 主語を大きくすると、社会にこの大変さがなかなか理解はされず、症状を有する本人もその親御さんも孤立しているようなこの感じがヒリヒリする。
「あるある話」として笑える部分でもあるけど、「あるある話」でのジェイソンのパニック具合や癇癪度合いを演技されたフィクションとして観てるだけでも胸がギュッとなるシーンにあふれている。
 救われる/救われないといった話ではないので、大層な心構えをする必要はないんだけれど親としての当事者である人が視聴する際は苦しさも覚えると思う。

 応援するクラブチームを探す旅の話。これドイツというかヨーロッパだからの話でサッカーという国民スポーツがあるからだなぁと感じ、もし自分がむすことこういう話になるとしたら、日本ではどういうことが起きるのだろう?と鑑賞して物語を味わう裏でうっすらずっと考えてた。考えてたけど正解らしきものはひらめかず。TV放映とか考えると野球(プロ野球)かなと思ったけど、チーム数が少なすぎて冒険にならないしJリーグ(J2以下も含む)も市民権考えるとちょっと違ってそうで日本には大多数が熱狂していてエリアに根付く組織やチームみたいなものがあるものってないのかもと思ったり。

 ジェイソンが課してる応援チーム決定の条件が厳し過ぎて、なかなか確定しないところ、確定しないぐらいにチームがたくさん存在するのが面白いね。実話ということで、実際の本人たちもスタジアム・チーム巡りしてるみたいで、その旅路はまだ途中っぽいのが微笑ましい感じ。

 チームを巡る週末を重ねていくことで、ジェイソンも社会性というか折り合いをつけようとする部分が出てきたりと成長していくところが良い。ただ社会に迎合するってことではなくて、自分で課したルールの中でサッカー(サッカーチーム)に向き合い続けてサッカー観戦を楽しめるようになっていくのが素晴らしい。当初は学校のクラスメイトとの共通の会話のためのネタ作りだったと思うが、課題設定・目的の先の部分に進んでいるのが素敵である。

 ジェイソンと週末旅をするミルコ(父)も「仕事に逃げてる」なんて言われるけど十分に息子と向き合っている方だと思う。無論、母(妻)のにウエイトがあるけれども。
 後半の暗いスタジアムで夜空を眺め、ピッチ部分で父子で寝てしまうところはとても良かった。ハッピーハッピーとはいかないのが映画だからなのか現実もなのかはわからないけれどそこを含めて良かったかな。ただ、大喧嘩のところの会話は自分とむすことのやり取り(むすこへの接し方)に重なるような部分もあり、かなり胸が痛い時間であった。
 世間の他の親は知らないけれど、私は成熟しきれていないのか親としての力不足で感情的になってしまうことが多々あるが、その度に落ち込む。
そういう自分の見たくない・嫌いな時の姿をミルコを通して出会うことで、やっぱり落ち込むんだよね。
物語ではこのあとのフォローアップがありラストに向かう。

 人はみな、どれだけかの生きづらさを抱えながら生きているものだよなと感じる。
 落ち込んでもまた好ましくない振る舞いを重ねさらに自己嫌悪になるんだろうけど、それでも親としてむすこと向き合い、この世界で生きていくための支援を愛をもってしていかなければと思うのである。
年明け早々に早速揉めたりもしたけど!(宿題全然やらないし)

最後に、ジェイソンとミルコの親子本人からの日本向けのコメントあり予告動画のリンクおいておきましょう。

●通常予告編

●本人コメント入り予告編


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紙村鼬
雑文。カテゴリ整理中。

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