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映画の記録

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見た映画に関する記録です
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記事一覧

『レッド・ワン』『ロボット・ドリームズ』

『レッド・ワン』『レッド・ワン』は、サンタが誘拐されてしまった? という設定のキッズ映画…

伊藤聡
11日前
24

『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』と、使ってしまった禁断の切り札

※作品の内容や結末に触れています。 社会現象化した作品に決着をつける前作『ジョーカー』(…

伊藤聡
1か月前
57

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』と、地獄めぐりの旅

重厚な画づくりで描くアメリカの分断『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(原題:CIVIL WAR)…

伊藤聡
1か月前
34

『Cloud クラウド』と、答え合わせのできない映画

転売屋から読み解く日本社会(?)なにしろ変わった映画である。思いもよらない展開の連続で先…

伊藤聡
1か月前
22

『ナミビアの砂漠』と、でたらめだが正しい怒り

映画のフォーマットでしかできない表現映画らしい映画を見た、という気がした。映画のフォーマ…

伊藤聡
1か月前
49

『ヒットマン』と、「男らしさ」を持て余した主人公

グレン・パウエルの勢いリチャード・リンクレイター監督、グレン・パウエル主演のクライムコメ…

伊藤聡
2か月前
27

『ラストマイル』と、令和の一億総プロレタリア時代

※こちらの記事は映画の内容に触れています。 当初の予想を裏切る強いテーマ性大ヒット中の話題作『ラストマイル』である。私は会社の同僚に勧められて見たのだが、この経緯からしていかにもヒット作らしいと思う。当初は、予告編で描かれていた「物流倉庫から出荷される貨物に、爆弾が仕掛けられていた」というミステリーじかけの展開から、わかりやすいエンタメ作品をイメージしていた。しかし実際に見てみると、より重要なモチーフとして、日本の劣悪な雇用形態や労働環境、過労死、低賃金労働、貧困など、シリ

『ACIDE/アシッド』と、なんか揉めちゃうお父さん

予告編にあった「酸性雨で人が溶けてしまう」というモチーフが気になって、見に行きました。ど…

伊藤聡
2か月前
16

『インサイド・ヘッド2』と、自我の解体工事

https://www.disney.co.jp/movie/insidehead2 子ども向け精神分析映画2015年公開『インサイド…

伊藤聡
2か月前
23

『フォールガイ』と、虚構としての映画

映画業界を支えてきたスタントマン「フォールガイ」(落ちる人)とは、映画業界におけるスタン…

伊藤聡
3か月前
19

『ツイスターズ』と、竜巻と共に舞い上がる恋の行方

竜巻を追いかけます(28年ぶり2度目)『ツイスターズ』は、ヤン・デ・ボン監督『ツイスター』…

伊藤聡
3か月前
16

『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』と、真実を伝える方法

陰謀論はなぜか陳腐化しない「アポロ11号の月面着陸映像はフェイクではないか?」というのは、…

伊藤聡
4か月前
26

『チャレンジャーズ』『フェラーリ』

『チャレンジャーズ』とても見応えのある、おもしろい映画であると同時に、私にはこの作品のよ…

伊藤聡
4か月前
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『関心領域』と、想像の難しいものごとについて、それでも想像すること

絶滅収容所のとなりで幸福に暮らす家族アウシュビッツにあった絶滅収容所の所長一家が、施設のすぐとなりに建てられた、美しい庭を備えた瀟酒な家に居住し、穏やかに暮らしていたという実話をもとに作られた作品が『関心領域』である(英作家マーティン・エイミスによる原作小説あり)。家族でレジャーを楽しみ、子どもを教育し、ひとつのテーブルで食事を摂り、誕生日のプレゼントを贈りあうルドルフ一家。地獄絵図のとなりで営まれる、平凡だが幸福な暮らし。劇中では収容所内の様子を一切描写せず、家族の暮らしや