日記の視点から見た歴史~映画『アンネ・フランクと旅する日記』~
3/11から公開のアニメ映画『アンネ・フランクと旅する日記』(原題:Where Is Anne Frank ベルギー・フランス・ルクセンブルク・オランダ・イスラエル合作)。
新聞記事で紹介されていたのを見て知った作品。
アンネ・フランクがキティ(Kitty)と名付け、日常の出来事や思いを綴っていた日記を1人の少女に擬人化。日記の立場から人間の歴史を辿っていく。
アンネの空想の友、キティという名の少女が、アンネと出会ってから別れた後にかけて、アンネの足跡を辿り、過去と現在を行き来する空想物語。
『アンネの日記』は何度か映画化されているが、今回の作品は、日記の視点から、隠れ家での生活や、時代背景を見ていくという着想が斬新。
そして、見ているうちに、いつしか現在の世界情勢と重なり、『歴史は繰り返す』という悲しい現実に直面。
生きていると必ず出会う、見たくない、聞きたくない、触れたくない出来事。
けれど、それらから目を逸らさず、しっかりと受け止めなければならない強さを求められる時がある。
キティは、アンネの13才の誕生日に贈られた日記。
何より印象に残ったのは、作中にあった「(アンネは)世界で一番若い作家だよ。」というセリフ。
各国の言葉に翻訳され、今も読み継がれている『アンネの日記』。
中学の英語の授業でも取り上げられ、映画も鑑賞した作品。
そこには日常生活だけでなく、『生きる』という現実に、戦時下で実際に向き合ってきた少女の思いと、未来への希望が、宝石のように詰め込まれている。