撮影場所にて~短編小説・映画『外科室』~
敷き詰められた落ち葉の絨毯の上を、サクサクと踏みしめながら歩く。
秋も深まってきた小石川植物園。
そこは、2021年現在、固定記事にしている泉鏡花の短編小説および映画『外科室』の舞台。
駅から遠く、閑静な住宅街の中に位置する。
ひっそりとした植物園の中ほどにある、映画の撮影場所に使われたツツジ園。
そこは、主人公の貴船伯爵夫人と高峰外科科長が出会った場所。
日時は5月5日。ツツジの花が見頃の季節。
ここは、一度訪れたいと思っていた場所。
11月に行ったのですが、少し花をつけていました。
ツツジの季節に行くと、映画の通り、さらに綺麗なことでしょう。
実らぬ恋に、命を捧げた二人。
その一方で、傍から見たら身勝手な恋を貫いた二人。
作品を読んでから行くと、一層この場所が神聖に感じられてきます。
11月の冷たい風が、客観的に、冷静に、そんな二人を俯瞰するかのように、通り過ぎていきました。
出口のない迷路のような恋に入り込んでしまった二人。
果たして、二人の恋は許されるのでしょうか?
正解のない、深い問い。
二人の恋の過ちを、静かに見守り、癒すかのように、クスノキがツツジ園を、静かに優しく包み込んでいるように見えました。
今年も残り僅かとなりました。
スキ・フォローを下さった方たちを始め、タイトルだけでも読んで下さった方も含め、お立ち寄り頂いたすべての方に感謝しています。
どうも有難うございました。
来年も、noteの世界で会いましょうね。
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