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黒い影②

年末に実家の大掃除をしていた時に出てきた1枚の写真。

そこに写っていたのは、当時飼っていたネコ(駒←ネコの名)のモノクロ写真。

かなり前、父が撮影したものだ。

お正月だから出てきたのかも…と高いところに飾った。

年が明けて数日後、寝ていた私の布団の上に、何かいた。

それは真っ黒な生き物だった。

なぜか私は『駒だ!』と思い、背中を撫でた。すると、その黒い影は、私の首もとまでやってきて、そこでジッと疼くまっていた。

駒は生前、どんなに寒い日でも、布団の表面にいて、決して中に入っては来なかった。

野良が長かったためか、元々の性格なのか、密着することは好まなかったのだ。

やがて目が覚め、夢だったと気付いたが、今でも左手に残る感触と、布団の上の重み。

あの感触は、確かに駒だった。

ネコも毛質によって、それぞれ触り心地が違う。

絨毯のようにフカフカなネコもいれば、毛質が細くて骨の感触が手に伝わってくるネコもいる。

あの固い毛質と懐かしい触り心地。

高いところに飾った写真を見る。

夢でも良い。

もうこの世にいない駒に、再会出来たような気がした不思議な初夢。


以前書いた記事です↓


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