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女の可愛いは武器である(色々な意味で)
残業にまみれて、一時間かけて疲れた顔の人たちにまじって消えてしまいそうになりながら電車に揺られて帰宅して、かき込むようにごはんを食べてお風呂に入って、全部終わったらもう寝る時間で、目をつぶれば一瞬で起きる時間になってiPhoneの目覚ましを嫌々止めて、また一時間以上かけて同じように通勤する、そんな生活を続けていたら、自分の毎日の楽しみがいつのまにか変わっていて愕然とした。
なんとズボラ大魔王の私の楽しみが、服と美容になったのだ。
趣味に時間をかけられない私の今の癒しは、少し高くてほんのりいい香りのする美容液をぱたぱたつける30秒や、明日を生きる自分が頑張れる服を選ぶ30秒だ。
コットンにたっぷり化粧水を染み込ませて、パックまでするようになった。
それまではスキンケアも服を選ぶことも面倒で仕方なくて、その時間を少しでも長い睡眠やこうやってnoteを書くことに費やしていたというのに。
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つい昨日、大昔注文したゾゾタウンおまかせ定期便が届いた。
ズボンはぶかぶかだったし、ブラウスは奇抜だったし、くつはヒールが高すぎたけど、唯一セーターだけはすごく気に入った。
薄手の、そでがふんわりした、春らしい鮮やかな桜色のセーターだった。
普段なかなか着ることのない肩出しのデザインだったけど、なんだか妙にしっくりきた。
(カシミヤルーズニットプルオーバー / snidel)
真夜中に一人でファッションショー、寝ぼけまなこでスマホをいじる母に「どうかな」って聞いたら
「かわいい。でもあったかくなってきたし、もう今年はほとんど着れないんじゃない」と言われた。
たしかに、もうセーターって季節じゃないよなぁって笑った。
今日はちょうど冷え込んで、薄手のセーターを着るのにちょうどいい気温だった。
エグザイルを歌う同僚のおっちゃんは、朝私を見るなり
「なんか君、今日桜みたいな格好してるねえ」
と言った。彼はいつも、高橋一生みたいなしゃべり方をする。
そうかもしれないです、春ですしね。
女がおしゃれをすると「男はナチュラルな方が好き」とか「化粧なんかしなくても可愛いのに」とか言う人たちがいる。
そういうのを聞くたびに、なんて的外れなことを言っているんだろうと思う。
女の可愛いは武器になる。
好きな服を着て、好きな靴を履いて、好きなメイクをするだけで、理不尽な日々を戦う力になる。
どんな理不尽なことがあっても、泣きたいときがあっても、「でも今日の私は可愛いから」ってそれだけでぐっとこらえられるときがある。ジルスチュアートのチークを落とさないために。
可愛いは正義だ。それはいつも正しくて、他人どころか自分すら救ってしまう。
私の可愛いはいつだって自分のためで、絶対に会社のオジさんたちや街ですれ違うイケメンにはあげない。私の可愛いは私のものだ。
たぶん彼氏とデートの時より、女子会でおしゃれなレストランに行く時より、仕事がしんどいけど会社に行くときの方が、私はばっちり決めている。
私にとっての可愛いは、日々を生き抜く武器だ。
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本当は、きらきらと着飾ることより、じっくりものをつくることの方が好き。
パン作りや料理。こうやって文章を書いたり、絵を描いたりすること。
また仕事が落ち着いたら、ふわふわのパンが焼きたい。
水や粉の量を少し変えると、全然食感がちがうんだよ。
彩りを考えて、丁寧にお弁当がつくりたい。
肉や魚より、野菜を多めに入れよう。最近、食生活もめちゃくちゃだ。
twitterやnoteをたくさん見て、きれいな文章に感動して、そういうものを自分も書いてみたい。
書けるかな。きっと大丈夫。たくさん書いてたら、いつか一つくらい書けるはず。
可愛いにはたくさん救われるけど、本当のところ私は可愛いよりそういうことの方が大事だから。
仕事が落ち着いたら、早く武器とさよならしたい。
その時には、きっとせっかく買ったちょっと高い美容液も、どうでもよくなってしまうんだろう。
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