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#8 年末年始に見た映画を振り返る

遅くなってしまいましたが…
明けましておめでとうございます!
気づいたら18日も経っていました。

私の年末年始、クリスマスに引き続いて相変わらずバイト、バイト、バイト…
大晦日も正月もピザを配りまくりました🍕

紅白にも間に合わず、なんなら楽しみだった深夜ラジオのスタートにも間に合わなかった年末年始。
唯一の楽しみは映画を見ること
そんな私が年末年始に見た映画、特に面白かった3作品をピックアップして紹介します!
※ネタバレはありません

『街の上で』

 変わりゆく街・下北沢を舞台に、主人公・荒川青が織り成す日常を描いた作品です。「青が生きている世界」を映しだした、淡々としながらも愛おしい作品でした。

 この作品と愛おしいポイントは「日常という奇跡」を描いていること。この映画のキャッチコピーは「誰も見ることはないけど 確かにここに存在している」です。正直、作中で特に大きな事件は起きません。描かれているのは平凡な主人公が起こす平凡な日常、そしてたまに起こる非平凡な出来事や奇跡です。

 最近の人たち(自分も含めて)、何となく価値を測りすぎなような気がします。それぞれが持っている考えや思い、起きた出来事をすぐに評価しようとする。Twitterにのせてもバズらない、インスタに乗せるほどキラキラしていない、他人にも話さないような些細な日常。でもそれはその日、その状況だからこそ生じた時間で、決して同じことは起きません。誰も見てない、意味がないかもしれない自分の世界だけど、確かにそれは存在していたんです。そして、その時間や日々こそ奇跡的で愛おしいんじゃないか。そんなことを思わせてくれる素晴らしい作品でした。

『偶然と想像』

 『魔法(よりもっと不確か)』『扉は開けたままで』『もう一度』の短編三部作です。一つの部屋で二人の登場人物が作りだす三つのストーリーが巧みに描かれています。

 大好きな濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』以来の作品。ストーリー一つ一つに驚きがあり、シュールで面白いことはもちろん、濱口監督の魅力が存分に堪能できる作品になっていると思います。ここでの濱口監督の魅力については、TBSラジオ『アフターシックスジャンクション』で宇多丸さんが全部話してくださっていました。あれ以上の解説は、私にはできません(笑)。

 「演技で台詞を使ってやりとりをすると、時としてフィクションとリアルの境目が曖昧になる瞬間がある」。棒読みのような独特の淡々とした会話劇の中で、「この時何かが起きた」という瞬間は『ドライブ・マイ・カ―』にも描かれていました。それが、本作でも随所に見られます。濱口監督の作品が気になっている方、『アフロク』の解説を携えて、ぜひ見に行ってください。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』

 自身の友人に起きた事件に関わった人へ、主人公・キャシーが復讐していくストーリー。『アフロク』『佐久間宣行ANN0』で度々絶賛されていたのでずっと見に行きたかった作品です。

 明るくテンポの良いPOPSミュージックをバックに、ずっと怖さが付きまといます。単純にスリラー作品として面白い映画でした。キャシーの中にある怪奇なキャラクターが盛大に復讐していく様は、「この後何かが起こる」という怖さの中で爽快さ、鮮烈さも感じました。この感覚は『JOKER』観た時に似ていたかも。

 ただ、普通の復讐劇と異なっていたのはそのメッセージ性。若い男性が女性に性的暴力を振るう悲惨な事件は多くありますが、ニュースを見ながら「若気の至り、しょうがない」「その隙を見せた女性にも悪いところがある」と無意識に感じてしまうことはありませんか?私は女ですが、正直そのように思ってしまったことがあります。そんな人々に痛切に訴えかけてくる。「感情や欲に任せて起こった性行為で本当に悪いのは誰か」「お前らも同じ性質を内在しているんだ」。「私は映画に出てくるような人じゃないじゃない」「もっといい人間だ」と感じて観ている全ての人へ、痛切に、何度も訴えかけてくる映画でした。

 私が観に行った時、『17歳の瞳に映る世界』という作品が同時上映されていましたが(この作品も本当に素晴らしかった)、いずれも女性のレイプ被害を扱いつつも、実際の性行為の描写はありません。新進気鋭の女性監督たちが、この作品をポルノとして昇華させない、そのメッセージ性をごまかさずに伝えようという気概を感じます。"It is now". 「目を背けず、しっかりメッセージを受け取れよ」と、キャシーが私たちに訴えかけてくるようにも感じました。

最後に

 感想を書くのは苦手だったのですが、初めて書いてみました。時間かかったし疲れたし、長くなっちゃったな。でも、大好きな映画から自分がどんなメッセージを受け取ったか考えるきっかけになって楽しいものですね!稚拙ですが、今年は少しずつ挑戦していこうと思います。

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