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⚫️ホワイト・ゾンビ

本日の懐かしのホラー映画は、「ホワイト・ゾンビ」(1932)。
ゾンビ映画の元祖とも言える作品です。

結婚を間近に控えたニールとマデリンは、マデリンの知り合いの男性ボーモンの勧めによりハイチへ旅行をします。ボーモンは、ハイチの地主で、彼の屋敷へ移動する途中、不思議な集団に遭遇します。
ゾンビと呼ばれる者達と、彼らを操るゾンビマスターのルジャンドル。ルジャンドルの怪しい眼差しに、一抹の不安を覚えるマデリンでした。

実は、ボーモンは、マデリンに横恋慕しており、ニールとの結婚を阻止すべく、屋敷へと招いたのです。どうにかならないものかと、砂糖工場を営んでいるルジャンドルへ相談へ伺うボーモン。砂糖工場では、ゾンビ達が不休で働かされていました。
1ヶ月で良いので、マデリンを自分の元に置いておきたいと主張するボーモンに、ルジャンドルはゾンビパウダーを渡します。その粉末を花に散布するか、ワインに混入する様 指示を受けたボーモンは、結婚式の日に飲むワインの中にゾンビパウダーを混入させます。結婚式の宴の途中で倒れてしまうマデリン。

死亡してしまったと勘違いをしたニールは絶望します。マデリンは、ルジャンドルが処方したゾンビパウダーにより仮死状態にされていたのでした。
仮死状態になったマデリンは、ルジャンドルの城へと運ばれ、彼の意のままに操られるゾンビとなっていました。

この機を利用して自分の方へ気持ちを向かせようとボーモンは試みますが、ゾンビ化したマデリンが振り向く事はありませんでした。ルジャンドルに抗議したボーモンも、ゾンビパウダーにより、ゾンビ化させられてしまいます。
マデリンが死んでいないと知ったニール達は、ルジャンドルの城へと向かいます。
無事、マデリンを元に戻す事が出来るのだろうか。

ホワイト・ゾンビと言うと、音楽グループを最初に連想してしまいますが、当初付けられた邦題は、「恐怖城」でした。ビデオ化される際、「ホワイト・ゾンビ」に改題された様です。

本作は、大学生の時、隣の市にあるレンタルビデオ屋さんで発見し、ゾンビ映画の1本としてレンタルしました。冒頭のカーニバルの様な騒ぎ、ベラ・ルゴシ演じるルジャンドルの妖しい眼差しだけは記憶に残っていました。(「魔人ドラキュラ」のイメージが強いベラ・ルゴシですが、本作でも中々インパクトのある役を熱演しています。)

ブードゥー教のゾンビを題材にした本作のゾンビは、現代のゾンビの様に臓物を喰らったり、噛まれた事で増殖したりはしません。
ゾンビ化する粉末により仮死状態にされた人間が、ゾンビマスターに傀儡の様に操られているだけなので、術が解ければ元に戻ります。
ビル・プルマン主演の「ゾンビ伝説」もブードゥー教を題材とした作品で、本作よりブードゥー教を掘り下げた内容になっていました。
(「ゾンビ伝説」もホラービデオ掲載タイトルなので、いずれ紹介予定です。)

死人が甦り、生きた人間を喰らうゾンビの系譜を創造したのは、ジョージ・A・ロメロ監督なので、一時下火になっていたゾンビ映画ブームを再燃させた功績は計り知れないものがあります。

「ホワイト・ゾンビ」は僅か67分の尺の映画ですが、ブードゥーの儀式や、操られるゾンビ達、事件に巻き込まれるカップルの模様を凝縮して描き、中々見応えのある作品に仕上がっていました。

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