Herbst 秋

秋                                 リルケ

木の葉が落ちる　遠くからのように落ちる
まるで天空の遠くの庭が枯れ果てるかのように
木の葉は落ちるのを拒みながら落ちてゆく

そして夜には重い地球が
すべての星から別れて孤独の中へ落ちる

私たちはみな落ちる　ここのこの手も落ちる
ほかの人たちを見てごらん　みんな落ちてゆく

しかしただひとり　この落下を
限りなくやさしく両手で支えてくださるお方がおられる

※（抜粋）そのお方は〈神〉であり、果てしなく落下を続けるものは、暗黒の無に帰してしまうのではなく、神のたなごころにやさしく支えられ、その存在が確かめられるのです。（荒井秀直）

Herbst 　　秋　　リルケ詩

ヨハン・ニコラウス・マテス作曲
ディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウ　バリトン
アリベルト・ライマン　ピアノ

ドイツの詩と音楽
荒井秀直著
音楽之友社

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