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「脳内の自給自足」について
脳内の自給自足 養老孟司
(『バカの壁』 著者 養老孟司 新潮社)P.79~80
問題は、人間の処理装置が巨大になっているというところです。人間の脳はチンパンジーの脳の約三倍になっている。
だから、大きなコンピューター=大脳が付いた。すると、今度は何が起こってきたかというと、外部からの入力で単純に出力する、というだけではなくなった。外部からの入力のかわりに、脳の中で入出力を回すことができるようになってきた。入力を自給自足して、脳内でグルグル回しをする。
良く言えば思索と言えるけれども、このグルグル回しばかりやっている人というのは、要するに一生懸命考えてはいるけれども、何も生み出さない人間だということになる。「下手の考え休むに似たり」とはまさにこの状態です。
これはおそらく人間にのみ発生した典型的な事態です。虫でも動物でもそんな悠長なことはしていられない。
では、このグルグル回しが無意味かといえば、もちろんそんなことはない。人間の身体は、動かさないと退化するシステムなのです。筋肉であれ、胃袋であれ、何であれ、体は、使わなかったら休むというふうになって、どんどん退化していく。当然、脳も同じこと。
そうすると、これだけ巨大になった脳を維持するためには、無駄に動かすことが必要なのです。とはいえ、常に外部からの刺激を待ちつづけても、そうそう脳が反応できる入力ばかりではない。そこで刺激を自給自足するようになった。
これを我々は「考える」と言っている。
役にも立たないけれども、とにかく入出力を繰り返し、グルグル回す。回さないと脳が退化する。意識的にやらなくても、巨大になってしまった以上は自然にグルグル回ってしまいます。
入力があれば、神経細胞は次々、別の神経細胞に連絡をしていく。それで、おそらく人間は非常に余計なことを考えるようになったのだろうと思います。
養老孟司の何がすごいの?
AI による概要
養老孟司(ようろう たけし)氏は、脳科学や解剖学などの知識を基に、心や社会現象を解説する医学博士、解剖学者です。著書『バカの壁』がベストセラーとなり、世間にその名が知られるようになりました。
養老氏のすごいところは、次のような点です。
脳科学や解剖学などの知識を基に、心や社会現象を解説している
著書『バカの壁』は450万部を超えるベストセラーとなった
サントリー学芸賞を受賞した著書『からだの見方』がある
大の虫好きとして知られ、昆虫採集・標本作成を続けている
京都国際マンガミュージアムの名誉館長を務めている
養老氏の主な著書には、次のようなものがあります。『からだの見方』(筑摩書房、『バカの壁』(新潮新書、『唯脳論』(ちくま学芸文庫、 『ヒトの壁。
生成 AI は試験運用中です。 詳細
今日は、脳について、ちょっとだけ考えてみました。
御覧頂いて、誠に有り難うございました。
(⌒∇⌒)🎶m(__)m