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歪んだ炊飯器とお櫃 憧れるのをやめました。
買いたい物があると、直ぐに買ってしまう時もあるし、手入れができるのか、使いこなせるのか自問自答し、金額が身の丈にあっていなければ躊躇する時もある。
家電に関しては壊れてから買い替えるが、買う予定が無くても家電量販店に行って候補は予め絞っている。
ある日、夫が学生時代から使っていた炊飯器が歪んでいたことに気づいた。
炊けるけど、歪んでいる。
炊飯器が歪むってあんまり聞いたことないよね?
展示品処分で安かったらしい。
15年モノだ、十分元は取れた。
普段なら買い替えるところだが、困ったことに買いたい炊飯器に出会えずにいた。
買ってもないのに躊躇いもなく歪んだ炊飯器は不燃ごみに出した。
炊飯器が置かれていた場所は思いの外スペースが空いた。
もうここに何も置きたくない!
今はもう家に無いが、その頃愛用していた山葵色のル・クルーゼで炊いてみたいなと密かに思っていたのがムクムクと湧いてきた。
もう誰にも止められない。
鍋で炊飯といっても今から12年位前は検索しても情報が少なくて、当時は玄米食だったし、ウチはIHだから火力の調節が難しかった。
友人達や母、姉はみな炊飯器を使っている。
実家では餅つきの時や赤飯は屋外にある竈で炊いていたから質問しようとしたが、薪だしやっぱり違うよなと思ってやめた。
試行錯誤を重ね、カニ穴ができた美味しいご飯を炊けるようなった。
子供が高学年になり、キャンプがあった。
飯盒炊飯をするにあたり担任が子供達に鍋でご飯を炊いている家庭を確認したら、ウチの子を入れて2人だけだったらしい。
それを誂われたらしくプンプンしてたな。
私は社会人になってからず〜っと弁当を作っていた。社食もなく、外食したくても時間内に行って→食べて→帰るは至難の業で近くにそれを叶える店はなかった。
結婚して夫の分、そして子供の分も作るようになった。
曲げわっぱを使っていたから同じものをその都度買い足した。
ご飯が冷めても美味しい優れものだ。
子供が進学し親元を離れ、弁当作りは卒業させてもらった。
お櫃を使うとやめられないらしいが想像がつく。
長い事憧れているが、なかなかの金額で諦めていた。
弁卒を機に曲げわっぱをお櫃代わりにしてみた。
私はラップを使わない。
まとめて炊いた時はIwakiのガラスカップに小分けにしてレンチンして食べていたが、その手間も省けて冷やご飯が食べれる。
ふむ、なかなかいい。
お櫃をウチに迎えても大丈夫かも、検索する日が増えていた。
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昼の弁当から開放されw〜夫は夢だった孤独のグルメを楽しんでいる。
選ぶ店や食べたものを聞くと中々なカロリー。
帰宅が遅いのもあるが晩御飯の主菜、副菜は食べるが、ご飯の量を減らしてとか、いらないと言うようになった。
かつてはクリステルの18cm鍋を使っていたが子供に貸したら戻ってこない。
仕方なく14cmの鍋で2合炊いていたが、わっぱにごはんが半端に残るようになって試しに1合だけ炊いたら、なんか丁度よかった。
夫1/3、私1/3+1/3
多めには炊かない。
これでいい。
それからもう曲げわっぱは使っていない。
お櫃の検索もしていない。
曲げわっぱの次の使い道を模索しているが、佇まいがかわいいし、眺めているだけで癒やされる。
私にお櫃は必要なかったということだ。
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