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母のセンス 

結婚前、1月か2月頃だったか夫の実家に私の両親を連れて挨拶に行った。

その日母は風呂敷で包んだ手土産を二つ抱えていた。


その頃気難しいおばあちゃんがいて、おばあちゃんが苦手だった夫から色々伝説を聞いていたから母にも話たことがあった。


初対面…ドキドキ。
普段から笑わないらしく、素っ気ないおばあちゃん。

挨拶を終えて、心ばかりですがお口に合えば〜と手土産を渡す。

一つは菓子折。

もう一つはパッと見はお菓子の箱(再利用)だが蓋を開けると、藁が敷き詰められ柿霜が真っ白にふいた母お手製の干し柿がお行儀よく並んでいる。30個くらいだったかな?
おばあちゃんへの手土産だった。

見た途端、おばあちゃんが笑顔になってしばらく箱を抱っこしていた。
食事の後みんなでおもたせの干し柿を食べた。

母は取り扱いを心得ている。


あの外は真っ白で中は濃い柿渋色の干し柿が食べたいんだよなー。
と、思い出しながら干し柿をモミモミした。

しわしわ。
粉ふけ〜。


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