ジギハイ
石丸幹二さんのラスト出演となるジギル&ハイド観劇してきました。
作品の前にまた自分の事の覚え書なんですが…
絶対に観ておきたい名作!ってありますよね?
地方に住んでいるとなかなか公演のある地域まで遠征することもできません。
なので近くの地域で上演するときは、観ておきたい!行ってみよう!と少しだけフッ軽になります。
そうやって観た作品。
『ミス・サイゴン』、『スウィニー・トッド』(共に市村正親さん出演)、等。
私の中でそれに匹敵する作品が石丸幹二さんの『ジギル&ハイド』です。
作品名は知っていても、曲は聞いたことがあっても、内容は初めて知りました。
ジギルとハイドの二役の演じ分けが見どころかと思うのですが、台詞の発声、歌の発声、勿論表情や仕草も全く違う二人。
あの好青年のジギルと同じ人?と驚いてしまいます。
きっと劇中の登場人物たちも、外見はどこか似ているはずなのに全く気が付かないのは私と同じように感じているからでしょうか?
初めて見る作品で出てくる感想、浮かぶ言葉で思ったのは、自分が見てきたものの中でしか感じることができないのかな、ということでした。
例えがどうしても過去に見た作品でしか表現できなくて。
自分が見てきて作品が自分を作っている。と感じました。
今作品でいうと、ここ数年で観劇した『フランケンシュタイン』、『ジャック・ザ・リッパー』と似た哀しく仄暗い作品で、全て失われてしまう遣る瀬無さと、救いの無さにどんよりしてしまいます。
どうしてここでこうしないんだ!
こうしたら助かるのに!
みたいな事をいっぱい感じてしまうのですが、その矛盾が物語を進めるエッセンスで、“助からない結末”へ向かうためのきっかけなのですよね…哀しくなってしまいますね…。
この救いの無さと感動的な音楽が絡み合って人気の作品になっているのかな…と思いました。
それこそ『ミス・サイゴン』もそうですね!
ヒロインの一人・ルーシーは真彩希帆さん。
ショータイムは流石の歌唱力!&セクシーに翻弄。カッコイイ!
博士は名刺を渡したけど、もしかして字が読めないんじゃ…?と心配してしまいましたが、ゆっくりと読めていました。
ジギルからの最後の手紙も幸せそうに、一生懸命に読んでいて、未来を夢見ていて、無垢で…そして哀しい。
ステージで、お店で、客に自信に溢れる態度で接する彼女と
店主に脅されて、部屋で一人になって、何も分からぬ子供のように振る舞う彼女は
まるで別人のようで…こちらは善意も悪意もない二面性なのかなと。
ハイドは恐ろしい相手なのに、彼の中に想いを寄せるジギルを見出し惹かれてしまう、二人の関係はいったい何だったのだろう?
もう一人のヒロイン・エマはDream Amiさん。
とてもヒロインな歌声で、ディズニー作品の主題歌も歌われている彼女はディズニープリンセスも似合うのではないかと思いました。
ルーシーが変わる人だとすると、エマは変わらない人。
何があっても、何も知らされなくても、ジギルを愛し信じ抜く強い力のある人。
ただ想定外の事が起き、信じたことは正しかったかと言うと…なんとか結婚式まで辿り着きますがそれでよかったのかな…。
強い愛が盲目にしてしまった。正しくない事を彼女は正せなかったと思います。
もうお一人大好きな方を…
サイモン・ストライド役・畠中 洋さん。
サイモンは悪役です!
でもハイドよりは悪役じゃない?
エマのことがずっと好きだったのですね…。
めちゃくちゃジギルを目の敵にしているサイモン。めちゃくちゃ酔っ払う。めちゃくちゃ怒ってる。
サイモンとして大勢の中で歌い踊っているシーンもあるのですが、畠中さんは動きがとてもスタイリッシュだと感じました。
ミュージカル!!を感じます。思わず目が行ってしまいます。
他の作品でも拝見した事がありましたが、やっぱり畠中さん好きです!
髪型も相まって、映画版ウィーリーウォンカさんが似合いそうと思ってしまいました。飄々としていて。
あっ!石丸さんも畠中さんも本物のディズニーヒーローですね!
作品から反れますが、画像のキャストボード。
撮影列がとんでもないことになっていました…お手洗い列よりあったのでは…?
より一層密になりそうですし、複数設置するなど改善があると良いなと思いました。
今回で作品を卒業される石丸さんの貴重な舞台を拝見することができて、また一つ想い出が増えました。
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