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『虎に翼』道男くんのその後

※以前にアップした『虎に翼』道男くん、よかったねのタイトルを変えた記事です。

平日の活力になっている『虎に翼』。
心に響く数々のセリフたち。
全く違う時代を生きているワタクシたちだけど、同じように「はて?」と違和感を感じ、怒り、泣いて、笑っている。

笑った後には、自分だって頑張らないと と令和の今日を生きる。

けれど、ドラマに登場する人物すべてが、自分の置かれた状況を自分の力だけで、切りひられる人ばかりではない。
そして、強い心の拠り所をもった人間ばかりではない。
あの時代、守られるべき時に守られず、手を取ってもらえなかった人たちが多くいた。ドラマで描かれた『道男くん』は、その化身だったと思う。

猪爪家で生活をしていた『道男くん』は、本来自分が与えられるべきものが戦争や、子どものことを顧みない大人によって奪われたことを認識した。
いつの時代でも、理不尽を押し付けられるのは弱い立場に置かれたものたちなのだ。

「はて?」と声を出し、自力または理解ある周りの人々に支えられて、理不尽に対して微力であっても言及できた寅子。
だからこそ、「はて?」と声を出せず、どうすることもできない戦災孤児たち『道男くん』を支えなくてはいけないと奮闘する姿は、家庭裁判所の壇さんに「バカか」と言われても支え続けたんだと思う。
苦しいけれど、正しい大人の姿だ。
けれど、苦しいのも事実。
周りも苦しい。
けれど、みんな苦しい時だからと動ける大人はかっこいい。

明るい道が開けた『道男くん』にさらに吉報が舞い込む。

傍聴マニアの笹山さんのもとで住み込み働くことになった。
「よかった、よかった」と胸をなでおろしたワタクシだが、本当は少し腑に落ちない。

路上での厳しい生活を知っている道男くんなら、嬉しい反面悩むことがあるはずだ。だって、まだまだ上野や日本中にいる子どもたちは苦しんでいるから。

ワタクシ自身がモヤモヤしてしまった。
うなりながら、晩御飯の準備をした。
うなりながら、子どもたちとお風呂に入る。
うなりながら、眠りについた。

そしたら、夢の中でその後の『道男くん』と『上野の子どもたち』の姿を見ることができた。
ぼろぼろ泣いて、自分の鳴き声で起きることになったけれど。
久しぶりに大粒の涙を出した。とまらない大粒の涙。
朝から目が腫れたけれど、本当に良かったと思える夢だった。

***ここからは夢の話***
笹山さんのところで住み込みをして働くことになった道男くん。
一生懸命、仕事を覚え身の回りのことを整えていく。
しかし、ふと手が止まってしまう瞬間がある。
いつもの食事の時間、
ごちそうさまでしたと手を合わせる瞬間、
知り合いにあって頭をペコっと下げた後、
柔らかな布団に包まれて、安心して寝入る瞬間。

戦後、自然と自分の周りに集まってきた戦災孤児のあの子たちの顔が、ちらつくんじゃないかな。
「道男おにいちゃん、よかったね」
「道男お兄ちゃんだけ・・・」
「いい暮らしをしているんだね」って。

そうしたら、そんな道男くんの葛藤を感じこんな提案をしてくれる。
「家にはまだ空きがある。行き場のない子がいるなら、一緒に住んだらどうだ。」と。

夢なので、面倒な手続きもなく、
次の瞬間には子どもたちが庭を駆け回り、笑っている。
中には、小学校や中学校のプリントを道男くんに手渡している。
そして、道男くんは自分がしてほしかったことを子どもたちにしてあげる。
「えらいな」
「よくがんばってるな」
「テストのために、これまで頑張ってたもんな」
「おまえは、大丈夫だ」
って声をかけている。

不思議な夢だった。
あの道男くんが・・・
プリントを見て、成績を紙に書き写している・・・・
道男くんが・・・

ぼろぼろ、おいおい泣いて目が覚めた。
寝起きから10分は泣き続け、よかったよかったと繰り返しつぶやいた。
都合の良すぎる夢だけど、夢だけでも都合よく、理不尽なく過ぎてほしい。

あの時代を生きた多くの『道男くん』と『子どもたち』
多くの子の役に立ちたいと尽力した『大人たち』
今も、そんな人は多くいる。
多くの理不尽の中に、手を伸ばして引き上げてくれる大人もいる。

ワタクシ自身も、そんな人になるよう努力を続けたい。


今週も笑っていてくれ道男くん。
今週も踏ん張ろう大人たち!

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