
【LIVE名盤】”Rainbow / On Stage”
UKハードロックバンドレインボーの1977年リリースのライヴ盤『オン・ステージ』です。
ディープ・パープルを脱退したフロント・ギタリストのリッチー・ブラックモアが、1975年にツアーの前座を務めていたバンドのボーカリストだったロニー・ジェイムス・デュオやジェフ・ベック・グループなどで活躍していたコージー・パウエルらとレインボーを結成します。
バンドそのものはロニーが参加していたエルフというバンドが母体となり、1975年にデビュー・アルバム『銀嶺の覇者』をリリースします。その後のメンバーチェンジでベースのジミー・ペイン、キーボードのトニー・カレイが参加してセカンド・アルバム『虹を翔る覇者』(1976)をリリース。そのツアーの模様がライヴ・レコーデイングされました。

収録曲
LP-1
A1 Intro: Over The Rainbow〜Kill The King
A2 Man On The Silver Mountain
〜 Blues
〜 Starstruck
B1 Catch The Rainbow
LP-2
C1 Mistreated
D1 Sixteenth Century Greensleeves
D2 Still I'm Sad
当初は12/2からの日本公演の音源により制作されると企画されていましたが、演奏の出来具合もあり、最終的には12/16の東京の昼夜公演と、直前に行われたヨーロッパ公演での音源と合わせて構成されることになりました。
収録日 (収録は全て1976年)
A1 Intro: Over The Rainbow 9/28@独ニュルンベルク
〜Kill The King 9/29@独ミュンヘン
A2 Man On The Silver Mountain 12/16@東京(昼)
〜 Blues 12/16@東京(夜)
〜 Starstruck 12/16@東京(夜)
B1 Catch The Rainbow 12/9@大阪+12/6@東京(夜)
C1 Mistreated 9/25@独ケルン
D1 Sixteenth Century Greensleeves 12/16@東京(夜)
D2 Still I'm Sad 9/28@独ニュルンベルク
大阪公演 : 大阪厚生年金会館
東京公演 : 日本武道館
当時トミー・ボーリンの加入した新生ディープ・パープルよりも、やっぱりリッチーが観たいよねということで、私もこの日本公演のチケットを徹夜でプレイガイドに並んで取りました。その後に自分が行った12/16夜公演の音源がアルバムになるとの情報が伝えられてかなり嬉しかったのですが、実はあれこれ混ざっていたんですね。

このあたりの事情についてはこちらの記事をご覧ください。
A1 場内の客電が落ちてオズの「魔法使い」の名曲「虹の彼方に」が流れます。「こう来たか」と思った瞬間、いきなりの爆音によるオーバーチェアに続いて、当時は未発表だったナンバーから期待度MAXのステージの幕開けです。リッチーのギターもさることながら、日本初お披露目のロニーのシャウト、そしてコージーの大迫力のツイン・バスの連打に会場は大興奮です。チケットを見ると分かりますが、私の席はステージ斜め後ろ(泣)。唯一の演出大道具のステージを跨ぐ虹の仕掛けも、自分の席からは何か灯りが漏れている程度にしか見えていません。リッチーの顔ももちろん見えず、正面から照らされるスポットライトには、リッチーの頭のシルエットが浮かび上がる程度。とはいえ音量は十分に届いていました。ロック・コンサートに来ているなと120%納得のオープニングでした。正直今でも、このオープニングに勝るコンサートってあったかなと。それくらい興奮して観てました。
ちなみに没になった大阪公演の音源がこちら。確かに「あれ??」って箇所がありますね。ただコージーのドラムはほぼ同じ出来。さすがって感じです。
そして翌年のドイツ公演の動画ですが基本はほぼ同じです。ロニーの歌い方もこなれてきています。ただこの声量は本当に凄いです。リッチーが前座バンドから引き抜いた気持ちもよく分かります。
A2 デビュー作『銀嶺の覇者』収録。ライブならではのスピード感溢れるパフォーマンスと想定外のメドレー展開と合わせて至福の時が流れていきます。
C1 パープルの名曲も、パープル以外でリッチーなら許されるなという選曲。レインボーのファンというよりも、あのパープルのリッチーが観たくてきているので、パープルの曲を演奏するのは大歓迎です。この曲を生で聴けて嬉しかったですね。
斜め後ろからの鑑賞だと虹の演出が全く分からなかったので、途中で席を立ち、ステージ正面の南スタンドまで通路を移動してみました。あぁこうなっていたんだなと。また、バラード曲??の時には客席でライターを灯す人達が大勢しました。武道館の空間に揺らめく灯りがとても綺麗でした。私も真似してみましたが、案外熱くてすぐに断念しましたけど・・・
また、公演が終わりに暗闇の北の丸公園から九段下駅に向かう途中、リッチーがステージで壊したマーシャル・ギター・アンプ(実際には壊すためだけのハリボテだったとか)の破片を大事そうに抱えているお兄さんを見かけました^^;;。
今なら考えられない観客の所業も、当時は案外緩く許されていた、そんな時代だったんですよね。
個人的にはレインボーも、もちろんパープルもここまでで終了でした。その後のアルバム版の「キル・ザ・キング」も今ひとつピンときませんでしたし。また、私の音楽趣味の嗜好も限りなく拡がっていた時期だったので、このジャンルにだけ執着している余裕も無くなって・・・美しい思い出は美しいまま、記憶に留めておきましょう^^;;。
[追記]
この日本公演についてはブートレッグも大量に出回っています。詳しいサイトがありましたので、ご参考まで。
http://ritchieblackmore.fan.coocan.jp/docs/ritchie/rainbowb/r76jbt.html