【名盤伝説】”Lee Ritenour / Friendship “ 超絶技巧の名人技を堪能できるDC名盤。
お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。フュージョンギタリストの代表選手、リー・リトナーの『Friendship』(1978)です。同名のアルバムが他にありますが、こちらはダイレクト・カッティング(DC)というミュージシャン、エンジニア含めて国宝級の一発技で製作されたシリーズの第3段です。
ダイレクト・カッティング(DC)とは、当時はLP盤しかなく、その製作の最終工程で必要な元の盤(ラッカー盤、スタンプの元のようなもの)に音源を直接刻み込む制作方法のこと。すなわちミュージシャンは言うに及ばず、録音・ミックス・カッティング・その全てのエンジニアにもミスが許されないという、究極の緊張状態で一発勝負で制作されるアルバムのことです。
途中の工程を省く分だけノイズなど余計な音が紛れ込まないという、究極のオーディオマニアにのみ恩恵があり、普通の機材で再生しているリスナーには無用の仕業とも言えますが、片面ずつノーミスで演奏し続けるミュージシャンの心意気を楽しめるという意味で、至福の体験ができるのです。
リットは『ジェントル・ソウツ』、『ジュガーローフ・エクスプレス』(いずれも1977年リリース)に続いて、この作品を制作しています。第一作目が超話題となりましたが、個人的にはこの3作目の『Friendship』が好きです。何故かあまり評価されていないようですが・・・
参加ミュージシャンは、スティーブ・ガッド(Drs)、エイブラハム・ラボリエル(Bs)、ドン・クルーシン(Key)、デイヴ・グルーシン(Pf)、スティーブ・フォアマン(Perc)、アーニー・ワッツ(Sax)といった面々で、当時のフュージョン界の最高峰といえる布陣です。
収録曲は実に多彩で、それぞれののテクニックを聞き逃すほどメロディアスかつキャッチーな曲が並びます。リットの数々のアルバムの中でも、個人的に一番好きかもしれません。
収録曲の普通のwライブ版がYouTubeにありました。こんなに素敵な曲で、しかもこのアルバムにだけしか収録されていないのに、評価が低いのは何故ですかね。
ちなみに別の『Friendship』はリー・リトナー、ドン・グルーシン、アーニー・ワッツらで結成されたバンド「フレンドシップ」唯一の作品という扱い(1979年リリース)。同名アルバムって紛らわしいですね。
リアルタイムなクロスオーバーオヤジには、リットはギタリストとして時代のスーパーアイドルです。追って他の作品も紹介したいと思っています。
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