秋の気配 平日の午後の音
レースのカーテンが風で膨らんで、寝転んでいると空が見える。
青空だ。
湿度も気温も下がって爽やかだ。
ああ、平日の午後、こんなふうに寝転んでのんびりするのは何年ぶりだろう。
平日は音が違う。
基本的に静かで、何かの配達か自転車が規則的に止まる音がしてまた動き出す。
道路を走る車の音も多くはない。
電車の音、高校のチャイムの音、団地内を竹箒で掃く音。
それらがパタリとやむときがある。静かだ。
風だけが吹いている。
昔この部屋でベビードレスを編んでいたなあ。
あの時も秋の同じ風だった。
昼寝をしている子どもの横で、一緒に眠ってしまい、風が吹いて何もかけていない私は寒くてよく目が覚めた。
そのあたりから平日のこの部屋の記憶があまりない。
一気に月日が経った。
今日は何も予定のない休みにしたからただ空を見ながら周りの音を聞いている。