認知症の母 道に迷って“高齢者見守りキーホルダー”利用者に
認知症とわかった翌年(2020年夏)、バスで美容室にでかけたところ、バスを降りてから道に迷い、美容室に辿り着けず、わからぬまま遠くの駅まで歩き(どこの駅か不明)、そこから家に戻ってきた、ということが起きました。無事に自力に家に戻ってこれたから良かったですが…、事故にでも遭っていたらとぞっとしました。
話の最初は「(遠くの)○○駅まで歩いた」から始まり、母が歩ける距離ではないので「バスを降りて行ったのなら、他の駅じゃないの?△△駅じゃないの?」と訊くと、「◇◇線なのはわかるけど、どこの駅か忘れた」。
「私は自由だ。どこにだって行ける。」と言いますが、バスに乗って出かけたのは美容室に行くためで、気ままな散歩ではありません。途中のお菓子屋で電話を借りたと言いますが、どこに電話したか覚えてません。
この頃、妄想が混じった話を現実として語っていたので、すべてが本当とは限らないと疑いながら聞いてましたが、これはホントのようで、慣れない地域で道に迷ってかなり不安だったようでした。
以前、地域包括支援センターから、母が一人で頻繁に買い物に行くと話したところ、何かあった時のために“高齢者見守りキーホルダー”を身に付けては、と勧められていました。このキーホルダーには、母がどこかで倒れたり、道に迷って保護された時に、登録している地域包括センターに連絡するように記載されています。
連絡を受けたセンターは、キーホルダーに記載された番号で母とわかり、治療が必要な事態であれば、母の血液型、持病や普段どんな薬を飲んでいるかを医療機関に伝え、道に迷って保護されたのであれば、家族に連絡をくれます。
母がそもそもキーホルダーを身に付けるのを了承するのか、つけてもすぐに外してしまうのでは、と思っていました。しかし母自身が道に迷ったことにかなりショックを受け、不安を感じていたこと、よく母に声をかけてくださっていた民生委員さんが後押ししてくださったこともあり、すんなり利用するようになりました。
この“高齢者見守りキーホルダー”は全国に拡がっているそうで、下記のHPの下の方で各地のキーホルダーが紹介されています。
みまーもの広がり
あなたのご家族がお住まいの地域にも、このような見守りシステムがあるとよいですね。