介護士はいいぞ。
「介護なんて誰にでもできる仕事」
「介護なんて何もできない人間のする仕事だ」
「底辺の仕事だ」
なんて、よく聞く言葉だ。
私もよく言われてきた。
なんでそんな風に言われるのだろう。
給料が低いから?
人様の排泄介助なんてするものじゃない?
私は別に底辺の仕事と言われても大して気にしていない。
何もできない人間のする仕事と言われても気にしない。
だって、底辺だなんて思ったことないし。
仕事に貴賤もない。
上か下かなんて誰が決めるのか。
いちいち順位付けしないといけないものなのか。
この順位付けに誰が得するのか。
今まで、学校でも仕事でも大したことできなくて続かなくて。
でも、介護の仕事は続けようと思った。
何もできない、と客観的に見ればそうなのだろう。
否定はしない。
でも、仕事の順位を気にしたり仕事内容に優劣つけたり
自分以外の人の仕事を蔑んでないと自分を保っていられないような
そんな人間の言うことは無音と同じ。
介護士はいいぞ。
ありがとうを毎日、些細なことでも本気の感謝をいただける。
人生の最後の最後に出会い、その方の生き様を聞かせていただける。
人様の人生の一部始終をこんなにも聞ける仕事はあるのだろうか。
排泄介助が何だ。
移乗介助が何だ。
入浴介助が何だ。
食事介助が何だ。
自分でできなくなったことをお手伝いしているだけだ。
何も特別なことはしていない。当たり前だ。
当たり前のことを、当たり前に、ただ毎日粛々と。
自分が産まれてすぐできなかったことを、してくれた親と同じ。
老いると子に還る。
この事実を知らない、受け入れられない人が多すぎるということ。
世の中が介護について、人生について知らなすぎる。
それを象徴しているのが、介護職への偏見か。
知らなすぎるのに鬼の首を取ったかのような顔をして
平然と根拠のない何とも知性のない言葉を言い放つのだ。
本当に滑稽。
故に、私は冒頭の言葉を放つ者に一言言うとしたら。
自分の無知を晒して偉ぶるな!恥ずかしいぞ!