将棋がスキ!西山女流三冠の棋士編入試験と女性の社会進出をつい重ね合わせてしまう
今日は西山朋佳女流三冠の棋士編入試験の第二局。
将棋好きの長男は朝からソワソワしていた。
三局勝てば合格ということで、すでに一局白星をあげている状態で今日勝てば少し余裕が出るのでは…(なにやら、次の相手はかなり強いという噂。)と観る将ビギナーの私もドキドキしている。
もし西山さんが合格すれば女性初の「プロ棋士」の誕生となる。
西山さんは3段リーグで14勝4敗という成績をあげており年によっては既に4段昇格しているとも言われるから、今最も、プロ棋士に近い女性なのかもしれない。
(福間さんが編入試験に不合格となったときは残念だった…福間さんと西山さんは互角という印象なのでふたりともプロになってほしい…などと初心者的感想を持つ。勝負の世界は厳しい。)
ところで、なぜ、女性からプロ棋士が出ないのか、という疑問は過去にもテレビや雑誌で見聞きしていたけども、概ね、そもそも競技人口が少ない、強くなったところで女流棋士の方が稼げる(逃げ場がある、食べていけない)、などがあった。
上の記事を見るとしかし、かつてはそもそも奨励会に入れない、という壁があった。
つまり、入口の時点で資格がない。
会社で言えば「応募要項」に「男性のみ募集」と書かれている状態だ。
同じ記事にもあったけど、女性というだけで見下されていじわるされるんじゃ、入口に入ってもその先が辛過ぎる。
で門戸が開かれて奨励会には入れるようになったけどその次は?というと…
「研究会に入れない」というのがあるようだ。
棋士の皆さんは日々研究し切磋琢磨するがその機会が与えられない、というからこれは入口にたっても上に上がる実力がつかないのは仕方ない。
これは会社で言うと「仕事が割り振られないから経験が積めない」とか「昇進昇格に繋がるボーイズネットワークに入れない」近い状態だ。
会社だと、仕事の実績を作るには、仕事を割り振ってもらわないといけない。その実績が自分の価値を高めてくれて次の仕事をもらうときの指標になる。
奨励会に入っても研究会に入れないって、大学卒業して入社したら男性は営業に行くのに、女性はお茶汲みばかり、の構造に酷似してる。
「どうせ女にはできない」
そんなふうにチャンスを与えられない女性はいくらでもいた。
さすがに時代も進んで女性も男性とともに研鑽の機会が与えられるようになってきたようだ。
昔なんて情報がクローズドだったから、男性が女性を排除していたとしたら棋士を目指す女性のみなさんにはさぞかし不利だっただろう。日本がダメなのでアメリカで戦います、とかもできないわけで。
稼ぎのことはおいておいて(プロになろうって人には死活問題だけど)、まず、機会が平等に与えられるというスタートが確立したのはよかったね、と思う。
もし、女性のサラリーマンのようにチャンスが平等に与えられるようになっていってプレイヤーが増えていったら遠い将来に女流棋士という仕組みもなくなるのかも?
私が大学卒業してからお茶汲みでなく普通に仕事ができたのは、過去に功績を残してくれた女性のみなさんや、フェアな世界のために奮闘してくださった方々のおかげと思わず感謝してしまった。
今夜は息子と西山朋佳女流三冠の健闘を讃えて楽しく過ごしたい。