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考動クラスを支える‟考える宿題システム“

 今日は、初任者時代の校長先生にいただいてからずっと大切にしている言葉でスタートします。
 
「育てる(sodateru)の88%は、おだてる(odateru)でできている。」
 
 おだてるというとあまり聞こえがよくないかもしれません。ですが、わが子の成長を見ていると、子育てにおいておだてることの有効性を感じざるを得ません。
 「これでいいんだ!」「自分ってすごいんだ!」と思わせることは、その活動に対して“嫌な感じがしない”というなじみを生みます。そして、このなじみはあらゆる成長の基盤となります。
 
 私は、4月の懇談会で必ずこの話をします。とにかく、学校と家庭が同じ方向を向いていることが学級経営を大崩れさせないためには大切だからです。
 
 
 本日は、「考動クラスを支える‟考える宿題システム“」というお話をしていきます。
 これは、私が実践していた宿題を例として出したいと思います。
 ちなみに、中学年以上で行なった実践なので、低学年については次回担任した際に考えたいと思います…(すいません)。
 
私が勤める学校では、
 ・漢字ドリル
 ・計算ドリル
 ・音読

  を毎日の宿題としているクラスが多いです。
  

 それを踏まえた上で、まずは4月に子供たちと“宿題の目的”についてじっくり考えます。子供たちはとても賢く、しっかり考えればおのずと、
 
 ・自分の力を高めるため
 ・自分の弱点を補強するため
 ・家で勉強する習慣を身につけるため

 
 といった目的に辿り着きます。そして、私から1つだけ付け加えます。
 
 その目的は、「なりたい自分になるため」というものです。
 
 算数が苦手だから、100点を取って自信をつけたい!
 漢字博士になりたいから、もっと上の学年の漢字まで覚えたい!
 サッカーがうまくなりたいから、リフティングのコツを調べたい!
 友達を増やしたいから、自分の性格について深く考えたい!
 
 どれも、なりたい自分になるための立派な宿題です。ですから、これらの願いが叶う宿題システムを用意する必要があります。
 
 しかし、今なお「宿題とは、教師から押し付けられたものをやらなければならない。だから、やる。」という一種の思考停止に陥っている児童が数多くいます。
 
 「宿題=めんどうなもの」という公式が日々の修行で刷り込まれ、結果的に「やりたくないもの」「早く終わらせたいもの」というネガティブなイメージが浸透してしまっています。
 
 部首だけ先に書く漢字練習、答えを丸写しした計算練習は、決して児童の人格の問題ではありません。
 



 前置きが長くなりましたが、以下に私が出していた宿題システムをご紹介します。
 
【中学年】
・漢字練習:家庭学習の習慣づけのため、必ず家で行う。ただし、量や練習の仕方は、自分で考えてよい。おすすめの練習法として、事前にけテぶれを教え、一緒に行う。どんどん先に進みたい子は進んでもOKだが、ペースメーカーとして「今日練習する2文字」を提示をする。
・音読:毎日。
 
※計算ドリル:朝自習、授業やテストが早く終わった後、休み時間など、いつでもやってOK。基本予習の使い方。どんどん先に進みたい子は進んでもOKだが、①分からなかったら先生か友達に正しいやり方を聞く、②丸つけと解き直しを必ず行うという条件付き。漢字同様、ペースメーカーとして「今日のドリル番号」は提示する。
※漢字ドリル:授業中に自由進度で行う。ただし、新出漢字との出会い方は事前に指導。
※毎週末の宿題は、自学と音読に置き換える。
 

【高学年】
・自主学習:自分の学習状況やその日確保できる時間を考えて、量と内容を自己決定。
※漢字ドリル、計算ドリル:家で行う宿題としては出さない。学校のいかなる時間にやってもOK。単元ごとの確認日を設け、その日までに計画的に取り組み、提出するよう伝える。間に合わなければ、もちろん家でやってもよい。
※音読は、学年の実態にあわせて読書に置き換える。
 
 
 宿題システムをつくる上で大切にしているのは、
(1)放任ではなく、事前に学び方を丁寧に教えること
(2)自己選択・決定できる余白を残しておくこと
(3)学びの責任を児童本人にも与えること
 
です。その最たるものが、自主学習というわけです。
 
 考動クラスづくりにとって、自主学習は飛車角級の重要度です。
 
 次回は、「自主学習のシステム」についてより具体的にお話していきます。
 
 本日もお読みいただき、ありがとうございました。

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